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3つの性別を持ち、人間の致死量500倍のヒ素にも耐える線虫が発見される(アメリカ)

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(著) (編集)

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Image by Awltail/iStock
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 海より塩分濃度の高い塩湖の極限環境で、3つの性別を持つ不思議な新種の生物が発見されたそうだ。

 モノ湖で発見され「Auanema種」と名付けられたその生物には、人間の致死量の500倍ものヒ素の中でも生きることができ、しかもカンガルーのようにお腹の中で子供を育てるというユニークな特徴がたくさん備わっているという。

海よりも塩分濃度の高いモノ湖で発見された線形動物

 米カリフォルニア州イースタン・シエラにあるモノ湖は、海よりも塩分濃度が3倍高く、pH10というアルカリ性の水を湛えている。

 これまで、ここで暮らす生物はバクテリアや藻類を除けば、アルテミア(シーモンキーとして売られたエビのような生物)とアルカリハエ(Ephydra hians)の2種しか知られていなかった。

 ところがカリフォルニア工科大学の研究チームによって、さらに8種の線形動物がモノ湖で生きていると『Current Biology』(9月26日付)で発表された。

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Image by David Mark from Pixabay

3つの性別があり出産する

 線形動物は地球上でもっとも豊富に存在する動物だと考えられている。

 そこでモノ湖の過酷な環境の中でも暮らしているのではと睨んで調査してみたところ、無害な草食性のものから、寄生性ものや肉食のものまで、多様な線虫が見つかった。

 線形動物の性別はたいていシンプルなもので、雌雄同体かオスだけが存在する。ところがAuanema種の場合、メスまでおり、3つの性別が存在している。

 またオスの生殖乳頭(外性器の一種)の配置は同じ属の生物に比べると少々風変わりであるという。

 それだけでは不十分だといわんばかりに、なんとこの種は子供を出産することで子孫を残す。普通、線形動物は卵を産んで繁殖するので、非常に珍しい特徴なのだそうだ。

 こうした珍しい特徴について、研究チームは、極限環境で暮らしていることと無関係ではないと考えている。おそらくはモノ湖の塩辛く、アルカリ性の水の中で生きるために必要なことなのだろうという。

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Image by researchgate

有害なヒ素に適応した線形動物

 だが重要なのは、どの種も湖に含まれる有害なヒ素に耐性があり、極限環境生物(ほとんどの生命にとって不適切な条件でも生きられる生物)であると考えられることだ。

 さらに驚きだったのは、Auanema種が極限環境ではない普通の環境でも生きられたことだ。そのような柔軟性のある極限環境生物はほんの数種しか知られていない。

 なおAuanema種と同じ属の近縁種と比較してみたところ、ヒ素濃度が高い環境で暮らしているわけでもないのに、高いヒ素耐性が確認されたという。

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Auanema sp. Image by CALIFORNIA INSTITUTE OF TECHNOLOGY

線形動物がストレスに対応する戦略を教えてくれる

 このことからは、線形動物には過酷な環境でも穏やかな環境でも適応できる遺伝的な柔軟性が備わっている可能性が示唆されるそうだ。

 「極限環境生物は、ストレスに対応する革新的な戦略についてたくさんのことを教えてくれます。細胞が1000個程度しかない生物が、極限環境で生き延びる術をどのようにして身につけたのか、まだまだ学ぶべきことはたくさんあります」と研究チームのシ・ペイイン氏はコメントしている。

 研究チームは今後、Auanemaのゲノムを解析して、ヒ素にも柔軟に対応できる生物学的・遺伝的要素の解明を試みるとのことだ。

References:A Worm With Three Sexes Has Been Discovered Thriving in a Nearly Lifeless Lake/ written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 27件

コメントを書く

  1. ある時期に高濃度のヒ素に晒された個体がいてその特徴を受け継いだのだろう
    いかに天然の土壌や水にヒ素が含まれているかが端的にわかる証拠なんだろうね

    • +7
  2. 過酷な環境に適応した生物が見つかるたび
    宇宙にも生き物絶対いるわって思う

    • +13
  3. 「雌雄同体かオスだけが存在する。」って、どゆこと??

    • +5
    1. ※3
      外見はオスなんじゃね?
      この線虫くんは胎生みたいだから、人間で例えると

      外見女性、子宮・卵巣あり=メス
      外見男性、精巣あり=オス
      外見男性、精巣と子宮・卵巣あり=雌雄同体

      なのではないかと

      • 評価
    2. >>3
      代表的な線虫であるC. elegansの場合性別を決める性染色体はX染色体の1種類しかなくて
      X染色体を2つペアになる(XX)と雌雄同体に、1つだけしか持たずペアになれなかったもの(XO)は
      雄になるので(Oは染色体がペアになれず片方しかないと言う意味)
      雌雄同体にしろ雄にしろ雄の要素は必ず持って産まれるはずとされてました
      だから雌のみの要素しか持たないものは理論上は存在しないはずのレア中のレアな存在なのです
      ちなみに雌雄同体は単独で子を成せますが雄と交わっても子を成せます

      • +8
    3. ※3 ※13
      通常、線虫っていうのは、雌雄同体が基本で
      卵子と精.子を自家受精して増殖する。

      ところが、まれに精.子しか生産しないオスも生まれて、
      雌雄同体の奴は このオスの精.子を受精して生殖することもできる。

      ここまでが前提で、
      今回発見された線虫は更に、卵子しか持ってない
      産む専門の「メス」という性別もいた、ということ。

      • +11
  4. 人間の遠~い先祖みたいな奴なのかな?
    ひょっとして、人間ってヒ素に強い種族が進化して今に至るみたいな感じなのかな?

    • 評価
  5. 突き詰めて行くとナウシカ(原作)の世界観での「守り人」が産み出されそうで怖い

    • 評価
  6. 大村智先生が開発したイベルメクチン(人間用はメクチザン)も
    線虫が作り出す物質が元になっている。
    なかなかスゴイ生物ですよ!!

    • +4
    1. ※6
      線虫から抽出した物質で駆虫するとは…面白いですね

      • 評価
  7. 3つ目の性は生殖上どういう意味を持ってるんだ?

    • +2
    1. ※7
      種まくのと産むのとが、両方可能なだけじゃない?

      • +4
  8. そこで生きるからヒ素に耐性ついたんじゃなくて、もともとヒ素耐性がかなりある生き物だったってことか。

    • +2
  9. この線虫も数百年発見されてなかっただけで実際は数百万年かけてじっくり進化していったんだろうなあ
    生物って凄えなあ

    • +8
  10. 身体の作りが単細胞っぽいな・・・・

    • 評価
    1. ※12
      細胞1000個しかないからねぇ、相当単純な構造なんだろう。
      最も、単純だからこそ変える手間も少なく、それが多様性や柔軟性に繋がってる、ってのもあるんだろうけど。

      • +4
  11. 3つの性別が一番気になったのに掘り下げてないのはどういうことなんだ…

    詳細プリーズ

    • 評価
  12. 通常線虫はオスと雌雄同体しか存在しないがAuanemaにはメスも見つかったって書いてあるやん
    三つめの性どことか言ってる間抜けはしっかり記事読めよ

    • -3
  13. ヒ素はリンと同族だから化学的には栄養素になり得ても不思議じゃない。まあ同族であるがゆえに毒にもなるのだけど

    • 評価
  14. 人知れず、ヒソかに生きていたんだねぇ~

    • +4
  15. ネギに耐性ある人類は人類で凄い
    でもヒ素に耐性ある方がインパクトあるな~哺乳類以外も殺せる猛毒だからね

    • 評価
  16. なるほど~!この生き物は…男の娘が普通に存在する訳だ?

    • -1
  17. 今回見つかったメスも、オス、雌雄同体、とも生殖可能てことだろうね

    • 評価
  18. 過酷な環境下になるとメスが出てくるの面白いな

    • 評価
    1. ※25
      雌雄同体の自家受精は
      安定した環境下で勢力を増やすには効率的だけど、
      厳しい条件での環境適応が必要になる場所では
      別個体と交配して遺伝子の多様性を確保した方が生存しやすい、
      みたいな感じなんだろうか?

      • 評価
  19. 尿1滴で、線虫が早期がんを嗅ぎ分ける! ――95.8%という驚きの高感度
    九州大学大学院生物科学部門の廣津崇亮助教

    • -1

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