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イヌイット族はどのようにして北米に到達し、広がっていったのか?(国際研究)

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(著)

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ZU_09/iStock
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 シベリアやアラスカに住んでいるエスキモーのイヌイット族は、どのようにして北米の凍える過酷な地を制覇したのか?その理由が判明した。

 そのカギは、不毛の台地を駆け巡ることのできる、彼ら独自の犬を導入したことだという。この特別な犬たちの最高のパフォーマンスは、イヌイット族のスムーズな移動や狩りに大いに役立ったのだ。

イヌイット族が導入した特別なソリ犬

 北極圏の犬やオオカミは、4500年以上この厳寒の地に生息していた。そこで研究者たちの国際チームは、1000年前の彼らの骨を調べ、900頭以上のDNAを分析した。

 この多数のデータを使って、イヌイット族がこの地にやってきたときと同時期の人口推移マップを作ることができた。

このたび発表された新たな発見から、現代のイヌイット族の祖先が、新しい特別な能力をもった犬をこの地に導入したことが初めてわかった。

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Cheryl Ramalho/iStock

犬の特性を強化

 もともと地元の犬はいたが、たいていもっと小規模な数だった。

 イヌイット族は、北米に生活範囲を広げるために、犬たちが役に立つことを知っていて、自分たちの犬の特性を強化しようとしたことが研究からわかる。

 研究リーダーのエクセター大学のカーリー・アミーンは、この発見の重要性について語る。

考古学的にも訓練や規律の観点からも、犬、とくにそり犬には長い間、関心を寄せていましたが、イヌイット時代以前の北極の犬は、研究対象になっていませんでした

そこで私たちは、イヌイットの犬が現代のそり犬とどのように関連しているかに着目しました。私たちが調査したかったのは、イヌイットの犬と、すでに北米に生息していた犬との比較です。

こうした疑問はもちろん、北極の犬の個体数についての重要な情報を含んでいますが、世界中に移住してきた人類が犬とどのように関わり、活用してきたかを理解する助けにもなります

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filadendron/iStock

現代のそり犬はイヌイットの犬の子孫

 現在のそり犬の血統の一部は、少なくともイヌイットが拡大していた頃の時代、この地に導入された犬の子孫であることがわかった。

 研究者たちは、現代のそり犬がイヌイットのそり犬の直接の子孫だということがわかるとは思っていなかった。

 しかし、両者を直接結びつけるのには慎重を期した。この説をしっかり確認するには、さらに詳しい遺伝子研究が必要だと説明し、性急に結果に飛びつかないようにした。

 イヌイット族がこの地に広まってから、もともといた犬の数はほぼすべて入れ替わったという。そり犬はそもそも、北米にたどり着いたイヌイットの功績だった。

犬たちの活用で、移動のスピードはぐんと上がったことでしょう。考古学的証拠からもわかりますが、一世代もしくは二世代の間に、大陸を楽に移住することができるようになったと思われます。

さらに、犬ぞりで海氷の上を行くことで、生活の糧である海洋哺乳類の狩りを効率的に行うことができるようになったはずです

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jamenpercy/iStock

 犬たちは、イヌイットの生活の中でその価値を維持し続けたのだ。

こうした事実は、犬たちがこの時期に北米に導入され、そりを引くために特殊化されたという説を裏づける強みになります。そりを引く犬が特別なタイプだったことがイヌイットにとって重要でした

 現代でも、そり犬はイヌイット族にとってはなくてはならないものだ。犬たちがいるおかげで、飼い主の命が守られることも多い。

References:Archaeology breakthrough: Scientists discover how the Inuit conquered North America/ written by konohazuku / edited by parumo

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この記事へのコメント 12件

コメントを書く

  1. 犬ぞりに乗れたらどんな高級車に乗るよりも興奮しそう

    • +5
    1. ※1
      高級車は金さえ出せば庶民でも簡単に乗れるけど
      犬ぞりは犬との魂付き合いや仲間との連携など
      究極の仲間として極寒の冬や雪原を超えていくことになる
      一度乗れたら癖になるかもね

      • +6
  2. アジア側に現存するイヌイットの同族はベーリング海周辺にシベリアエスキモー(チュコト半島)とアレウト人(アリューシャン列島)がいるだけだが
    犬の遺伝子を辿っていけばイヌイットの起源もわかるんだろうか?

    • +2
  3. 南極点到達したアムンセンはイヌイットの犬橇を採用して成功したんだけど、この犬達は食糧もかねていて帰路で効率的に殺して食べた。働かせるだけ働かせて最後に食べるのが衝撃。まあ私達がいま家畜にしてることと同じだけど人間は碌でもないなって。

    • +3
    1. ※8
      アムンセンは犬橇だけでなく、イヌイットからアザラシ皮革製防寒着・長靴の有用性や効果的な雪焼け防止マスクの作り方、それに極地における生肉食の重要性も学んだとか(本多勝一「アムンセンとスコット」より)。もっとも本人は、南極点とは正反対の北極点初到達を目指してそれらを学んでいた、というオチだが。

      • 評価
  4. エスキモーって言わなくなったのはなんでだ?と思ってたが、インディアンが生肉を食らう野蛮人って蔑んだからか。元々はかんじきを編むものって意味なのにな。 どこでも無理解はあるって事か。

    • +3
  5. >犬の特性を強化

    イヌイットだけにね。

    • +2
  6. 北米ネイティブは犬や七面鳥じゃなくて馬を連れてくるべきだったな

    • +1
    1. ※12
      野生化したロバの方なら来てる。ちなみに東南アジアのロバに近いとかなんとか

      • +1
  7. 行動範囲を南に広げれば良かったのでは

    • +1
  8. 犬ぞりを適切に扱うには、長さが何メートルもある鞭を
    適切に扱わなければならないんだそうだ。
    それが出来ないと、犬が人間をバカにして
    橇を曳かなくなるそうだ。
    って、植村直己の本に書いてあった。

    • +1

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