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「007」に登場するジェームズ・ボンドは実在した!?英国の同姓同名のスパイ

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(著) (編集)

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 ジェームズ・ボンドと言えば、イギリスの作家イアン・フレミングが創作した、架空のイギリス人スパイであり、「007シリーズ」の主人公として知られている。

 あくまでも作品上の架空の人物なのだが、ポーランドの国家記銘院(IPN)の保管文書から、ジェームズ・ボンドに関するファイルが見つかった。

 どうやら、英国の情報機密部は、あの有名な工作員と同名の人物を、共産主義だった当時のポーランドへ実際にスパイとして送り込んでいたようだ。

ポーランドに派遣されたジェームズ・ボンドの名を持つスパイ

 1964年2月、その名もジェームズ・アルバート・ボンドは、妻と6歳の息子を伴って、英国デヴォンからポーランドのワルシャワに赴任した。表向き英国大使館の秘書兼文書係としての任務に就くためだった。

 在任中、ボンドは地元の秘密情報部(SIS)職員と共に、何度かポーランド北東部へ出張している。軍関係施設の情報を集めるためだったと言われている。

 英国外交官としてのボンドは、自動的に現地の内務省第2部(防諜部門)の監視下に置かれており、女性に対する言動や傾向が注視されていた。

 だが、ボンドは赴任してから10ヶ月もたたないうちに、家族を英国に帰し、その数週間のちに彼自身もワルシャワを後にして二度と戻ってこなかったと記録されている。

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ジェームズ・ボンドの名を持つ英国秘密情報部のスパイ

image credit:Institute of National Remembrance

実在のジェームズ・ボンドは地味な作業をする一般的な諜報部員

 映画のジェームズ・ボンドの伝説的なイメージとはかなり違い、実在のジェームズ・ボンドは、地味な文書係の役目を任された外務省の下級職員で、鉄のカーテンの向こうに赴任させられたとき、妻子と常に一緒にいたがった家庭人だった。

 そんな彼が、ポーランド軍に関する情報を集める下級諜報部員だったというのは、まんざらありえない話でもない。共産主義勢力が西ヨーロッパに入り込んでくる可能性が現実的な脅威だった10年近く前から、西側諜報部はこうした活動に深く関わっていたからだ。

 当時、ワルシャワに派遣された秘密情報局の職員は郊外に定期的に出むいては、写真を撮って地図を作成したり、軍の訓練場の情報を断片的に集めていた。

 鉄道も興味の対象で、現在は明らかになっている1955年1月26日の合同諜報委員会メモは、まさにポーランドの50の主要駅をターゲットにした核攻撃計画そのものだったという。

 だが、60年代半ばまでには、情勢は正常化し、もはや共産主義者の攻撃は差し迫った脅威ではなくなっていた。

 ポーランドにいた諜報員は相変わらず、軍の動向に関心を持っていたが、自分で兵舎の写真を撮るより、適切な情報源に頼るようになり、郊外への出張は、真剣なスパイ活動というより、レジャー目的の様相を呈してきた。

 当時の英国SISのヘッドだった、リチャード・ホワイト卿が、知名度の高い名前をもつ下級工作員を共産圏に送り込むことを許可した事情は実はこのような背景によるものだ。

My name is Bond, James Bond

「ジェームズ・ボンド」という名前の持つ意味

 当時、イアン・フレミングの大ベストセラー本が世に出回ってすでに10年以上たっていて、当然、共産圏の人たちでもこれを読んでいた、あるいは読んでいなくても、ショーン・コネリーの映画は観ていたはずだ。

 だから、”ジェームズ・ボンド”がポーランドへやってきたことは、注目を浴びたはずだ。たとえ、防諜部門や内務省が、これを明らかな策略だとは信じていなかったとしても、このボンドの存在を知らないふりをして、監視をつけずに放っておくということは、まだできなかったと思われる。

 ジェームズ・アルバート・ボンドのもうひとつのアイデンティティは、煙幕としての不可解な役目だ。つまり、共産主義側が腕利きチームに、ワルシャワのバーでの行動や郊外への出張を監視させるほどの人物の地位に、リチャード卿が優秀だとして、不器用な工作員を配置したことだ。

 よく知られている意見は、共産主義ポーランドの諜報組織は1960年代半ば、1964年当時にはまだ完成していなかった、西側のスパイ活動に対して彼らの防諜能力も完全ではなかった、というものだ。

 少なくとも、ポーランドの秘密情報部が、007を思わせる工作活動を想定するにはまだ十分ではなかったということだ。工作員が偽情報を使って、敵方をだまくらかすのは、これが最初でも最後でもなかった。

 ワルシャワのこの話は、若いスパイのキャリアの中ではたいしたことのないエピソードだったのかか、あるいはリチャード・ホワイト卿がコミュニストにわざとボンドを監視させるよう仕向けたのかどうかは、わからない。

 確かなことは、イアン・フレミングが、自分の小説に諜報活動を取り入れ、英国諜報部が諜報活動にフィクションを組み込んだということだけだ。

References:007’s file found in the IPN’s Archive – News – Institute of National Remembrance/ written by konohazuku / edited by parumo

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この記事へのコメント 16件

コメントを書く

  1. これも英国流のジョーク
    …と見せ掛けて実は本物と思わせて実は…

    • +6
    1. 本名だったのかな? でも役割的には偽ID作ればいいから誰でもいいってことになるけど

      ※2
      支持する
      吹き替え版キャノンボールのムーアも大好き

      • 評価
  2. 007のジェームズ・ボンドの名前の由来は、アメリカの鳥類学者ジェームズ・ボンドだそうですね。バードウォッチが趣味だったイアン・フレミングが彼の著書を持っていて、そこから名前を借用したんだとか。

    • +1
  3. スパイって国家間の秘密を知っちゃうから
    辞めた後はずーっと監視されるか
    殺されちゃうんだってね

    • +1
    1. ※4
      イギリスでは退職したスパイが一カ所に集められて余生を過ごす
      「外界から隔絶された村」があるという都市伝説がある。
      それを元ネタにして作られたドラマが「プリズナー№6」

      • +3
  4. 敵に名前も顔も知られている上ここぞというときにミスってピンチに陥るポンコツスパイ
    だが彼に敵対した組織の秘密基地は大爆発する

    • 評価
  5. ポーランド国家記銘院「ジェームス・A・ボンドはもの凄くスケベだった」

    • 評価
  6. やっぱり、靴底の電話機で通信してたのでしょうか

    • 評価
  7. そういえばショーン・コネリー最近亡くなったな
    90歳だったか

    • +2
    1. ※13
      ジェームス・ボンドは、そう 髪の毛がぁ~ はげるまでぇ~も 長生きなんて 様にはならねえぜ ぇ~~♪

      • -2
  8. 大仕事したスパイといえば北朝鮮の金賢姫、一択です。

    • 評価

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