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液体ガラス。ガラスの新しい物質の状態が発見される(ドイツ研究)

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「液体ガラス」という新しい物質の状態を発見 / Pixabay
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 どこにでも目にする一般的な状態のガラスは叩けば割れる硬い物体だが、熱を加えると液状になるため、固体と液体の中間にあると言える。

 ところが、ドイツのグループは、原子が見たこともないような複雑な振る舞いをするガラス状態を発見した。

 「液体ガラス」なるその状態では、原子は移動することができるのに、回転はできないという不思議な性質があるのだという。

原子が移動するのに回転しない「液体ガラス」

 ある物質が液体から固体に変化するとは、自由に移動していた原子が規則的に並んで、ガッチリとした結晶構造になるということだ。

 ところが固体のガラスでは、そのような結晶が作られず、原子は不規則な状態のまま”凍結”している。そのために、ガラスは固体と液体の中間にあると言える。

 ドイツ・コンスタンツ大学の研究グループが発見したのは、原子が見たこともないような複雑な振る舞いをするガラスの状態だ。

 「液体ガラス」なるその状態では、原子は移動することができるのに、回転はできないという不思議な性質があるのだという。

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液体ガラス状態にある楕円粒子の位置と配向を表したもの

 液体ガラス状態は「コロイド懸濁液」を観察していたときに発見された。

 コロイド懸濁液とは液体の中に大きな固体粒子をまぜたもので、原子や分子の挙動を調べるためによく利用される。普通、そうした液体中の固体分子は球状なのだが、今回の実験ではその向きを調べるために楕円形のものが使われていた。

 液体中の粒子密度を変えながら、それらがどのように動き、回転するのか観察する――そのとき研究グループは、密度が高くなるほどに粒子が互いの回転を邪魔するようになり、それでいて移動すること自体はできるという、ユニークな状態に気がついたそうだ。

粒子がクラスター化して、ユニークな性質が誕生

「特定の粒子密度では、配向運動が凍結される一方、並進運動は保たれたままです。その結果生まれるガラスの状態では、粒子がクラスター化して、同じような配向を持つ局地的な構造が形成されています」と、研究グループのアンドレアス・ツームブッシュ氏は説明する。

 こうした液体ガラス状態があるだろうこと自体はかなり以前から予測されていたとのこと。また、似たようなプロセスが、もしかしたら他のガラス形成系にもあるかもしれないそうだ。

 この研究は『PNAS』(1月19日)に掲載された。

References:Neither liquid nor solid University of Konstanz / newatlas/ written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 30件

コメントを書く

  1. > 熱を加えると液状になるため、固体と液体の中間にあると言える。
    この理屈は流石におかしい気がします
    融点が存在するすべての物質が液体になりますし、沸点があれば全て気体になりますか?

    • -11
    1. >>2
      一部分で読むからそういう勘違いするんだよ
      まずガラスとはなにか、今回の話の論点を定義する上で必要だからそう言ったにすぎない
      ガラスは液体のようにどろどろになったり固まって固形になるんだから、説明に間違いではない
      「原子は移動することができるのに、回転はできないという不思議な性質を発見した」これの説明をする上での前置きなんだから、深く考える必要もない

      • +8
    2. >>2
      ガラスは固体でも結晶構造が崩れたアモルファスだからこういう説明になっているのよ

      • +3
  2. ガラス「どうやら私を本気にさせてしまったようですね・・・」

    • 評価
    1. >>4
      液晶は分子の向きや配列が揃ってるが、回転はできる
      今回のは向きが不揃いで回転ができない

      • +11
  3. イメージしやすい感じにするとスライムみたいに液状化できるが形状維持が難しい液状生命体みたいな感じか

    • -1
  4. あれ、これ極小レベルで電場コントロールできない?機能固定化できるなら基板とかいろいろ応用できそうな

    • +3
  5. つぶつぶの集まりが液体→流れる
    絡まった糸→ガラス

    • 評価
  6. そもそも自分らが一般的に見てるガラスは固体に見えても最初から液体だぞ
    高校レベルの化学をやってりゃ誰でも知ってる

    • -7
    1. ※16
      固体のガラスは固体じゃないの?
      非晶質を液体とみなすなら一部の硫黄など鉱物も含まれるし
      粘性を基準にするなら宇宙が数え切れないほど寿命を迎えるほどの時間が経てばダイアモンドだって変形するし

      • 評価
      1. >>20
        ガラスは『見た目は固体で、実質的には常に過冷却状態の液体に転移しようとする状態』なのよ
        一言で言うと、ほっとくと融点を下回る温度の液体になるので、厳密に固体ではない
        硫黄はおそらくゴム状硫黄の話だろうけど、これは硫黄が長鎖状に結合した状態の高分子であり、各分子は液体のような流動性はない
        ダイヤモンドは炭素の結晶であって、結晶とは規則的な分子配列によるもの
        ダイヤモンドの変形は、結晶構造が滑る(炭素分子がビリヤードのように玉突きでズレていく)ことで起こるので、分子の並びをナノレベルで分析すれば構造に変化はないのです

        • +2
  7. > 熱を加えると液状になるため、固体と液体の中間にあると言える。

    これだと大体の金属がそうだし、氷だってそうなるけど

    • +4
  8. これまで固体説と液体説がせめぎあったりアモルファスったりしてきていて、つい昨年東大の研究では固体と液体の中間状態であることが提示されている発見をし、それは安定性の観点からは“ギリギリ安定な固体”と捉えることもできるうんぬんかんぬんともあり…ガラスって不思議。

    • +4
  9. コメ欄を見ても、わかるようでわからない説明であることがわかる。
    とりあえず、流し台に散乱した割れたグラスはほっといてもなくならないんだよね?

    • +7
    1. >>21
      1400度の温度を用意するか。
      厚みある手袋を用意するか。

      2択だな。ガンバろう。

      • +6
  10. 普段目にする物に液体ガラス状態の具体例とか無いのかね?
    文章から想像しても今一把握し切れん

    • 評価
    1. ※22
      単純に言えば鉄道の流れでいいんじゃないかな
      向き固定で列車移動だけが可
      全体としては、もちろんカーブなど回転運動があるけど
      各個が独立して回転しないってことだね

      • 評価
    2. >>22
      満員電車で全員登山用のリュックを背負ってる感じかな
      移動はできるけど振り返れないでしょ?

      • 評価
  11. もとの論文をちらっと見たら、二種類の相転移が相互作用しているだとかなんだか面白そうなことが書いてあった(ガラスとかソフトマターとか非平衡とか勉強したこと無いので全然わからなかったけど)。量子力学を持ち出さなくても古典論で扱える範囲にある、一見単純そうなガラスという題材が、未だに人類の理解がとても及んでいないのは不思議で面白いところですね。

    • +2
  12. これが発見されると、何に使えるの?

    • 評価
    1. >>34
      液体ガラス 塗料でググるといいよ

      燃えない木材や紙で建築してるから
      後ロゼッタストーン以上に長持ちする情報媒体の開発も期待できるよ

      • +1
  13. カラパイアはコメ欄で学習の補足ができるから好き。
    詳しい皆さんありがとうございます。

    • 評価
  14. 難しくてわからないんだけど、「ガラスは液体よりの固体」っていうのは聞いたことがある。何百年と経たステンドグラスとかお城の小窓ガラスとかがひずんで流れたようになっていたりするのがその証拠だと。でも、正倉院のローマングラスとか形がしっかりしてる。普通のガラスとは塑性が違うのかな。

    • 評価

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