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パターン青、新色です!偶然によって発見された完璧に近い「青色素」がついに発売(アメリカ)

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 2009年、オレゴン州立大学(OSU)の化学者が、思いがけないことから、鮮やかな新しいブルー色素を発見した。

 現在この「青」は市場に出回り始めていて、塗料や合成樹脂として幅広く活用されることになる。クレヨラ社はこの色素を使ったクレヨンを発売することとなった。

偶然の発見

 新たに発見された「青」は、古代エジプト、中国の漢王朝、マヤ文化などのイメージをとらえたほぼ完璧に近い青色素である。

 それは偶然に発見された。

 OSUの化学者マス・スブラマニアンのチームは、電子技術に応用するための新たな物質を使って実験していた。黒色の酸化マンガンとその他の化学物質と混ぜて、1000℃近くまで熱したところ、なんとサンプルが鮮やかなブルーに変わったのだ。

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image credit:Photograph of YInMn Blue as synthesized in the laboratory

 もともとは、同大学院生のアンドリュー・スミスが、これらの物質の電気的特性を調べるために作っただけだったのだが…

「まさに運よく偶然に見つかった思いがけない発見だった」とスブラマニアンは言う。

 この新たな色素は、マンガンイオンが光の赤とグリーンの波長を吸収できる独特な結晶構造をしている。この鮮やかなブルーはかなり耐久性があり、とても安定しているため、オイルや水に入れても色あせることはない。

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image credit:Photograph of YInMn Blue as synthesized in the laboratory

毒素のない鮮やかな青

 こうした特性は、幅広いさまざまな商品に利用することができる。例えば、塗料として使えば、赤外線ライトを反射することで塗った建物を涼しく保つことができる。さらにいいことは、色素の成分に毒素がまったくないことだ。

 OSUは、元素記号の(イットリウム=Y、インジウム=In、マンガン=Mn)を繋ぎ合わせて「インミン・ブルー(YInMn blue)と名付けたこの色素に関して、シェファード・カラー社と独占ライセンス契約を結んでいる。塗料や合成樹脂など幅広い用途に利用されることになるだろう。

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「この新しいブルー色素の発見は、無機色素系からも新たな色素が見つかるという証拠だ」シェファード・カラーの研究開発マネージャー、ジェフリー・T・ピークは言う。

 この新色素の重要な売りは、毒素がないということだ。

 この色素のために採用した基本的な結晶構造は、以前から知られているものだが、商業目的で利用しようとは誰も考えなかった。古代エジプト以来、最初のブルー色素はいくつか開発されてきたが、色素産業は安全性、毒性、耐久性の問題に苦労してきた。

 塗料や合成樹脂のほかの商業製品としては、屋根材としての利用も可能かもしれない。この新色素は、ほかのブルー色素よりかなり高い約40%の赤外反射率をもつクールブルー合成物なので、夏は涼しいブルーの屋根材として利用されることが考えられる。

「色素についての発見が多ければ多いほど、もっとおもしろいものが見つかる」とスブラマニアンは言う。「すでに、耐久性、安全性は保障済み、生産も容易という利点がわかっているため、エネルギー効率の新たな候補にもなるかもしれない」

 ブルー色素のその他の応用のための試験に加えて、スブラマニアンは意図的なラボでの”偶然”を創出することで、新色素を見いだそうとしている。

 さて新たに何色が発見されるのか、おらワクワクしてきたぞ。

via:oregonstatewikipediaなど/ written konohazuku / edited by parumo

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この記事へのコメント 65件

コメントを書く

    1. ※1
      カドミウムってどっちかっていうと赤・橙・黄色じゃなかったっけ?
      有害な青顔料はコバルトでは?

      • +6
  1. 不思議な色。
    粉末状サンプルの画像をスマホで見てると
    遠近感が曖昧になって、画面に穴が
    空いたように見えた……

    • +1
  2. まさに瓢箪から駒の大発見か・・・。
    安全で且つ涼しくなると言うのは意外に使い所が多い・・・?

    • +22
  3. 涼し気なだけじゃなくて本当に涼しくなる屋根の塗料が出来るってこと?こりゃすげえや。鮮やかできれいな色だし。

    • +38
    1. ※6
      毒性がないなら油絵の具にしてほしい。ドクロマークはもうみたくないんでねw

      • +11
  4. イスラム寺院のタイルに使えば、まさにブルーモスク。

    • +7
  5. アドリア海とかだっけか、の沿岸の町で使われたら綺麗だろな
    塗り替えずに済むし

    • +12
  6. 分子構造がちっちゃいラミエルがいっぱいくっ付いてるみたい。

    • +8
  7. 上物のアズライトみたいな鮮やかな青だなー

    • +4
  8. アメリカの毒々しいケーキにも新時代が来るのか

    • +20
  9. おお、こんなすごい青で色が塗れたら楽しそうだ
    色鉛筆とかででないかな

    • +6
  10. 物理的に青いからほとんど色あせしないのか。

    • +13
  11. 極限の黒「ペンタブラック」に続く
    新たなる色が見つかったか……
    赤、橙、黄、緑、藍、紫が見つかれば
    プリズムが揃うな。

    • +13
  12. 色味はエジプト青っぽいけど
    エジプト青はアズライトを原料にしていてめっちゃ高価なので今も昔も多用はされない
    マンガンならありふれているしこれならふんだんに使えるな

    • +12
  13. スブラマニアンが何度読んでも「スマブラマニア」にしか見えなくて混乱した

    • +1
    1. ※21
      だがアメリカだ。なんだかんだで社会的価値の高い研究には
      ガッツリ予算付けてくれるからね~。

      そこは日本の大学とか研究機関も見習えと思う。

      • +11
      1. ※29
        はい事業仕分け
        無駄と切り捨てられてたら逆に国の技術や発展が困窮するんだよねこういうの

        • +7
        1. ※36
          そうなんだけど、ほんとに天下りとかで予算を貰うための事業ってのも多いからね。
          悪く言えば、要領の悪い正直に研究してるところが割を食う。

          • +6
  14. 赤外線の反射率40%か…
    通常の青の赤外線反射率は10~20%ぐらいだから、確かに青としては非常に高い。
    それなのに同じ青に見えるんだから面白いもんだ。
    白や黄は赤外線を90%以上反射するから、涼しげではなくても効果があるのはこっちになるけど。

    • +11
    1. ※25
      車に塗ればエアコン使用率が減るだろうから、意外とそうかもしれない。

      • +3
  15. 特許取ってるからライセンス料を期待できるわけだ

    • 評価
  16. ラピスラズリの結晶のアウイナイト(アウィン)みたいで、すごく綺麗・・・。

    • +3
    1. ※27
      日本では特定の大学へ予算が偏重してるから無理だろ

      • +2
  17. 凄いな…
    昔は色素を得るのに植物から抽出したり鉱物から採取したり苦労しても大抵少量しか得られなかった(特に青が貴重なのは世界で共通だった)のに。

    • +9
  18. コバルトブルー思い出してググって画像みたら吸い込まれるようだ・・・・・・

    • +1
  19. クレヨラ社がクレヨンを出していたんですか。なるほど。

    • +1
  20. 早く模型店に並んで欲しい
    使ってみたい

    • +2
  21. この色の絵の具なり色鉛筆なりだしてほしいね

    • +2
  22. 火星の夕焼けは青いと聞いたけれど、こんな色なのかな。
    性質も無毒で反射率高いなんて、かなり魅力的だ。

    • +2
  23. 食用になるのなら、これでご飯炊いてみたいw

    • 評価
    1. ※41
      染料じゃなくて、顔料ならごはんは青くならなくて、塗料が乗った状態みたいになるかな

      • +1
  24. 新しい素材の開発成功は喜ばしいと思う。でも申し訳ないけれど私は開発元が唱える「この素材には毒性がありません」は余り信用しない事にしている。現実問題として開発元の企業が考えるのは「この新しい素材を使って、いかに儲けるか」であって、その他の事は後回しにされ勝ちだ

    この素材がどうだか?という事まで私は詳しくはないが、本当に安全というのであれば薬の臨床試験並みに長期の研究が必要なのでは?という疑問は残る。今までの例から言うと世の中に広く出回ってから「あの素材はやっぱり駄目でした」という経緯例がほとんどなので、若干の危惧を感じてしまう…というのが本心だ(私が考えても仕方のない事だが)

    • +11
  25. 1億色が視認できる、4色型色覚のコンセッタ・アンティコさんにはこの青とペンタブラックはどう見えるのだろうか?

    • +5
  26. インターナショナル・クライン・ブルーを創ったイブ・クラインに教えてさしあげたい……。

    • +1
  27. ウルトラマリンは色薄いし、コバルトブルーは毒素が気になるから新たなディープブルーが出回ってくれたら嬉しい!
    フタロブルーくらい綺麗に発色してくれるといいな。

    • +4
  28. こういうのってその有用性が分かる人が見つけないと「あ、青くなった」で終わってたかもしれないんだよね。

    • +6
  29. この色!…ジオスブルーだな。

    そっくりだ。

    • 評価
  30. 絵の具チューブ一本3240円までだったら出すわw
    早く商品化して~

    • 評価
  31. 毒素がないなら、コスメにも使われるかな

    • +1
  32. >マンガンイオンが光の赤とグリーンの波長を吸収できる独特な結晶構造をしている
    この説明が?となる人もいると思うがここが色や光の不思議さというか面白いところ
    仮に当てる光に青が含まれてなかったらその光がどんなに明るくてもこの塗料は黒っぽく見えるはず

    光をプリズムに通すと七色に分かれるのは義務教育で習うけど、そこで止まらずにそれはつまりどういう事なのかまで教えたら子供はもっと科学に興味を持つと思うな
    私が受けたのは教科書をなぞっていくだけのつまらない授業だったから大人になってそう思うようになった

    • +2
    1. 鮮やかな色の顔料は結構あるけれども、鮮やかなものは基本的に毒と言われているからね。

      ※59
      自然光が連続的なスペクトルを持っているってだけじゃこの話は終わらないよ。
      人間の目の感光体が三種類あり、主にそれぞれのピークの波長付近が青、緑、赤と見られる付近だから、緑と赤が取り除かれれば青く見えるって言うわけだよ。

      • 評価
  33. パーフェクトブルー
    あれ?どこかで・・・

    • +1
  34. マンガンは毒じゃないのか?吸収されない形になっとるの?

    • +1
  35. Mnはいいけど、In、Yって高そうだがそうでもないのか?

    • +1
  36. この画像がその物質の画像だとするならばワイの思っている「完璧な青」とはズレがあるわ

    と思ったけど、液晶の設定とかでも変わってしまうことだから実物を直接見ないことには分からんね

    • 評価
  37. 「カプーア氏以外の誰もが購入できます」

    • 評価
  38. 綴りは「YInMn」らしいです(iが1つ要らない)

    • 評価

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