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脳は記憶のコピーを2つ作る。1つは現在の為、もう1つは未来の為(日本研究)

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(著) (編集)

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 驚いたことに、ある出来事が起きるたびに脳は記憶のコピーを2つ作るという――1つは現在のための、もう1つは長期的なスパンのためのものだ。

 理研-MIT神経回路遺伝学研究センターの研究から、個人の経験を集め、保存する過程には、脳の2つの領域が関与していることが明らかとなった。すなわちエピソード記憶は海馬、長期記憶は大脳皮質に蓄えられるのである。

 これまでも記憶が海馬から徐々に大脳皮質へと転送され、最終的にそこで保管されるという説は存在した。

 例えば、1950年代にヘンリー・モレゾンという男性がてんかん治療のために海馬を含む内側側頭葉の切除手術を受け、それ以降、古いことは思い出せるが新しいことを憶えられなくなるという事件があった。この事例からは、まず記憶は海馬で形成され、それから大脳皮質で保存されることが推察された。

 しかし、そのメカニズムについてはこれまでほとんど理解されていなかった。

 研究チームは、2012年にエングラム細胞(記憶を保管する細胞)を標識する方法と光遺伝学を応用し、エングラム細胞を操作する手法を考案していた。今回の実験では、この手法を利用して、マウスの脳で脳細胞が刺激に反応して記憶が形成されるその過程を観察した。

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 その結果、次のような記憶の形成過程が判明した。

 まずエングラム細胞が海馬で形成され、次いで扁桃体(恐怖記憶に関連)と大脳皮質の前頭前皮質に形成される。この段階において、大脳皮質のエングラム細胞は”未成熟”で”サイレント”な状態であり、記憶を思い出す作業に使われない。

 サイレントなエングラム細胞は、海馬にあるエングラム細胞からの神経入力を受けて、2~10日かけて”成熟”される。同時に海馬のエングラム細胞は徐々にサイレント化する。また扁桃体のエングラム細胞は、常にアクティブな状態である。

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 したがって、記憶が形成されてからすぐの場合は、「海馬 > 大脳嗅内皮質 > 扁桃体」という経路が利用されるが、2週間も経過した頃には海馬が関与しなくなり、「前頭前皮質 > 扁桃体」という経路が使われるようになる。

via:rikenexpress/ written hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 24件

コメントを書く

  1. 短期記憶と長期記憶なんて今さらな話だと思うんだが・・・

    • -14
  2. 記憶も保存用と愛玩用をキープしているのか

    • +6
  3. おもろい研究やね。物事は一方通行・唯一無二じゃないって脳自体が「そう機能している」ってのが分かったのは大きな進歩じゃないかな?

    • +5
  4. 勉強の方法が変わるねと思ったら…
    すでにこのメカニズムに沿う勉強方法をしていたような気がする。
    学校で習ってその日のうちに復習。
    そんで二日後に再度復習ってヤツ。

    • +4
  5. 要するにどこでエングラム細胞が活発になるかって話し?
    そのエングラム細胞ってーのをおち○ん○んに移植しよう!

    • -1
  6. 先生に継続は力なりってよく言われたなり~

    • +3
  7. 「(恐怖記憶に関連)」の部分が怖い!
    マウスに一体何の記憶を植え付けたのか・・・

    • +5
    1. ※9
      君のスマホとPCのメモリーを全部破壊しよう。CPUの性能がすべてならね。

      • +2
  8. 長期記憶を利用した勉強法は普通にあるね

    • +1
  9. 今更な記事ではあるが、ホントPCのメカニズムと同じだな。
    海馬がRAM、大脳皮質がHDD。
    いや、PCが脳をモデルにしたのか?
    となると、脳のHDDをSSDに換装すればニュータイプの出来上がり!ってことかな?

    • +1
    1. ※13
      でも今の高性能なPCでさえも意識を作るのは不可能だという。
      きっと根本的な配線から見直さないと駄目なんだろう。
      意識はネットワークから形成されると言う仮説もあるようだし

      • 評価
      1. ※18
        人間の脳の1秒の処理は、スパコンを40分間フル稼働させたに等しい処理。
        なんて話を聞いたことがある。

        これが、1秒=1秒になったとき、やっと「土」が作られた状態になるんだろうね。
        そこに初めて「種」を植えることで、意識が誕生する。

        • +1
        1. ※22
          性能云々の話ではないでしょう、現時点で擬似的に意識らしきものを制作することは可能です。ともなれば、おそらくソフトウェア側の話です
          どのレベルの複雑化したものを意識と定義するかで、人間すら意識を持たず本能に踊らされていると言うこともできますし

          • 評価
  10. 取調室における良い警官と悪い警官のメソッドって
    被疑者の長期記憶を科学的に引き出させるのに役立ってるという訳だ
    存在しない事実まで脳内に認識させかねないが・・・

    • 評価
  11. 脳もバックアップの大切さを、進化上どこかの段階で学んだんだな。

    • +1
  12. どれくらいの周期で同期されるんだろ、いざデータが失われてコピーから持ってきても古いデータだと浦島太郎になりそうだけど

    • 評価
  13. 大筋でだいたいこういう事が分かってきた、という話の後、そのうちのこれをこういう方法で立証出来そうだよ~って記事が出ると決まって「もともと知ってた」って人が現れるよね…

    • +3
  14. そうだったんだ
    海馬がメモリーで大脳新皮質の前頭前野に出力(DLL)保管して扁桃体でクラウドソートなんだ・・・
    というかまんまダイレクトX化処理だよね

    • 評価

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