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利己的な精子。精子の能力はどれも同じではない可能性(英研究)

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(著) (編集)

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●/iStock
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 こんな大変な世の中だ。今人生がうまくいっておらず、自分はなんてダメなんだと思っている人もいるかもしれない。でも思い出してほしい。あなたは精子の時代から熾烈な競争に勝ち残って、この世に生を受けたのだということを。

 父親の精液に含まれる無数の精子の中で、無事に母親の卵子と受精することができるのは、基本的にたった1匹だけだ(あなたがそれだ)。

 これまでそれぞれの精子が受精する確率は、どれも等しいと考えられてきたが、ひょっとするとその前提は正しくないのかもしれない。

 私たちはすでに精子の頃から、生き残りをかけてさまざまな工夫を凝らしているようだ。

メンデルの法則が成り立つには精子の能力が同じであることが前提

 今日まで続く遺伝学は、オーストリア帝国の司祭グレゴール・メンデルがにエンドウマメの研究から「メンデルの法則」を発見したことで始まった。

 その法則の1つ「分離の法則」では、父親と母親がそれぞれ1対ずつ持つ対立遺伝子は、それぞれの親から50%の確率で子供に受け継がれると説明している。

 たとえば父親がAA、母親がaaの対立遺伝子を持つとすると、50%の確率でAが、50%の確率でaが受け継がれ、Aaの対立遺伝子を持つ子供が生まれる。AaとAaの両親で子供を作れば、AA、Aa、aaが1:2:1の割合で生まれる。

 だがこれが成り立つためには、どの精子の能力も同じでなければらない。つまり、どの精子も同じくらい上手に頸管粘液を泳ぎ、同じくらい上手に受精する力がある。これが従来の前提だった。

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精子の能力は必ずしも同じでない可能性

 しかし『Science』(1月14日付)に掲載された研究によると、精子の能力は必ずしも等しくないかもしれないのだそうだ。

 英オハナ・バイオサイエンス社をはじめとするグループは、1万2000個の遺伝子に含まれる特定の対立遺伝子の割合を比較してみた。

 すると精子の中には、他の仲間が持っている遺伝子変異がなく、それが精子の能力の差につながっている可能性が明らかになったという。

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遺伝子は従来考えられてきた以上に利己的

 イギリスの動物行動学者リチャード・ドーキンスが述べたように、遺伝子とは自分の成功率を高めるよう行動する「利己的」な存在である。

 そして新しい研究によるならば、遺伝子は従来考えられてきた以上に利己的であるようだ。

 精子の能力を高める対立遺伝子は、より急速に広まることができるだろう。だが、それは個人が生きて子供を残す能力を高めるからではなく、ただ精子間の競争に勝ちやすくしているからだ。

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遺伝についての理解が変わる

 研究グループのロビン・フリードマン氏によれば、そうした違いは微かなものかもしれないという。

 それでも、ランダムではない対立遺伝子の継承は、これまで想定されていたよりもずっと一般的だったと考えられ、遺伝についての理解を大きく変える可能性があるそうだ。

 そうした影響は個人レベルでは気がつかない程度かもしれないが、集団レベルなら利己的な遺伝子への偏りが検出される可能性もあるとのこと。今後の研究結果を待つとしよう。

References:Science / inverse / iflscience/ written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 30件

コメントを書く

  1. クローンで増えるわけじゃないんだから能力にばらつきが出て
    「どれが上手く受精し、産まれて生き残るか」
    というぶっつけ本番のテストが繰り返されているのは生物進化の過程で当然と言える。

    • +15
  2. Y染色体は不安定な部分があって、ある調査によると子供のいる男性の4割に欠けや重複があるんだとか。

    • +4
  3. 精l子に限って言えば、成体になってからの能力値差で淘汰されるわけじゃないから
    進化論的には精l子自体の進化はかなり遅れることになるよね。
    「とりあえず受精できればいい」って精l子が優勢になるのも当然。
    人間というか生物全般にとって、精l子って一番原始的な部分じゃないかな。

    • +9
  4. ワイは昔から人間の性質は根本的に「利種的」である説を推す
    てか精.子レベルだと建設誤差では・・・?
    ロケットと弾頭を大量に作ったら性能にばらつきが出るのは自然だろうて

    • +1
    1. >>6
      お前が不細工頭悪いのは変わらない
      ブサせーしを普通の女性は嫌うから

      • -18
    2. ※6
      その優秀な種だったら君は君でないのだよ…

      • +9
    3. ※6
      胸を張りなさい、何千万という兄弟達と戦った結果が君という存在なのだ。

      • +6
  5. 既に優劣あるのに、才能同じだと思いたい人多いね。

    • +1
  6. 犬の清子には標準型、ゆっくり移動して通路を閉塞する肥満型、軽量で他の雄の清子を破壊する攻撃型の3タイプあるという(ソースはムツゴロウとゆかいな仲間たち)
    哺乳類の生活史のうち配偶子時代には利他的分業体制が成立しているとしたら面白いけれども真偽や如何

    • +5
  7. オタマジャクシの尻尾の部分が折れてたりする奇形が増えてるなんてまえTVでやってたな。
    検査用カード型特殊顕微鏡なんてのもあるし気になる人は見てみるといいかも。

    • +2
  8. なんでワイ精の子の頃に頑張ったんやろうな…

    • +7
  9. 利己的か否かって争点の重要性が今一判らん
    遺伝継承って端から弱肉強食なイメージだし元から利己的なもんじゃないのん?

    • +5
    1. ※12
      いや俺は覚えているぞ、
      俺を辿り着かせるために
      俺の盾となって死んでいった
      兄弟達のことを・・・・・

      • +4
  10. 人工授精だと競争に打ち勝ってないけど、そのへん気になるなあ

    • +8
    1. ※15
      その通りだよ
      人工授精で生まれた子の障害率は結構高いそうだが
      詳細は出てきてないよね
      勝ち抜いて生まれた人とピックアップで競争なしで産まれた子に
      差があるのは当然

      • +2
    2. ※15
      「人工授精」なら、自然受精と大差ない。
      行為で子宮口のそばに放つ液を、シリンジで子宮内まで入れて
      卵管を遡る道のりを少し近道させる程度。
      関門を減らしてはいるが、卵子までの競争はある。

      「体外受精」は、遠心分離機にかけたり
      泳がせて上がってきた奴のみ回収したり(スイムアップ法)
      擬似的に一定の競争をさせた上で、
      運動率がいい物を選んで使っている。

      • +8
      1. ※22
        人工授精での結果から
        能力的な差異は大きくばらついているというのが随分前から知られていることだと思っていたなー
        この記事だと利己的という結論となっているけど
        個人的には役割だと思っているよ
        つまり様々な経路を想定してあると言いたいんだよ

        • +2
    1. ※16
      なんで月に一個だけ成熟して排卵されるかがわかってないみたいですが、もしかすると卵の素の段階でし烈な競争があって、それに勝ったものが成熟できるとか?

      • +7
  11. 3枚目、明らかにモヤシじゃねえか! そんなヒョロヒョロで競争に勝てると思ってんの?

    • +3
  12. 泳ぎの早い優秀なせーしが一番乗りで受精出来るかというとそうでもないんだよね
    卵子の膜にたくさんのせーしがぶつかってようやく破れたところに偶然潜り込めた運の良いやつだけが受精出来る
    つまり優秀なやつらが膜に阻まれて脱落していった結果が俺というわけだ

    • +2
  13. 勘違いしてる人がちらほらいるけど、赤ん坊として生まれた後でどんな超天才で身体能力最強のスーパーマンになれる遺伝子を持っていたとしても、その遺伝子を運ぶ精l子の受精能力が他の精l子より低かったら、受精できないからその子は生まれることができない
    だから精l子の受精能力が均一でない可能性があるってことは、生まれた後の生存競争の前に受精の段階でも競争があるかもしれないんだよ、っていうお話

    • +4
  14. 今の自分を見るにそれほど優秀で強い個体だったわけじゃないように思うけどww
    で、そこで運を使い果たして今現在運が悪いことばかりだという・・・

    • +3
  15. 他のを蹴落として 勝ち抜いたのが今の自分
    申し訳なさで いっぱい

    • +2

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