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ヒレを使ってヨチヨチ歩く。世界で最も希少な魚の「レッドハンドフィッシュ」の個体数が2倍に増加(オーストラリア)

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(著) (編集)

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 魚と言うとスイスイと水中を「泳ぐ」姿が思い浮かぶだろう。だが、オーストラリアのタスマニア州の固有種には、ヒレを地面に這わせながら「歩く」という面白いタイプの魚が数種類存在する。

 「レッド・ハンドフィッシュ(Thymichthys politus)」もその仲間だ。世界で最も希少な魚と考えられており、先週までに知られていたのは20~40匹程度の個体群1つのみで「絶滅危惧II類(危急)」に分類だれていた。

 だがこの度、新たな個体群が発見されたおかげで、既知の生息数は一気に2倍に跳ね上がった。

2つめの個体群が発見される

 レッド・ハンドフィッシュを目撃したといういくつもの報告を受けて、オーストラリア海洋・南極研究所(Australian Institute for Marine and Antarctic Studies/IMAS)と市民科学プロジェクト「リーフ・ライフ・サーベイ」がダイバーを調査に当たらせた結果、2つめの個体群が発見された。

 「3時間半ダイビングし、望み薄かなとみんなで顔を見合わせてから2時間も経過した頃のことでした。相棒が他のダイバーにそろそろ戻ろうかと告げに行って、私はやる気を失くしたまま海藻の中を見ていたんです。そうしたら、何とそこにいたんですよ」と研究者の1人、アントニア・クーパー氏は話す。

 それ以前に知られていた唯一のレッド・ハンドフィッシュは、タスマニア南東のフレデリック・ヘンリー湾沖で発見された個体群だった。

New population of world’s rarest fish discovered off Tasmanian coast

個体数は推定20~40匹に

 今回発見されたのは、そこから数キロ離れた場所である(生息域を保護するために具体的な場所は現時点では非公開)。あまりにも珍しいゆえに種の存続を懸念する声もあるほどなのだ。

 新たな個体が発見されたことは非常に喜ばしいニュースだろう。レッド・ハンドフィッシュの推定総個体は新たに20~40匹(現時点では8匹を確認)増えたことになる。

 「2つ目の個体群が発見されたことは大きな安心材料です。地上の推定個体数が2倍になったわけですから」とタスマニア大学の海洋生物学者リック・スチュアート・スミス氏はコメント。

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image credit:youtube

狭い生息域で暮らすレッド・ハンドフィッシュ

 しかしレッド・ハンドフィッシュの素晴らしい点は何も珍しさだけにあるわけではない。14種が属するハンドフィッシュ科の仲間で、その名が示す通り、この魚には手にそっくりな風変わりな付属器官がある。そしてこの手(実際は前ヒレ)を使って、泳ぐ代わりに海底を歩き回るのである。

 新たに発見された個体群は、50 × 20メートルのテニスコートくらいの範囲で暮らしている。かなり狭い区画であり、発見が難しい理由の1つもこれだ。

 「2つ目の個体群が見つかったことでかなりのことが分かりました。と言うのも、そこの環境は最初に発見された場所のそれと同じではないからです。

 「このことから、レッド・ハンドフィッシュが局所的に存在する特定の条件に依存しているわけではないと確信できます」(スチュアート・スミス氏)

 その詳しい生態はいまだ分かっていないが、考えられていたよりも様々な環境に適応できているのであれば、更なる発見があるのかもしれない。

Red Handfish (Thymichthys politus) from Tasmania, Australia – walking

 世界で最も珍しい魚という称号を巡ってライバルとなるのは、レッド・ハンドフィッシュの近縁にあるジーベルズ・ハンドフィッシュだろう。残念ながら、この種は10年以上目撃されておらず、すでに絶滅してしまった可能性が危惧されている。

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image credit:Ziebell’s handfish:Andrew Maver

 だが新しい個体群が発見されたレッド・ハンドフィッシュなら、それとは違う運命に期待を抱くことができる。ゆっくりとだが、きっと着実にそこへ向かって歩いている。

References:sciencealert / / written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 24件

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  1. 鼻から鼻毛が飛び出て、その先端に鼻くそが付いてるような(某ふしぎないきもの感)バッドフィッシュの親戚と思わせるほど似てるね。
    バッドフィッシュもヒレを使って海底歩くけど、正直こっちの方が綺麗。

    • 評価
  2. 進化の途中なんかな?上陸したいんか?

    • +3
  3. 日本では差別用語だと名前が変わった魚

    • +6
  4. あまりのかわいさに関連記事にも目を通していったところ、YouTubeの”Crazy Hairy Frogfish”という、この子たちが親子?で海底を歩いている動画が紹介されていて、あやうくキュン死するところだった

    • +1
  5. 本当に稀な例です

    地球は過去にないほどの早さで絶滅が進んでいます
    これは恐竜絶滅の時より早いんです
    科学者は一部の良いところだけ発表せず
    危機的状況の対処を地球規模で実行促進するべきなんです!

    • 評価
  6. ???「知られたからには生かしておけぬ…」

    ベッドにひたひたと迫る、仕事人(魚)の影!
    クーパーの運命や如何に!!

    • 評価
  7. なんとなくオッサン風だけどかわいい
    カエル(ジャンプしない)の歩き方に似てるけどヒレなんだよね

    • +2
  8. こう言う動画見ると「あぁ、英語わかると楽しいだろうな~」って思う。

    • +3
  9. かわいい‼︎

    海は広い。
    人間の知らないところにもっと沢山の個体がいるかも。
    人間の知らない生き物も沢山。

    • +1
  10. いかにもなカエルアンコウ(昔はイザリウオといったが差別的だとかで名前が変わった)の仲間だねえ。
    とはいえアンコウたる釣竿は持ってないタイプの、擬態に特化したグループの一つなんかな。
    この仲間は亜種・変種を含めたら世界中に相当な種類がまだ未発見(=未確定)の可能性が高いよな。
    線引きも難しそうだわね。

    • 評価
    1. ※13 ハッケンされる前に、
      絶滅しそうで心配だよー。(><) ヨッチヨッチ海底を歩いてる姿からは想像できない 俊敏さで、魚をパクリとするんだよね。 その変貌ぶりもミリョク的~。

      • +2
  11. 2倍に増えたとしても、元が少ないから絶滅危惧種には変わりないのね(´;ω;`)

    • +4
  12. カエルアンコウってそんなに貴重な生き物なの⁉️

    • 評価
    1. ※15
      この仲間は日本で判ってるものだけでも15種はいるらしいし、世界規模で考えたら未確認も含めて3桁は種があるんじゃないかな?
      そのなかでの「希少なもの」ってことでしょ。
      標準的なカエルアンコウなら日本全国別に珍しくもないから、底曳き漁なんかで混獲されても漁労ゴミとして放られてるね。

      • +2
  13. 日本でもホウボウやカナガシラが歩くよー

    • 評価
  14. 日本のトビハゼは可愛いし食えるよ

    • 評価
  15. かわいらしくてユーモラス
    色もきれいだね
    ごく狭い場所で暮らしているのなら、見逃されているだけでまだ他にもグループがあると信じたいな

    • +1
  16. 両生類に進化途中みたいな感じだね

    • 評価
  17. 深海の魚って海底を歩くの意外といるじゃん。ホウボウとか(そんなにいないか…)。
    もしかして深海の魚が初源の魚で(地層と古生物を見ると、ありえないか…)、何らかの理由で陸の方向に生活圏を次第に移し(補食動物の発生とか、地磁気の異常とかで)、そうこうしているうち浅瀬にも適応出来るようになり、最終的に上陸して両生類に…(ここは、特に解らんが…)ってことないかな?……いや、既に話が破綻しててワケワカメ。多分ないな…
    古い図鑑にシーラカンスの足の骨の構造が歩けそう?みたいなの読んだ気がしたことからの妄想…深海に住んでるけど歩かんし…ないな。(自己完結)乙

    • +1
  18. 誰にも知られず絶滅するのもいるってことか

    • +1
    1. ※23
      その方が幸せなのかも知れないけどね

      • 評価

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