メインコンテンツにスキップ

人間の関節の一部にサンショウウオのような再生能力が備わっていることが明らかに(米研究)

記事の本文にスキップ

22件のコメントを見る

(著) (編集)

公開:

この画像を大きなサイズで見る
Image by Harald Matern from Pixabay
Advertisement

 サンショウウオなど一部の動物には、手足や尻尾が切断されても再生されるという驚異の能力が備わっている。

 この能力は人間にとってうらやましい限りなのだが、新しい研究によれば、じつは人体の軟骨にも「サンショウウオのような」隠された再生能力が備わっているのだという。

 将来的には、関節の怪我やつらい関節炎のような症状の治療にも役立つかもしれない発見だ。

人間の足首の炎症の方が膝や股よりも早く治る理由

 アメリカ・デューク大学の研究グループは、アミノ酸に含まれる内部分子時計を利用することで、タンパク質の年齢を割り出す方法を考案した。

 手術を受けた患者から足首・膝・股関節の関節組織を採取し、新しい方法で軟骨組織に含まれるタンパク質の年齢を特定したところ、膝のタンパク質には加齢の兆候が少なく、股関節のものよりも若いことが判明。さらに足首のタンパク質は膝よりも若いことが明らかになった。

 このことは、足首よりも膝や股関節のほうが関節炎になりやすかったり、怪我の回復が遅かったりする理由を説明するかもしれないとのことだ。

この画像を大きなサイズで見る
Image by Shidlovski/iStock

サンショウウオやゼブラフィッシュとの共通点

 面白いことに、そうしたタンパク質年齢の違いは、一部の生物の再生能力とも符合している。たとえばサンショウウオやゼブラフィッシュのような動物は、体の中心よりも末端部のほうが再生しやすい。

 またタンパク質の数値は、マイクロRNA(miRNA)のレベルとも一致していた。この分子は軟骨の回復プロセスを制御しており、やはりサンショウウオやゼブラフィッシュのような自己修復能力を持つ動物においてより活発なものなのだそうだ。

 論文の筆頭著者であるシュエ・ミンフェン博士は、「サンショウウオの手足の再生制御機構が、人間の手足の関節組織修復のコントローラーでもあるらしいことを知って興奮しました」とコメントする。

 研究グループでは、この機能のことを「内部サンショウウオ能力(inner salamaner capacity)」と呼んでいる。

この画像を大きなサイズで見る
Image by Stefan Hoffmann from Pixabay

再生能力が怪我や関節炎の治療に応用できる可能性

 この内部サンショウウオ能力をうまく利用すれば、人間の怪我の治療にも役立てられる可能性がある。

 「サンショウウオにはあって、人間は失くしてしまった調整機構の要素を解明できれば、その欠けている要素を補うことで、手足の部分的な、それどころか完全な再生すらできるようになるかもしれません」とヴァージニア・バイヤーズ・クラウス博士は説明する。

 miRNAに化合物を混ぜて標的薬を作るというのは、登場したばかりの新しい研究分野だ。

 今回発見された人体に隠されている再生応力をアップさせるために使うべき化合物はまだはっきりしない。それでも、その解明が進めば、たとえば変形性関節炎のような軟骨の劣化によって生じる関節炎の治療薬を開発できるかもしれないとのことだ。

 この研究は『Science Advances』(10月9日付)に掲載された。

References:Humans have salamander-like ability to regrow cartilage in joints: The process could be harnessed as a treatment for osteoarthritis — ScienceDaily / Humans Have Salamander-Like Ability to Regrow Cartilage in Joints | Duke Health/ written by hiroching / edited by parumo

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 22件

コメントを書く

  1. 再生しやすいのは、足首の方が壊れやすいからだろうな
    普通に歩くだけでも一番負担掛かるし、グネッたりとか変な負荷もかかりやすいし

    • +5
  2. オレの中に眠っているサンショウウオの能力が・・・目覚めてしまう・・ ! !

    • +6
  3. 単純に考えれば、例え潤滑油的な物が入ってるけど関節は摩耗する、摩耗し易い場所だから再生し易く出来てるって事なんだろうか。
    だとしたら、全部の関節がそうであるかのように思えるけど、関節によって差が出るのは不思議。体重の掛かり具合で言ったら足首の方が強いだろうし、摩耗し易いように思えるけど。

    • +1
    1. >>3
      再生しやすい細胞を弱い関節部に注入というか移植というかできないのだろうか。

      • +1
  4. 人類総ヒーリングファクター持ちになる未来が…

    • 評価
  5. たとえば、「コンドロイチン(いわゆるサメの軟骨成分)」には医学的な効能がないらしいけど、ある程度の効果はあるようなので、その根拠が今回の記事の「再生能力」なのかもしれない。

    つまり、コンドロイチンが、その再生能力を起動するスイッチになってるとかね。

    知らんけど。

    • 評価
  6. こうやって、生命の神秘を一つ一つ解明して行くと
    何時かは生体細胞を自由に操って治療可能になるのだろうか?
    少しづつでも、解明が進んで行くと良いな

    • +6
  7. 必要な所にだけサンショウウオが残ってるんだね
    良く出来てる
    逆に残ってない所は不要なのか
    と言う事は…ひょっとして体の限界以上に長生きしちゃってる今の寿命が不自然って事かな

    • 評価
    1. ※8
      不要ていうか、この再生能力には何かしらのコストが必要ってことじゃないかな。

      サンショウウオ的な再生能力は維持コストが高すぎて、我々が我々に進化するためには眠らせる必要があったのかもしれない。

      • +3
  8. ???「母ちゃんの手、山椒の匂いがするよ(ハート)」

    • 評価
  9. 「人間が想像できることは、人間が必ず実現できる」とはジュール・ヴェルヌの言だが、その作品たちより突飛かと思っていたSFの方が先に実現しそうってのも凄い話だよなぁ。
    まぁ地底探査よりこっちが有益だから金突っ込まれて研究進んだ、ってのが正しいところなんだろうが。

    • +1
  10. iPSで軟骨作って注入するよりも、再生回路を呼び覚ますmicroRNAを注入する方が手っ取り早いのかもしれない。実現するならかなり強力な医療になる

    • +2
  11.  膝や大腿骨の変形性関節症で、多くの高齢者の方が、歩行も儘ならない程の痛みに苦しんでますから。
     人工関節へ置換する治療法は既に有りますが、手術後の酷い痛みとリハビリが大変な上、骨密度が低いと手術そのものが受けられ無いそうなので、再生治療が可能になれば、医療費の軽減に役立つかも知れませんね。
     

    • +3
  12. 人間の膝や股関節は直立二足歩行するために進化的に急改造された部分だから修復機構が備わっていないのも何となくわかる

    • +2
  13. 指先の切断とかで、たまに生えてきた症例もあるな。
    その体験から新興宗教はじめちゃった人もいるけど。

    • +1
  14. 豚の膀胱からなんちゃらした粉を振りかけると再生するみたいな話あったけど
    あれは一体どうなったんやろか
    なんか続報というか聞かないんやが

    • 評価
  15. 足首捻挫を子供の頃よくしてたけど、段々と治るのも早くなって今では捻挫で腫れても一晩で治ってしまうしちょっと酷い捻り方をしてしまっても平気なくらい捻挫しなくなった。代わりに足首をパキパキと連続で鳴らせるという無駄な技を会得した。そんな強い足首だけど、膝と股関節は年齢に対してかなり弱い。

    • 評価

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

昆虫・爬虫類・寄生虫

昆虫・爬虫類・寄生虫についての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

人類

人類についての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。