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9000万年前、南極は緑豊かな森に覆われていた可能性が示唆される(国際研究)

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(著) (編集)

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かつての南極のイメージ:Alfred-Wegener-Institut/James McKay/CC-BY-4.0
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 太古の昔から、地球の極地、南極は氷に閉ざされた極寒の地とされていた。しかし本当にずっとそうだったのだろうか?

 実はそうではないらしい。最近の研究によると、およそ9000万年前の白亜紀中期は、南極の年間平均気温が12℃前後もあり、緑の森が生い茂る温帯雨林だった可能性があるという。

 この時代、大気中の二酸化炭素(CO2)は非常に濃厚で、地球の気温はかなり暑かった。極地の氷床は溶けてしまい、海面は現在よりも170メートルも高かったそうだ。

南極の海底から植物の堆積物が発見される

 2017年、ドイツの砕氷船ポーラーシュテルン号がアムンゼン海の地質調査を行った。南極点から900キロ西のパインアイランドやスウェイツ氷河に近いあたりで、海底を深く掘ってみたところ、海底下30メートルの深さの堆積物は、地表近くのそれとはまったく対照的だったという。

 「船上で最初に見たとき、その堆積層の色が異様なことに目を奪われました」ドイツのアルフレッド・ウェゲナー極地海洋研究所の地質学者ヨハン・クラーゲスは語る。

 「はじめの分析で、海底下27~30メートルの地点には、海ではなく陸地だったと思われる層が堆積していることがわかりました」

 地球の遥か南の海底深くから白亜紀の地層サンプルを採り出した者はいない。そこはあらゆる意味で未知の領域で、X線コンピューター断層撮影(CT)を使った詳細な検査で、なにが出てくるかは、研究者たちにもまったく予想がつかなかった。

 船から降りてさらに詳しく調べてみると、化石化した植物の根の複雑なネットワークがよくわかり、顕微鏡で分析すると、花粉や胞子の痕跡が見つかった。これらはすべて、およそ9000万年前、南極が不毛の氷の台地になるずっと以前、ここに古代の温帯雨林が存在した証拠を示している。

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図:9000万年前の南極地域の概観図

image credit:JP Klages、Alfred-Wegener Institute
 「多くの植物の痕跡は、当時の南極大陸西岸が温暖な気候で、現在のニュージーランドとよく似た湿地や森林があったことを示しています」イギリス、ノーザンブリア大学の古生態学者、ウルリッヒ・ザルツマンは言う。

白亜紀中期、南極の平均気温は12度前後、CO2レベルも高かった

 驚きのこの新しい発見は、単に当時極地に植物が存在したことを示しているだけではない。なぜ、それが可能だったかもおしえてくれる。

 大陸プレートが移動しているため、今回堆積物を採取した場所は、恐竜がまだ歩き回っていたころには、今よりも南極点に数百キロ近い場所だったと研究チームは見積もっている。

 当時も現在と同様、南極は冬期には太陽が姿を見せず、4ヶ月も闇の中に閉ざされていた。いったい、どのようにして、古代の熱帯雨林はこれほど長い間太陽の光を浴びることなく、生き延びられたのだろう?

 この謎を解明するために、土壌サンプルに含まれていた生物学的、地球化学的なデータに基づいたモデルを作り、森林がなくなって久しい古代の地が、どのような気候だったのかを再現してみた。

 シミュレーションによると、白亜紀中期の大気中のCO2レベルは、想像以上にかなり高かったことがわかった。

 当時の南極は、年間平均気温が12℃前後という、今と比べてかなり高温の環境で、大陸全体に植物が生い茂り、今日のわたしたちが知っている、冷却効果を伴うはずの氷床は存在しなかったと考えられる。

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image by:Mt Bruce National Wildlife Centre / Wikimedia

 「調査前は、白亜紀の二酸化炭素濃度は一般的に、1000ppmほどだと考えられていました」ドイツ、ブレーメン大学地質学者のトルステン・ビッカートは説明する。

 「でも、わたしたちのモデルベースの実験では、当時の南極大陸の平均気温に達するには、二酸化炭素濃度は1120~1680ppmが必要です」

 この新たな発見には、まだまだ掘り下げなくてはならないことがたくさんあるが、少なくとも、恐竜が闊歩していた先史時代のCO2濃度と極地気候の間には深いつながりがあったことを十分に理解する助けになる。

An ancient Antarctic rainforest

現在の地球温暖化対策の参考に

 これは、現在、地球のCO2レベルがど急上昇している状況を考えると、地球の未来のために、重要な意味をもつ歴史の授業ともいえる。

 このままいくと、地球のもっとも寒冷な場所に再び森林が誕生し、世界地図が書き換えられてしまう恐れがあるというのだ。

 「すでに地球に起こっていたこのように極端な気候について、もっと詳しく調べる必要があります。この研究は、温室効果ガスがどのようなものだったのを、今のわたしたちにおしえてくれるはずですから」クラーゲスはそう語った。

この研究論文は『Nature』(4月1日)に公開されている。

Temperate rainforests near the South Pole during peak Cretaceous warmth
https://www.nature.com/articles/s41586-020-2148-5

References:sciencealert / interestingengineering/ written by konohazuku / edited by parumo

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この記事へのコメント 42件

コメントを書く

  1. 地軸の南極部分が太陽側に向いていたから、なんて説はないかな。

    (´・д・`)つうかめんどくせえな、要らねえ情報だ。

    • -21
    1. ※2
      極に在って大量の降雪を受け止めてくれてるお陰で、他の大陸の低地が水没もせずに陸地でいられる。もし此処に陸地が無かったら降った雪はみんな海の中やから海面の低下が起こらん。その意味でプラマイゼロと言う見方も出来るんやで。

      • +7
  2. 台風や猛暑日も多かったんだろうな。
    そうはならないように温暖化は止めないと。

    • +2
  3. 南極で平均気温12℃では日本あたりではどうなってしまうのか
    というかいまは寒冷化してる状況なのか

    • +2
    1. >>4
      つーかジオグラフィックに、万年氷が熔けて1000年前のバイキング達の遺留物が、てな記事があった。
      つまり万年氷なんてもんは11世紀あたりには無くて、普通に人が生活してたわけで、平安時代は日本も今より平均気温が高かった。だからあんなスケスケの寝殿造が流行ったわけだし、地球温暖化が人間のせいだなんておこがましい話だと思うわ。

      • 評価
  4. 似たようなことは40年前の児童雑誌にも書かれていたと思うけど
    定説ではなかったのかな

    • +8
    1. ※6
      だよね

      だいぶん昔から南極大陸は実は緑豊かな大地だったって話あったよね

      • +4
  5. 恐竜の時代は、海も温水みたに暖かかったと言うし、
    今よりも生き物には住みやすかったんだろうね。

    海流か風邪が変わって、冷たい空気が出ていかなくなって氷で閉ざされたんだっけ。

    • +1
  6. 9000万年も前だぞ?そりゃそういうこともあるだろうとしか。
    そもそも地球は氷河期だって温暖時期だってあっただろ。

    • +4
  7. 南極で見つかってた恐竜の化石はこれを指し示していたわけか

    • +2
  8. けっきょく南極大草原🐧🐧🐧🌲🌲🌲🌳🌳🌳
    分かる人いるかな…💧

    • +1
    1. ※12
      結局南極放送局からコマーシャル…なら知ってる

      • 評価
  9. これすげぇ昔から言われてるし有名な話だと思うんだけど、
    今までは何の証拠もなかったってことなのか?

    • +1
  10. 白亜紀恐竜ピーク時代の地層ねぇ
    南極と欧州が地殻変動で分断したのが白亜紀前期と予想せらているから
    分断前の地層(これを立証した形)なんじゃないかと思うけど、どうなんだろうね

    • 評価
  11. 欧州→豪州(オーストラリア)の間違い失礼

    • 評価
  12. ポールシフトも有るし、別に想定外の話しでもない
    現在の関東地方のCO2濃度=330ppm位やけど20年位前には240ppm
    その変化は別に~地球温暖化とはなんの因果も無いわ❗
    (地球温暖化とか寒冷化は太陽系の事象と考えるのが宇宙の常識)

    • -2
  13. 年間平均気温12°Cは熱帯雨林気候の条件である最寒月平均気温18℃以上の条件を全く満たしていない
    温暖湿潤気候(温帯)の間違いだと思うから画像イメージとは全く違う

    以前から言われてた説だしある程度事実だと思うけど、記事の信憑性に関わる

    • +1
  14. グラハム・ハンコック 舜 大地 『神々の指紋』で読んだ。

    • -2
  15. こういうのを見ると「温暖化から地球を守らなくちゃ!」というのはおこがましい考え方だな、と思っちゃうね
    「地球を守る」じゃなくて、あくまで「人間に都合のいい環境を守る」なんだな

    • +7
  16. 温暖化は人間のせいだとされてるけど
    それが本当なのか自分はずっと懐疑的だった
    やっぱり長い歴史の中での地球のサイクルな気がしてならない

    • +1
  17. いや……結構前から言われてたよね?
    化石とか前から見つかってたし、プレートテクトニクスからもずっと極地、極寒の地だったなんて事もなかったし

    • +2
  18. 地球は温暖化と寒冷化を繰り返してるわけで今の温暖化も自然な流れなのかもね。

    • +1
  19. 南極が凍り付いた原因って他の大陸から切り離されて周囲を囲むように寒流が流れるようになったからじゃなかったっけ?

    • 評価
    1. ※30
      そういう単純な話ならいいんだけど、時代が古すぎるんだよねぇ

      • +2
  20. 別の知的生命体が繁栄していた可能性もある。

    • 評価
  21. 南極が南極大陸から動いてないことを前提にしてるけどほんとかな。
    プレートは動くし、地球表面の固体部分だけずるっと回転したりもしそう。

    • 評価
    1. ※33
      2億年前から1億5000年前の時期は、旧ゴンドワナ大陸が南極から離れた時期もありましたが、白亜紀初期(1億2000万年前)以降、南極大陸は位置や大きさを変えつつも定着したようです。

      • +3
  22. 太古の金星がどうなってたかも気になる。

    • 評価
  23. これも自然の1つの姿
    温暖化ガーと叫ぶ人は仮に地球がこの姿に戻りたがっているとしたらどう思うのだろうか?

    • 評価
    1. ※36
      > 仮に地球がこの姿に戻りたがっているとしたら
      まずこれを実証してください

      • +1
  24. 温暖化が問題視されている理由は「その変化の度合いが地球の歴史上かつてないほどの急激さだから」です。ここでももう何度も言われているはずです。

    数世代程度の期間で、環境の激変に適応できる生物種は限られています。過去に大きな気温変化があったことは周知の事実ですが、おだやかに変化すればそれにつれて生物相が交代する時間が与えられ、そうでなければ大量絶滅となります。

    人類がそのトリガーを今まさに引きつつある、と数値が指し示しているのに、それが本来の自然の姿だと、泰然としていられる方が不思議なんですが。

    よしんば人類がほかの生物が倒れるのを横目に、知恵によって絶滅を免れたとしても、そこにあるのは今より遥かに過酷な環境である可能性もあるのに、ですよ。

    温暖で住みやすくなった南極大陸に、ふるさとを捨てた数百億もの人間がひしめくような未来は想像したくありませんね。

    • +4
  25. 科学研究の記事について、いつも楽しく読ませてもらってます。
    ありがとう。

    • +3
  26. この話は今までの古代の南極に命が栄えていた説とは違う
    大陸移動によって暑い地域から今の南極の位置に行く前の話ではないから
    南極点に数百キロ近い超高緯度の寒い地域の時も、どうやら緑に溢れていて驚いたという事
    だから温暖化との関係について関連付けて語られているわけ

    • 評価
  27. てか、今が氷河期ですよ。
    溶けない氷があれば氷河期と定義されたはず。

    • 評価

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