先史時代の巨大哺乳類 グリプトドン image by:Pavel.Riha.CB/wikimedia commons
古代生物といえばまっさきに恐竜が脳裏に浮かぶかもしれないが、大昔の哺乳類だってそれに負けないくらいかっこよくてユニークで最高にイカしてる。ここでは、恐竜顔負けのユニークさが好奇心をかき立ててやまない、かつて実在した哺乳類を紹介しよう。
1. タラソクヌス
タラソクヌス復元予想図 image by:FunkMonk/Wikimedia commons
中新世(約2300万年〜500万年前)から鮮新世(500万年〜258万年前)の南米に生息した巨大なナマケモノ。主に海でエサを探しながら過ごしていたと考えられ、そうした環境で泳ぎや呼吸がしやすくなるような進化を遂げた痕跡が見られる。
ちなみにナマケモノの仲間には、かつてゾウにも匹敵するほど大きかったメガテリウムという種も存在した。
メガテリウム復元予想図 image by:Nobu Tamura / Wikimedia commons
2. グリプトドン
グリプトドンの全身骨格 image by:Arent/Wikimedia commons
始新世(5600万年〜3390万年前)に出現し、更新世(258万年〜1万年前)に繁栄したアルマジロに近い動物。カメやアンキロサウルスにも似ているが、それはたまたまで、あくまで哺乳類だ。背中には小さな骨の板が集まってできたドーム状の甲羅のようなものを背負っていた。初期のものは小型で、中新世のものでも全長1mから1.5m程度、更新世に入ると3m以上の種も現われたそうだ。
発見者はダーウィンで、「彫刻された歯」というのが学名の由来。和名は「彫歯獣」である。
3. ディプロトドン
ディプロトドン復元予想図 image by:Dmitry Bogdanov/Wikimedia commons
巨大化したウォンバットのような容姿を持つ。更新世後期の約160万〜 約46,000年前のオーストラリア大陸に生息していた。頭胴長は約3.3m、体重は2.8tと、既知のものとしては史上最大の有袋類で、カバくらいの大きさだった。オーストラリアには川や湖で人を襲って喰らう「バニップ」という怪獣の伝説が伝わっているが、そのモデルだった可能性がある。
アボリジニが所有していたバニップのものとされる骨が、じつはディプロトドンのものであると判明したことがあるのだ。彼らの祖先が洞窟に残した壁画にはディプロトドンらしき姿も描かれている。
4. ギガントピテクス
ギガントピテクス復元予想図 image by:Concavenator/Wikimedia commons
史上最大のヒト上科動物かつ史上最大の霊長類。10万年ほど前までアジア東部に生息しており、おそらくはオランウータンに近いと考えられている。身長3メートル、体重300〜540キロというリアルな巨人である。どうやら初期のホモ・サピエンスやホモ・エレクトゥスと同時期に生息していたこともあるらしく、少なくとも後者については生息域もかなり重複していたようだ。仮に我々の祖先が彼らと遭遇していたとしたら、それは恐怖以外の何ものでもなかっただろう。
5. ケラトガウルス
ケラトガウルス復元予想図 image by:R. Bruce Horsfall/Wikimedia commons
漸新世(3400万年〜2300万年前)から更新世にかけて生息。エピガウルスとも。英名Honed gopherは「ツノのあるジリス」の意。つまりは地上で生きるリスだ。ツノを持つ哺乳類としては史上最小で、ついでにツノを持つ唯一の齧歯類、かつツノがありながら地下に潜る唯一の哺乳類(化石種を除く)である。
トンネルを掘るには邪魔だったであろうそのツノの用途ははっきりしていないが、オスとメスで違いがないことから、身を守るためのものという説が有力視されている。
References:5 Coolest Prehistoric Mammals Ever - KnowledgeNuts/ written by hiroching / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
今日もね 最古! イカいしてた よろしく!
2. 匿名処理班
ギガントピテクスみたいな人間は街中でよく見かけるぞ
3. 匿名処理班
そういえばなんでマンモスは狩られたのに、アフリカゾウは狩られなかったのかな?
4. 匿名処理班
恐竜ほど話題にならないけど、こういう絶滅哺乳類の話大好き。
ナマケモノにも海棲がいたとは知らなかった。
5. 匿名処理班
最高にイカしてるのはやっぱサーベルタイガーでしょう
6. 匿名処理班
※3
地域による動物の生息種類と需要の差かもね
7. 匿名処理班
大型哺乳類の企画展行ったけど、もうなんかロマンの塊なんだよ
また見に行きたいなあ
8. 匿名処理班
>仮に我々の祖先が彼らと遭遇していたとしたら、
>それは恐怖以外の何ものでもなかっただろう
そうかなぁ?個人的な感想だと、
向うでは…
『何か小さい奴らが居るな?縄張りは超えない様にしよう』
こちらでは…
『何かデカイ奴らが居るな?縄張りは超えない様にしよう』
辺りになると思うがな?飢饉の時期は戦ったかも知れんが?
9. 匿名処理班
※3
アフリカに大型哺乳類が多く残っているのは
人類の進化と一緒に進化したので対応出来たからって聞いた事ある
外来種が爆発的に増えるのに本来の生息地では安定してるのと似てる
個人的には狩尽くさないアフリカの文化や
道具や組織の巨大化といった変革もあったろうかと思う。
10. 匿名処理班
雲の王国で今の子は通じるんかいな
11. 匿名処理班
ケラトガウルスはツノがあるけど顔はのほほんとしてるなあ
12. 匿名処理班
モアが見てみたい
13. 匿名処理班
大型の草食獣ってめちゃくちゃ気が荒くて喧嘩っ早い
のが多いけど、メガテリウムも危険動物だったんだろ
うか?
凶暴なナマケモノってちょっと想像がつかないけど
14. 匿名処理班
恐竜だって想像図変わってるしコイツラも怪しいんじゃない?
15. 匿名処理班
今は絶滅してる生物が現生人類と時代を共に生きていたってロマンだよね
16. 匿名処理班
一部で有名なコロンビアのパブロ・エスコバルのカバの近況が面白い事になってる
あんなデカブツ外来種がのさばってさぞや自然破壊と思ったら
かつて人類が滅ぼした南米の巨大哺乳類の空いたポストにぴったり嵌って
逆に自然界の食物連鎖が安定したんだって
17. 匿名処理班
こんなヘンテコな哺乳類いたのかよって思っちゃったんだけど、
冷静に考えたらカモノハシも十分ヘンテコ哺乳類だった。
18. 匿名処理班
ARKやろう
19. 匿名処理班
>>10
最後のはジーンダイバーで通じる世代かな?
20. 匿名処理班
ギガントピテクスと戦ったことあるがクソ強かったな
21. 匿名処理班
ケラトガウルスは角を除けばフォールアウトのモールラットみたいだな
22. 匿名処理班
>>15
ロマンだけど、モアやステラー海牛等が辿った悲劇の末路もまた多かった
23. 匿名処理班
※3
ほかに狩りやすい動物が多かったというのもあるんじゃないかな。
タフで頭が良くて気性が荒くて群れで行動する。
アフリカゾウは狩りの対象としてはリスクが高すぎる。
24. 匿名処理班
イラストレーターの匙加減なんだろうけどケラトガウルスがにこやかで可愛い
生き残っていれば癒しアニマル扱いだったかもしれない
25. 匿名処理班
>>17
しかしニンゲンほどヘンテコ哺乳類でもないんじゃないかな
26. 匿名処理班
イッカクウサギ(ドラクエ)の元ネタかしら。ケラトガウルスは
27. 匿名処理班
>>10>>19
落ち着いて聞いてほしい
雲の王国もバーチャル作品も四半世紀前だ…前なんだ…
28. 匿名処理班
※16
そういってるのは一部の “ちょっとかわった” 学者だけだよ
そもそも当時の大型動物群の与えた影響とカバの与えている影響を比較するデータがなさすぎるし
今判明しているのは、陸上で草を食べて水中でフンを大量にまき散らすカバのおかげで水中の窒素濃度が極端に上昇して水中の生態系が激変している地域があるということ
29. 匿名処理班
2は耳亀じゃなかったのか、残念
30. 匿名処理班
※3
美味しくなかったんじゃない?
31. 匿名処理班
3のコアラのオバケみたいの迫力あるなー
有袋類のクマ版ポジションなのかな