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有毒性の発泡スチロールを食べて消化してくれるミールワームがゴミ問題の救世主になる可能性(米研究)

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(著) (編集)

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wingedwolf/iStock
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 ゴミムシダマシ科の甲虫の幼虫であるミールワームは、鳥やは虫類などのエサとして繁殖されている小さな芋虫だ。

 そんなミールワームに、世界で大問題になっているプラスチックを消化する力があることが明らかになったそうだ。

 それもただのプラスチックではない。有害物質の入った発泡スチロールをムシャムシャと食べても全く問題ないという。

 以下ミールワームが登場するのでご注意を。

ミールワームの腸にはプラスチックを生物分解する微生物がいる

 アメリカ・スタンフォード大学の研究グループが『Environmental Science & Technology』(12月5日付)に掲載した研究は、プラスチックに含まれる化学物質がミールワームの腸で分解された後、最終的にどうなるのかを調査した初のものだ。

 この研究以前、別の研究者によってミールワームがさまざまな種類のプラスチックを食べて生きられることが明らかにされていた。ミールワームの腸にはプラスチックを生物分解する微生物が潜んでいるのだ。

 これはプラスチックゴミ問題の対策として非常に有望な発見だったのだが、プラスチックを食べたミールワームの体内に添加物が蓄積されているのだとすれば、動物のエサとしてはもう使えないことになる。

 この懸念を一掃したのが今回の研究だ。

Stanford study shows mealworms can eat toxic plastic additives

発泡スチロールに含まれる有害物質問題

 この研究で取り上げられた発泡スチロールは、包装や断熱材としてお馴染みのものだ。

 しかし便利な反面、密度が低くかさばることからリサイクルにはコストがかかるうえに、添加物としてヘキサブロモシクロドデカン(HBCD)が使われているという難点もある。

 HBDCは、プラスチックを燃えにくくする特性ゆえに広く利用されており、2015年だけでも250万メートルトンがプラスチックに添加されたと推定されている。

 だが内分泌を撹乱したり、神経毒性があったりするなど、健康や環境に対する悪影響も指摘されており、EUでは使用禁止が予定され、米国でもそのリスクを評価している最中だ。日本でも2014年5月1日に第一種特定化学物質に指定されている。

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Sayan_Moongklang/iStock

発泡スチロールを消化してくれるミルワーム

 アニャ・マラウィ・ブランドン氏らの実験では、発泡スチロールを食べたミールワームは、半分を部分的に消化された破片として排泄し、もう半分を二酸化炭素として排出することが確認された。

 また、そこに含まれていたHBCDも排泄物と一緒に排泄されていた。発泡スチロールを食べてから24時間でおよそ9割が、48時間で実質的にすべてが体の外に出たようだ。

 発泡スチロールを与えられたミールワームの食欲は、通常のエサのときと同様健康的なもので、それを食べたミールワームをエビに与えてみたところ、こちらも同じく問題なく食べてくれたとのことだ。

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ただしプラスチックゴミ問題は根本的な解決法が望まれる

 なおブランドン氏らによると、ミールワームが排泄したHBCDは相変わらず有害であるし、それ以外の添加物が分解されないまま残っている可能性もあるという。

 ミールワームは確かにプラスチックゴミ問題の有望な対策ではあり、これまで使用されていた発泡スチロールを処分するには有効だが、根本的な解決を図るには、プラスチックのかわりに生分解性の素材を利用し、使い捨て製品をなくすしかないと研究チームは述べている。

References:Stanford researchers show that mealworms can safely consume toxic additive-containing plastic/ written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 44件

コメントを書く

    1. ※1
      2015年にミールワームがポリスチレンを分解できるってニュースがあったから、それを覚えてたんじゃないかな。その研究のことは記事でも言ってる。

      >この研究以前、別の研究者によってミールワームがさまざまな種類のプラスチックを食べて生きられることが明らかにされていた。ミールワームの腸にはプラスチックを生物分解する微生物が潜んでいるのだ。

      この記事は、ポリスチレンだけじゃなく、同時に含まれる他の有害物質も分解できるって話じゃないかと。

      • +4
    1. ※2
      ちなみに綾瀬はるかの本名は「蓼丸綾」です。

      • -5
  1. 結局有害物質が形変えて残るんだったら意味ない
    毎日でるプラゴミを一日で消化するミルワーム用意するとなるとすさまじい量だし、地震とかで逃げ出したら地獄絵図になるから、燃やそうぜ、燃やしてもOKなの作ろうぜ

    • +4
    1. ※6
      普通のトンのことみたいよ、「ヤード・ポンド法のトンじゃありませんからねー」って言うことらしい。

      • 評価
      1. ※15
        「metric ton」の翻訳は「t」または「トン」でいいんじゃないかなあ。

        • 評価
  2. 声に出して読みたい用語がまた増えた

    ドコサヘキサエン酸
    モホロビチッチ不連続面
    アセチルサリチル酸
    ヘキサブロモシクロドデカン←NEW!!

    • +5
    1. ※8
      エイコサペンタエン酸
      ドデシル硫酸ナトリウム
      グーテンベルク不連続面
      ポリアクリルアミドゲル
      デオキシリボヌクレイックアシッド

      • +2
    2. ※8
      セフカペンポキシル塩酸塩(抗生物質)

      • 評価
    3. ※8
      アナクシマンドロス
      ヘルメス・トリスメギストス

      • 評価
  3. 動画を見た感じ、大量のミールワームが居る割には
    発砲スチロールの塊にポツポツ穴が開いてる程度なので
    他に食う物が無くて取り敢えずかじってみただけな様な。

    • +3
  4. 将来この虫が大繁殖して世の中に発泡スチロールが存在出来なくなったら大変だ

    • -4
  5. 何億何兆を超えるワーム達によるミールワーム発泡スチロール処理場を作るとか?
    プールにぶち込むわけにもいかないし難しそうだ

    • +2
  6. 「ダマシ」じゃなくてこの虫こそゴミムシの称号にふさわしいのでは
    名誉かどうかは置いておいて

    • +3
  7. 将来プラスチックからパンができるかな? インダストリアみたいな。

    • +2
  8. ワーム兄さんは何でも食べるなあ。
    でも兄さんも大抵の小動物の皆さんに食べられてしまう無情。

    • 評価
  9. 少量の発泡スチロール(ポリスチレン)を処理する程度なら虫を使ってもいいだろう。
    大量の廃棄物の処理には時間がかかりすぎて追いつかないと考えられる。

    東芝がプラントでやっているようなスチレンモノマーに戻すやり方の方が処理が早く、処理後のスチレンモノマーはポリスチレンとして再び使えるわけで、マテリアルリサイクルに廻す方がいいと思う。
    人間が作って捨てたものは人間の力でなんとかしようよ。

    • +8
  10. 発泡スチロールってレモン汁かなんかでとかせなかったっけ?
    溶液かけて溶かせるなら虫に食わず必要なくない

    • -1
    1. ※19 オレンジの外皮からとれるリモネンが溶かすんで、
      業務用に販売されてる。でも溶かした後の環境への影響
      まではわからない。誰か知ってる人。

      • +4
    2. ※19
      溶けるけど、発泡スチロールの原料のスチレンが分解されるわけじゃない
      塩を水に溶かしても、塩がなくなったわけじゃないのと同じ
      さらに柑橘系から得られるリモネンはラットに対して発がん性があり、環境中に流すのはあまりよろしくなさそう

      • +7
  11. 要するに、細菌を培養すればいい話なのでは…(ワームこわいんよ)?

    • 評価
  12. 最近、プラと燃えるごみの分別に対して、細かく言われなくなったんだけど、
    どうやらこちらで細かく分別しようが、まともにリサイクルされてないらしいね
    むしろ燃えるゴミが燃えないからと、逆に燃料としてプラを追加してるとか
    世界規模で本気のリサイクル考えないと、本当にもたないかもしれないね

    • +4
    1. ※23
      焼却炉の性能によって違いますね
      高温で燃やせる焼却炉はあまり分別する必要が無く、
      そうでない焼却炉は分別しないと有害物質が発生するということで
      地域ごとで分別の仕方が全然違います

      • +5
  13. 有害物質減ってないし
    フンがマイクロプラスチックみたいなことになるなら、やらないほうが良くないか。

    • +3
  14. 何がスゴいって有毒なプラスチックを分解云々以前によくあんな不味そうな物喰えるなってのが…不味そうっていうか不味いだろ絶対

    • +3
  15. 食べれるからって好き好んで食べてくれる訳じゃないからなぁ

    • +3
  16. 発泡スチロールっていうのは珍しく完全リサイクルが確立された物質なのでワームさんに手伝ってもらわなくても間に合ってるのよね

    • -1
  17. そうだ!食べれるプラスチックを開発しよう
    繊維にトウモロコシを織り交ぜて
    バクテリアに分解してもらう

    • 評価
    1. ※33 既に作られてはいるけど、コストがかかるんで
      企業が採用に踏み込めないんじゃなかったか。
      イベントなどのフード販売で使われてたりする。

      • 評価
  18. ミルワームが発砲スチロール箱食べるの知らなくて、小動物の骨格標本作るために動物の死骸と一緒に入れてたらむしろ箱のほうを食べててオイオイってなったことある(笑)
    排泄物は確かにコンパクトにはなってたけど完全に消化されてる感じはしなかった。
    複数色の発砲スチロールを食べさせるとう〇こがカラフルになる。

    • +3
  19. 発泡スチロールならGも食べるけどどうなんだろう?

    • 評価
  20. あんまり食が進んでるようには見えないから
    ミルワーム的にも食うもん無いからしゃーないくらいの気持ちなんだろか

    • +2
  21. 発泡スチロールはリモネンサイクルで再利用できるでしょ

    • 評価
  22. プラやビニール燃やしても 有毒ガスほぼ無効化する装置作った方が良いだろ 

    • 評価
  23. ミルワームをペットとして飼っている者から言わせてもらうと発砲スチロールだと不味そうで可哀想。動画でもあまり食べてなかったし
    それに栄養が足りなくてどんどん繁殖力が落ちると思う
    というか、この記事と動画のミルワームはあくまでチャイロコメノゴミムシダマシの幼虫であって、その大量のミルワームはいずれ大量のサナギになり、大量の成虫になるのどうすんのw
    成虫の食性は幼虫と違うからプラスチック食べてくれないと思うよ
    だからミルワームにこだわるのではなく、ミルワームの体内でどういう風にプラスチックが自然分解されているのを研究した方がよっぽど有意義だと思う

    • +2

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