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シリア難民の少年、かけがえのない自分の毛布を車にひかれて横たわる犬にかけ、救助を待ち続ける(トルコ)

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(著)

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 シリアの難民については、様々な問題をはらんでおり、特定の一面の情報にとらわれ、個としての問題をないがしろにされがちだ。

 だが、目の前で爆弾が投下され、家を破壊され、いつ終わるともしれない戦火がつづく中、なんとか明日を生き延びようと、命からがら逃げてくる人がいるというのは事実であり、そこには小さな子供たちもたくさんいる。

 とりあえず逃げてきたが、帰る家はない。明日どうなるかわからない。自分の持ち物はバッグ1つに収まる程度のみ。そんな子供たちがたくさんいるのだ。

 先月、家族と一緒にシリアからトルコに亡命した8歳の少年がいた。

 彼はトルコでひき逃げされた野良犬を目の当たりにした。自分の大切な毛布を犬の体にかけ、犬温めながら、「この犬を誰か助けてください」と叫びながら、犬のかたわらに座り、救助してくれる誰かをずっと待ち続けていた。

負傷した犬を毛布で温めた少年

 戦争で荒廃したシリアから一家でトルコにやってきた難民のフセイン・エルハサン君は、幼くして多くの苦しみを経験した8歳の少年だった。

 まだ8歳だが、誰よりも痛みや苦しみを知っている。死も身近にあった。だから自分以外の痛みや苦しみもとても良くわかる。

 今年2月20日、フセイン君は避難所付近で車にひき逃げされたメスの野良犬を見つけた。彼女は後ろ足を負傷し、痛みと寒さに震えながら中央分離帯に横たわっていたのだ。

フセイン・エルハサン君は犬の頭をなでながら救助を待っていた

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image credit:dailymail

 彼は苦しんでいる彼女を救いたい気持ちで一杯だったが、子どもの彼にできることはそう多くはなかった。

 それでもフセイン君は彼女の痛みを少しでも和らげようと思い、避難所から自分の毛布を持ち出し震える犬の体に掛けてやった。

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image credit:Anadolu Agency

 そして周囲の人々に助けを求めつつ、辛そうな彼女のそばで救援を待ち続けた

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image credit:Anadolu Agency

 しばらく待っていると動物ケアスタッフが現場に到着した。傷ついた犬はようやく動物病院に搬送された。

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image credit:Anadolu Agency

フセイン君の願いかなわず・・・

 どうかあの犬が助かりますように…と見送ったフセイン君。しかしその犬は、獣医の努力もむなしく息を引き取ってしまった。それを聞いたフセイン君はひどく落ち込んで悲しんだ。フセイン君はこうして自分の無力さをまたしても思い知ることとなったのである。

 フセイン君のうわさは広まり、地元キリス市へと伝わった。市は、落ち込んでいるフセイン君に、「君の思いやりは決して無駄では無かった」というメッセージを伝えようと決めた。

 それから2日後、家族とともに施設で暮らすフセイン君のところに副市長が訪れ、フセイン君を励まし、感謝の言葉を述べた。

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image credit:facebook

彼の行いを小さなことだと思う人もいるかもしれない。だが、暖房設備も不十分な暮らしの中、貴重品である毛布を犬のために持ち出し、付き添い続けたフセイン君の行動は慈愛に満ちた素晴らしいものでした

 さらに副市長はフセイン君に衣類や食べ物のほか、彼が犬に使った毛布の代わりに新品の毛布をプレゼントした。

 家族と祖国を離れたばかりで、避難所に身を寄せているフセイン君の暮らしは決して豊かなものではない。

 それでも彼は傷ついて倒れている犬を見捨てず、自分の力では運ぶことができない犬を救うために手を尽くしたのだ。

 彼はもう、なにも失いたくはないのだ。

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image credit:facebook

via:laughingsquidthedodohaberturkaaほか・written D/ edited by parumo

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この記事へのコメント 69件

コメントを書く

  1. シンプルで美しいものには、素直に感動できる。不覚にも涙が。

    • +42
  2. 泣いた。

    犬は助からなかったけど彼女の最期は絶望じゃなくて希望だったと思う。
    苦痛と不安と孤独の中で優しさをくれたフセイン少年の行動はきっとすごく彼女の励みになったと思う。

    生まれ変わって彼にお礼を言いにくるかもしれないよね。
    フセイン少年が今後幸運に恵まれますように。

    • +76
  3. 少年の美しい心に胸打たれると同時に、こんないたいけな子供達に辛い思いをさせる戦争が何よりも憎い

    だがどうかこの、人間であれ動物であれ他者を思いやり、慈しむ心を忘れないで欲しい
    それだけが、未来を良いものに塗り替えられる鍵になるのだから

    • +55
  4. 善人はどこにでもいる
    ただその善に乗っかるもの、食いものにする悪の所為で悲劇が起こるんだよな…

    • +33
  5. 心が綺麗なんだな
    俺がこの子の立場なら貴重な毛布を手放せない

    • +26
  6. トルコはシリアに混乱ももたらしてるけど難民に関してはよく責任をとってるよ。
    他の国のように混乱だけさせて結果に関しては無関心、難民を犯罪者扱いにはしていない。

    • +38
  7. 孤独に死ぬよりも誰かが近くにいてくれた分
    犬も幸せだっただろう
    微力ではあったが無力ではなかったと思うぜ

    • +61
    1. ※15
      貧乏人だぞ、どうやってなれるんだ?

      • -14
    2. ※15
      日本で同じように犬が轢かれて助けたとする
      おまえ!国会議員になれって言うのか?少しは物事を理解しろよ?

      • -7
  8. いつもは難民は見捨てればいいコメントが目立つのに動物が関係すると理解を示す人が増えるんだな。普段からもう少しだけ想像力を働かせられないんだろうか。

    • +12
    1. ※16 >普段からもう少しだけ想像力を働かせられないんだろうか。

      同じ人が相反するコメントをしてるとは限らないかも。

      • +11
    2. ※16
      10000人の無害な難民が来ても10001人目がテロリストならパリ同時多発テロみたいな結果になるし、子を持つ親として申し訳ないけど私はやっぱり難民受け入れは反対

      • -6
      1. ※51
        >10000人が無害でも10001人目がテロリストなら

        そんなのは難民特有のリスクではなくあらゆる人の行き来に共通することでしょ
        観光客は気にならないが、難民だと怖いってのは、はっきり言って差別意識以外の何者でもないと思うよ

        子を持つ親ならなおのこと、正しい恐がり方をしようよ

        • +5
    3. ※16
      全然画像と子供の名前以外見ていないから自分はどういう感想も言えませんが
      そうか動物関連の感動話なんですね
      来世では別の名前になるといいかもね← 一応感想

      • -2
  9. 最期の間際、この小さな少年が与えてくれた愛が唯一の慈悲だったのだろう。

    • +8
  10. 猫と一緒に避難してきたシリア難民の記事もあったよね。遠い、よく知らない国だけど、優しく人たちなんだね。彼らが早く、安心して暮らせるようになって欲しいよ。

    • +18
  11. いつも弱い者が犠牲になる。
    心が痛い。

    • +24
  12. これをよこでパシャパシャ撮ってるかと思うと
    反吐がでるな。

    • -18
    1. ※20
      ※22
      でも写真がないと嘘とか作り話扱いするんじゃない?
      なら写真があったほうがいい。信憑性もメッセージ性も上がる。

      • +8
  13. 痛くてつらくて苦しい時に貴方が毛布を与え、助けを求め、そばにいてくれてどんなに救われたか
    ワンちゃんは残念ながら亡くなりましたが助けてくれようとした事にとても安心して逝きましたよ ありがとう 本当にありがとう 

    • +12
  14. ホントにこれ撮ってたやつ何なの???
    気持ち悪くてめちゃくちゃ腹ただしい・・・
    子供の善意が汚されるように感じるわ

    • -14
    1. ※22 >ホントにこれ撮ってたやつ何なの???

      世界に情報を発信する事ってとっても大切じゃないかな。
      私たちは、何も知らなければさらに知ろうとすることも同情することも自分たちにできることを考える事もできない。

      • +32
    2. ※22
      実際ちょっと気になるとこではあるよな
      ネタになる金になるw盗撮しよwだけなら……てなるけど、もしかしたらこの子と話したりしてたかもしれんし

      • +2
    3. ※22 一緒に救護を待ってたんじゃない? 寧ろそう思いたいね。

      • +6
  15. 難民として辛い生活を強いられてるのは平穏な暮らしを望む人々
    争いを起こす連中やそれを引っ掻き回して私腹を肥やすような連中は安全な場所でやりたい放題
    離れた所から前者も後者も一緒くたにして叩いたり罵ったりする無知で愚かな連中も後者と同罪だと思う
    シリアの善良な人々が一日も早く故郷での日常を取り戻せますように

    • +16
  16. 車に轢かれて瀕死の犬が偶然目の前にいて
    偶然持ってた毛布を掛けて、自治体に連絡!
    轢かれる犬猫の数は多いよ。日本では大概見捨てるけどね・・・・・・

    はい!、この少年は犬猫並みの扱いや生い立ちをした来たのさ
    だから、彼らを放っておけなかった、自分と同じだと共感したのさ
    だから、見捨てなかった!
    自分と同じだと思ったから、これが生き物を救う心理さ

    • -8
  17. いい話だね
    なぜ毛布を掛けるときにカメラマンがいるのかは別にして

    • -9
    1. ※30
      幼稚園くらいのときに落ちてた雛に食パンを乗せた。
      布団のつもりだったんだろうが今思うと完全に雛サンドイッチ。
      悪い事をした…

      いや、食パンは構造的に布団と同じように空気の層を内部に作るので、そこそこの保温性が期待できる。
      咄嗟の判断としては決して間違っていない。

      • +4
  18. 報道は人外の化生でなきゃできないってよ。
    ソースは司馬遼太郎(元新聞記者)。

    • +5
  19. 弱ったとき誰かが側についていてくれるだけで少し楽になれる
    無駄じゃないよ

    • +16
  20. 俺ぁよぉ
    一人暮らしなんだけどよ
    風邪引いて体調悪いときのひとりぼっちの心細さ寂しさったら無いぞ
    たかが風邪でもそうなんだから
    死に際なんか相当心苦しいに違いない
    少年は一緒にいただけかも知れんが、確かに無駄では無かったんじゃ無いかと思いたいね

    • +36
  21. 本当ね、もう21世紀なのになんでこう紛争が起こるのが本当に悲しすぎる
    そしてそんなニュースを見る度、それが為政者の”個人的”都合の為だけに起きてるような気がして怒り心頭ですよ

    WWIIとか、冷戦‥の悲劇が起きないと正しい指導者が現れ出てこないのだとしたら、本当に悲しい事だよ、大衆迎合を取り込んで成り上がろうとする小物達が多すぎてなあ‥

    • +4
  22. 幼稚園くらいのときに落ちてた雛に食パンを乗せた。
    布団のつもりだったんだろうが今思うと完全に雛サンドイッチ。
    悪い事をした…

    • +2
  23. 猫に変わって大喜びするシリア難民の少年

    よかったよかった

    • -7
  24. 難民がみんな彼みたいな性格ならどの国も歓迎するだろう、いや 紛争自体起きなかったかも知れない、難民キャンプで観察して選別するのは差別かなぁ~

    • -9
  25. イスラム教では、犬は不浄で忌避の対象とされることがあるが、優しくしてくれる人がいて良かった。
    ご冥福を祈ります。

    • +10
    1. >>43
      猟犬と番犬と牧羊犬はおkだし、シリアでは犬飼ってる人結構いるお

      • +5
  26. 天に宝を積む、ってこういうことですね
    豊かな祝福がありますように

    • +8
  27. 私の心は下水よりも汚いが、何故少年が毛布をかける瞬間の写真を撮影してるんだい?

    • -3
  28. 一方、豊かで平和なはずの日本で、電車に轢かれた犬が、足を二本失うことになったほどの大けがで警察署に連れてこられたのに、警察官たちは水だけやって餌もやらず手当もせず「役所の始まる月曜日まで」放置していた。引き取ったばかりで逃亡させた当の里親も「いらない」と見捨てた(その後すみれちゃんは元の保護元に助けられました)。また、猫に対して耳目を覆いたくなるような凄惨な虐殺を行う人間がどの自治体にもいて、毎日のように事件があるのに放置され続け、極めて悪質なケースでも執行猶予でいいよね、という判決でおしまい。
    日本人の心はどうなっているんだ。動物に優しいのは一部の特異な人だけで、普通の人はどうでもいいと思って暮らしているのだろうか。

    • +9
    1. ※52
      我が子への虐待でも軽い量刑で済むくらいだから、小動物への虐待がいかに凄惨なものであっても懲役刑なんてでるはずがない。
      悔しいしやりきれない、この国の現実だ。
      この国は弱いものに対して冷酷で、犯罪者には手厚く優しいんだよ。
      とてもふざけいる。
      対象が何であれ、残忍な事をするやつは死刑でいいし、当然死後は地獄に堕ちるべきだ。

      • +1
  29. 別記事で見た、前足が生まれつき無い犬をゴミ箱に捨てたようなヤツがヌクヌク暮らして、フセイン君みたいな子が難民となって辛い思いをする。なんて悲しい現実。

    結末は残念でも、彼が寄り添って来た時、ずっと側にいてくれた間、犬はすごく安心して勇気付けられただろうと信じたい。

    • +14
  30. 今ねシリア問題のテレビを観ながらこれを読んでいます。良い記事ですねこれ…
    この記事を読ませてもイメージ貧困なアサドには何も伝わらないでしょうね。
    病院や学校目掛けて爆弾を投下するような人間だもの。
    彼とてこの少年の年頃には家族に囲まれ犬や猫などを愛でた時代もあっただろうに

    • 評価
  31. そもそもシリア攻撃しているのは欧米なのに
    シリア難民を助けようと言うならんで戦争辞めないんだ金儲け主義か

    • +2
  32. 戦乱について語るとき、完全な善と完全な悪という構図で見てしまう人が居ることが心配です。

    • +6
  33. うーん・・・いい子だなー・・・ただ可愛い~ってだけじゃなくて、自分が犠牲になって守るという行為は本当に美しい。

    • +2
  34. イスラム(ISISなど異常を除き)は動物をとても大事にする
    だからイスラム圏は野良猫がめちゃくちゃ多かったりする

    • +1
  35. 優しい子……
    辛い境遇だろうが、この優しい心をいつまでも大事にして欲しい
    助けられなかったワンちゃんは最期にこうして助けて貰えて嬉しかったと思うよ
    きっと天国で貴方を見守っているはずだからね

    • +5
  36. 確かになんで写真撮ってるんだという気にはなるな
    まあ写真取った人が病院に電話したのかもしれないが

    • +3
  37. 悲しみや辛さに共感できたから、少年は犬の気持ちを思いやれた。
    でも豊かな生活をしていながら避難民を厳しい目で見てしまう自分たちは、後ろめたく思いながら迷いなく彼らに手を差し伸べることができない。
    後先を考えると助けるのは単純なことじゃない、分かっているけど冷たい社会だと思ってしまう。高齢者に優しくしすぎた結果が今の日本の現状だったりするし、難しい。

    • -2
  38. 心が美しすぎる
    薄汚い世の中の連中も、そして何より自分自身が恥ずかしい

    悲しい世の中だなぁ…日本みたいな平和ボケした国でさえ、ネットでは顔が見えないだけでどいつもこいつも鬼畜のごとき所業を繰り返すからな。真の世界平和なんてきっと来ないんだろうな

    • 評価
  39. こういうプロパガンダ的な美談て必ず近くに撮影者が居るよね

    (私は捻くれています

    • -2
    1. ※70 >こういうプロパガンダ的な美談て必ず近くに撮影者が居るよね

      あちこちで同じような事が起こっていて、たまたまそばに情報発信者がいたのかもしれないし、情報発信者が至る所に居る可能性もある。もしくはこういった場所が限られているのかもしれないしね。
      それに、政治的宣伝だとしてもそれはそれで重要だし。

      • +2
  40. 最近スマホだと記事が途中までしか読み込めないというか…パソコン仕様になったままのページがいくつかあるんだけど、私のスマホが悪いのかな…

    • 評価
  41. 人間の飾りっ気のない本質だなと思う。
    元々悪い奴なんてそうそういない。
    フセインさん、無責任な言い方だけど強く生きてください。

    そして難民は別の土地へ移住するのではなく、元の土地へ世界規模の支援でもどしてやるのが彼らのために一番いい。
    無論障害となる原因は排除してあげると言う条件付きでね。

    • +2
  42. さっさと内戦紛争なんて終わらせちまえ

    • 評価
  43. 撮影者がいない美談は広まることなく忘れられるというだけでは?

    • +4
  44. 悲しみを味わった人は優しくできるんだね。
    自分がそんな思いをしたから、もう誰の傷ついた顔を見たくないのかもしれない。

    • 評価
  45. 彼はもう、なにも失いたくはないのだ。って一文で涙腺が決壊した

    • 評価

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