この画像を大きなサイズで見る反社会的人格の一種を意味するサイコパスについては様々な研究結果をメディアが取り上げることで、世に広く知られるようなった。
だが、精神科の専門家たちの間では、それを診断する際の定義について熱い議論が今も交わされている。
たとえば精神障害の標準的な基準となる「精神障害の診断と統計マニュアル(DSM)」の現行版である第5版には、正式な障害としてサイコパシー(精神病質)は記載されていない。
サイコパスについて概ね見解の一致をみるのが、他者に対する共感の欠如だ。しかし近年では、実はむしろ大胆さという特性に関係するのではという議論がさかんだ。
サイコパスとシャイコパス
サイコパスといっても普通に暮らしている人から犯罪を犯す人まで様々だが、アメリカ・テキサスA&M大学の心理学者ジョン・エデンズによると、一般的な犯罪者とサイコパスを区別する決定的な要素が大胆性だという。
やっかいなことに、この特性は、他人を狙うサイコパスが一見正常であるかのよう振る舞い、社会に溶け込むための仮面のようなものだ。
一方、大胆性の低い者のことを、エデンズは”シャイ”コパスと呼ぶ。
この画像を大きなサイズで見るサイコパスの持つ3つの特性.
10年前、心理学者のクリストファー・パトリックは、レビュー研究の中で、サイコパスは「卑怯(meanness)」「脱抑制性(disinhibition)」「大胆性(boldness)」という特性が過度に高い人間のことであると論じた。
サイコパスが卑怯で、多少なりとも抑制が効かない人間であることについては概ね同意されている。
心理学用語において、meanness(卑怯)とは共感に乏しく、親密な人間関係にほとんど関心を抱かない傾向のことだ。こうした人間は、自分の利益のために他人を利用することに躊躇がない。
disinhibition(脱抑制性)の高さは、衝動をコントロールできないことと関係する。このタイプはすぐに退屈し、とりわけ不満や敵対心といったネガティブな感情をうまく処理できない。
パトリックらはここにboldness(大胆性)を加えて、真性のサイコパスはただ卑劣で脱抑制的であるだけでなく、冷静で恐れ知らず、感情的に柔軟で、社会的に支配的な人間であると論じた。
シリアルキラー、テッド・バンディのケース
こうした人間の格好の例がアメリカのシリアルキラー、テッド・バンディだ。
テッドは謙虚さや内気さとは正反対の性格で、くよくよするといったこととはまったく縁遠そうに見える。かつて彼は、大勢の犠牲者を誘惑し、そのくせ自信たっぷりに自己弁護を行い、法廷で恋人にプロポーズさえしてみせた。
あるドキュメンタリーの中でバンディは、犯行の動機を訊かれて、こう答えている。
たぶんリスクを冒すのが好きなんだ。もしかしてリスクなんて気にも留めていないのかも。そんなのは大胆さや何かを達成したいという欲求で克服されてしまっているからね
この画像を大きなサイズで見る精神障害の診断と統計マニュアルにおける大胆性の扱い
精神障害の診断と統計マニュアル(DSM)において、サイコパシーに一番近い症状が「反社会性パーソナリティ障害」だ。
歴史的にサイコパスと呼ばれてきたとされるこの障害には、7つの診断基準があるが、その5つまでが脱抑制性に関係し、残り2つが卑怯性についてのものだ。
そこに大胆性に関する言及はない。
つまり、反社会性パーソナリティ障害は、大胆である必要はないということだ。それどころか、7つの基準のうち3つに適合すればこの障害であると診断されるために、卑怯ですらある必要がない。エデンズのいうところのシャイコパスである。
しかし現行のDSM第5版には、補足の章が用意され、さらなる研究が必要であると述べられている。
その補足では、反社会性パーソナリティ障害のための新しい診断基準が提示されている。
そして、大胆性が高く、卑怯さや脱抑制性を覆い隠すような恐れ知らずの人間関係を築く傾向があれば、サイコパスとの診断も可能かもしれないというのだ。
この画像を大きなサイズで見る大胆じゃないサイコパスは存在するのか?
サイコパスと診断する主な要素として大胆性を挙げる新しいモデルが、今後もDSMに取り上げられるかどうかはわからない。
サイコパスかどうかは、卑怯さや脱抑制性のほうが大胆さよりもずっと重要であると、これについて批判する研究もある。
それによると、大胆なだけで、卑怯でも脱抑制的でもない人は、きちんと周囲に適応し、特に暴力的でもない。
むしろ、過度に内向的だったり、神経質だったりするよりは、大胆なのは日常生活を営む上でいいことに思えるという。
しかし新しい診断基準の支持者は、こうした批判はそれほど決定的なものではないと考える。
卑怯で脱抑制的であっても大胆ではない人間は、サイコパスが得意とする人身操作までやってのけはしないからだ。
卑怯さと脱抑制性が好ましくない組み合わせであることは確かだが、大胆さがなければ、大勢の投資家からお金を持ち逃げしてニュースを飾るような真似はしないだろう。
何も知らない犠牲者を言葉巧みに自宅に誘い込んで襲う可能性だってほとんどない。
この画像を大きなサイズで見るだがサイコパスじゃなくても、内気だが卑怯なシャイコパスは確かに存在する。そうした人間には近寄らないにことしたことはない。
だが、テッド・バンディやとは似ても似つかないようなタイプであることも間違いないだろう。
まだまだサイコパスの研究は続く。研究が進むにつれ、新たなる事実が次々と発見されるかもしれない。これまでの定義が覆されることだってもあるかもしれない。
エデンズを信じるならば、我々が今までサイコパスだと思っていた人はシャイコパスの可能性だってあるのだ。
References: How to distinguish a psychopath from a 'shy-chopath'
















深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ
細分化すんのもうやめようよ
そもそも一言で表せるほど薄っぺらい人なんていないし誰の中にも天使もいれば悪魔もいるさ
>>2
この記事では共感を持たない人間を差してるので
自分の利益にならないなら助けない人らしい
天使にも見えるかもしれんが
放火をする消防士や患者の点滴に毒を入れる看護師が天使だろうか?
>>19
自分の利益にならないから放火もしないし毒も入れないのでは…
>>45
自分の利益になるかどうかはその人自身にしか分からんから…
「その人にとっての」利益になれば(それがちょっとした退屈しのぎ程度てあろうとも?)、毒だろうと放火だろうと良心だの傍迷惑だのの抑制もなく、下手すりゃ結果も考えず、やってしまうという事なのでは
※48
なるほどなあ
サイコパスじゃなさそうな人がたまによくわからない行動するのと、サイコパスがそうするのの違いがわからないんだよね
毒や放火をしないのは、他者の身体や家を害せば自分もそうされても文句言えないから、じゃなくて、普通は良心や傍迷惑かどうか、の問題なのかとか
「その人にとって」利益になるかどうかならそれこそ結果を考えると思うんだけど、その場合は社会適応してるサイコパスで埋没するのかな
>>45
放火をする消防士は、自分が消火作業をして「英雄になる」という利益がある
毒を点滴に入れる看護士は、自分の手間を省く(仕事を楽にしたい)という利益だよ
ばれたら犯罪者になるというリスクがぶっ飛んでるからやる
この記事にあるシャイコパスはその利益よりリスクが大きいと判断できるって話
※2
犯罪を犯すのはサイコパスだけじゃない
でもそれとは別にサイコパスの研究をしているってだけ
毎回診断する度にサイコパスって診断になるなぁ。結構ドキュメントとか見て涙するんだが。。
※3
サイコパスは共感性がないわけじゃないらしいよ。
そうじゃなければ他人をだますことはできない。
シャイコパスって
藤木くんやんw
確かに、もし奴が大胆になったら3年4組は学級崩壊するだろう。
僕の周りはみんなヨイコパス
※6
うちの息子今年高校卒業なんだけど、友達もクラスメートもみんな「ヨイコパス」でイジメとか一度も聞いたこともなくて幸せな高校生活だったって言ってた。
近年の調査で、サイコパスはIQが低いって結果が出てたよね。
※7
弁護士や医者に多いのにIQ低いとはこれいかに
IQと偏差値は別モノではあるけれど
※28
『実はサイコパスの知能指数は平均より低いことが最近の研究で明らかに』という記事がカラパイアに載っているよ。
大胆ってのは素質の一つだよ。サイコパスもまた、それを他人を消費する方向に向けなければリスクを恐れず前に進む才能を持った人間なんだけどな……
※7
それ以前にサイコパスとして調べられてた層が単純に頭良かったところだけだったから、それ以外の調査で結果的にサイコパスは頭が良いという認識が発生していたのが覆っただけだよ
※7
その調査も特定の人達の調査じゃなかったっけ?
職業的に多いのが経営者外科医とかもあげられてるし
ネットで悪口やクレームを書きまくってるのはシャイコパスなんじゃないかな
大胆さがないので具体的行動はしないが、匿名で文句を言うだけならリスクはないので本来の性質が解放される
クレームを入れるのは全体の5%くらいだっていうけど、そいつらが騒ぐことでいろんな事が悪い方向に流れていってるのを考えると、サイコパスより害悪かもしれない
よくわからんな。
卑劣で脱抑制的ならみな大胆になるように思えるんだが。
欲がそもそも小さいということなのか。
表社会を知った上での裏社会だから、むしろ社会マニアなんだよ
サイコパスっつーと「他人と共感できない」とか「善悪の区別がつかない」なんて言われてすごい悪い人みたいに見えるけど、
「空気読めない!」
「自転車で右側通行上等!」
って言うと途端に身近な存在になる不思議。
精神医学じゃ25人~100人に一人がサイコパスだっていうから、みんなの知り合いの中にも普通にいるんじゃないかな。
世の中色んな人がいてどこに線を引いて分類するかというだけの話だな
うーん俺もシャイコパスかもしれん
海底に壺が落ちてると中に入って引きこもりたくなるもん
>>18
あんたそれオクトパスや
一方サイコパスサイコパス騒ぎ立てるサイコパスもいるんじゃない。の?w
シャイコパスってネット弁慶とか
集団で一人を苛めるような奴のことか?
ネットの住人にはシャイコパス多そうだね!
こういう研究どうせ最後には人類みな潜在的さいこぱすって言い始めるよ
>>25
だよね
プライベートと仕事ハッキリ分けて職場の人間関係に関心ないと、プライベートで情にあつくても同僚からはサイコパス呼ばわりされそう
内気で卑怯な人ってけっこうゴロゴロいる気が
※27
日本人は大人しくてシャイって思われてた部分あるけれど
ネットなんか見てるとソレな
ブラック企業経営者はサイコパス
ネット荒らしはシャイコパス
か?
ソロベース上手そう
サイコパス って、超能力者のことだと 思っていました。
ごめんなさい
わたしシャイコパスやろな
人助けは自分の罪悪感が不快なだけやし
罪悪感が原動力
卑怯者で内弁慶
※36
罪悪感を感じるならサイコパスと正反対なんじゃないの
共感性はスイッチで変えられるらしいって記事あったけど
その共感したことを何に使うかっていうところも違うし
>>36
罪悪感があるならただのシャイかと
サイコパスとソシオパスの混同・誤解が酷い。
サイコパスには2種類いると思う。
自分の欲望を全肯定しているタイプと
自分のサイコパス性を自覚してその欲求を抑圧して生きているタイプ。
ジャイコパスに見えて
ジャイコwwwって書きにきたら見間違えてた
そこまでいけしゃあしゃあと嘘がつけることに
開いた口が塞がらないというやつはいる
いつも気取ってるが
それを指摘すると湯気が出そうなほど顔が真っ赤になるwww
この大胆さって脱抑制性ってのと同じモノじゃないの?
脱抑制性は特にネガティブな感情による衝動みたいに書いてるけど、つまりポジティブな感情(快楽や利益)による衝動が大胆さでしょ
ところで当たり前みたいに病気・障害扱いしてるけど、「本人が困ってなければ病気じゃなーい!」じゃなかったのかな?
“シャイコパス”という
この絶妙に残念な語感よ
これだけ判断基準が曖昧で難しいと、「サイコパス」という精神障害は存在しないのでは?
例えば自閉症スペクトラムみたいに、白黒はっきりしたものじゃないように思えてくる。
犯罪者にも、知能の低い衝動的な粗暴犯から、知能の高い計画的な知能犯まで様々いるでしょ
サイコパス論議は、犯罪者じゃないけど卑劣あるいは巧妙に人間を操るのまで入れるからややこしくなる
戦争と虐殺が大好きなのに反戦反原爆の作文を書いて称賛される中学生みたいなのから、人の事なんか虫位にしか思ってなくても一見親身な人身掌握に長けて大勢から慕われる社会的リーダーとか、そんなのゴロゴロいるだろうけど、本当に有能だと本質を隠しとおせるから難しい
こんなの真剣に真に受けてるのがいるからな。
テッドバンディ挙げて大胆サイコパスの例だしたのにシャイコパスの例は出さないんかい
「共感に乏しく、親密な人間関係にほとんど関心を抱かない傾向」
「すぐに退屈し、とりわけ不満や敵対心といったネガティブな感情をうまく処理できない」
ガッツリ当てはまる私を苛めて楽しいですか…
こーゆーの見てると本当「社会から逸脱している」ってそもそもなんなんだろうって思う。ただの人格のバリエーションじゃないかって。
リスクより得るものへの情熱が高いなんてむしろ大きな優位性のある特性だと思うんだけど。