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仲間は1匹の犬だけ。30年にわたり砂漠地帯で洞窟を掘り続ける男性(アメリカ)

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(著) (編集)

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 アメリカのニューメキシコ州に、四半世紀以上にわたり洞窟を掘り続けている男性がいる。

 彼の仲間は、たった一匹の犬のみだ。独学でスキルを手に入れた男性は、手工具のみを使用し、毎日洞窟を掘り続けてきた。そこにあるのは、情熱を注いで作り上げられたユニークな作品の集大成だ。

 洞窟は、彼にとってアート作品を生み出す場所であると同時に、人が精神の再生と幸福をインスパイアする環境を作る場所でもある。

 完成された洞窟は、全てが異なるデザインに仕上がっており、ここを訪れる訪問客は洞窟内に刻まれた美しい彫刻と神聖な空気に息をのむ。

 「生きている限り、掘り続ける」と語る男性の芸術的ライフワークは、2014年に短編ドキュメンタリー映画になり、アカデミー賞候補にもあがった。

The Sandstone Cave of Ra

30年にわたり洞窟を掘り続けるアーティスト

 アメリカ人アーティストのラ・ポーレットさんは、ニューメキシコ州北部の高地にある砂漠地帯で、およそ30年にわたり素晴らしい洞窟の家を作り続けてきた。

 最初は、同州サンタフェのリゾート地の観光名所として、「Windows in the Earth Shrine」と名付けられた作品を作るよう依頼されたことがきっかけだった。

 ポーレットさんは、シャベルやつるはし、スクレイパーなどの手工具のみを使用して、砂岩の丘にある洞窟を、結婚式場や瞑想の場など多目的に使用できる壮大な人工洞窟に変えた。

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 これまで建築や彫刻、構造工学を学んだことは一切ないというポーレットさんは、独学でスキルを身に着け、6つの窓がついた作品を2年がかりで完成させた。

 しかしその後、スポンサーと衝突。洞窟を掘る作業に使命を感じたポーレットさんは、お金に関係なく、そして誰にも指示されることなく、たった一人で趣味として他の洞窟を掘り続ける決心をした。

各洞窟が異なるデザインを持つユニークなアート空間に

 30年という長きにわたって、たった一匹の犬を仲間に洞窟を掘り続けてきたポーレットさんの心を駆り立ててきたのは、情熱以外のなにものでもない。

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 ポーレットさんは、2014年のインタビューでこのように話している。

好きなことを見つけて、それに惹かれたら、誰でもいつもそれをし続けたいと思うでしょう?

 手工具のみで掘られた洞窟内は、ひとつひとつがユニークで異なるデザインに仕上がっている。

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 波を打ったような壁と複雑な渦巻きがある滑らかな空間、成形された曲線に象眼細工を施したカラフルな部屋など、丘の中腹に掘り込まれた数々の精巧な芸術的空間に一旦足を踏み入れた訪問者は、そこが洞窟だということを思わず忘れてしまうほどだ。

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目的は「精神の再生と個人の幸福をインスパイアする環境づくり」

 なぜ、そこまでの情熱で洞窟を掘り続けるのか。洞窟アートが完成するのはいつなのか。才能溢れたポーレットさんに興味をそそられるコレクターたちは多い。

 しかし、ポーレットさんは彼らの注目を気にすることなく、70歳を過ぎた今も自身のライフワークとして、この巨大プロジェクトを遂行し続けている。

 ポーレットさんの唯一の目的は、精神の再生と個人の幸福を訪問者に体験してもらうことだ。人々が光に満ちた砂岩のアートな空間の洞窟で、穏やかな気持ちを感じ、自身や人生について理解を深めることで、彼らがオープンな精神状態になれることを望んでいる。

 そのため、訪問者がキャンドルを立てて静かに瞑想できるよう窪みをデザインし、別の洞窟には天窓を作って太陽の光が差し込めるようにもなっている。

 ポーレットさんの作品にインスパイアされた人たちは多く、洞窟を訪れる人々は後を絶たないことから、現在は洞窟ツアーまであるという。

 また、フェイスブックには「自然と地球そのものにこれほどまでに密接して作り上げた作品は、ただただ素晴らしい」といった称賛の声も数多く寄せられている。

 ポーレットさんの洞窟掘りにかける献身的な人生やその作品は、2014年に『Cave Digger』と題した映画になり、アカデミー賞短編ドキュメンタリー賞にもノミネートされた。

written by Scarlet / edited by parumo

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この記事へのコメント 33件

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  1. 凄い
    壊そうと思っても壊せない100年200年経っても残り続けそう
    どんな最先端のロボットより未来を感じるよ

    • +9
  2. 飽きっぽいからこういう一つの事に人生をも捧げられる人はただただ凄いと思うわ

    • +22
  3. 地下なのにこの明るさ。
    すげー…いやほんと、すげー以外の言葉が出てこない。
    心安らぐね。

    • +15
  4. 現代文明が滅びた後できっと評価と謎を呼ぶだろうなあ

    • +26
  5. 想像してたより遥かに凄いスケールの作品だった
    一度現物を見てみたいなぁ

    • +9
  6. 作品というよりかは、快適なお家をセルフビルドしてるという感じだね

    • +5
  7. 最初イヌめっちゃ長生きやんけって思ったけどそんなわけないわなw

    • +11
  8. 石油でも掘る以外無いんじゃないのって皮肉を本気にして飛び出したんじゃなさそうで良かった

    • 評価
    1. >>12
      Sir Destiny、アンタとは気が合いそうだ

      • 評価
  9. 生きてる限りは掘り続ける…そのうち銀河を超える大きさの巨大ロボになる顔面から四肢の生えたロボット見つけそう

    • 評価
    1. ※13
      人口が100億人に達した瞬間、大変なことになりそう
      (原作は100万人)

      • 評価
  10. これぞ我が使命…!って感じがかっこいい
    俺も死ぬまでお絵かき続けたいな(´・ω・`)

    • 評価
  11. マインクラフトで地下にデカい神殿ダンジョン作ったことあるからすごい共感する
    地下っていいよね

    • +6
  12. どうやって、飯を食っているのか、金はどうしているのか。凄く気になるのだが・・・

    • +3
  13. 最初はいいねと思ったけど最後の写真の彫刻とか見ると結構ダサくて素人っぽく見えて
    しまうな 好みの問題だと思うけど

    • -3
  14. 離れた近所に旅館作ってツアー作るべき。
    収益は知らないけど

    • 評価
  15. 作品を作る(掘りそして彫る)ことで報酬を得ているみたい
    ある作品では約15,000ドルでありそれは時給換算で10~16ドルだっととか
    たとえばある洞窟(神殿あるいはサンクチュアリ?)はオーナーが経営するリゾートの一角みたい
    その他の洞窟たちにもオーナーが存在するのであろうか、あろうなあと思いました
    土地を手に入れてもらわねばなりませんしね
    (勝手に公有地に掘ってしまったやつは閉鎖したみたい)

    それぞれの洞窟ごとに神殿や教会のような表情を持つ物もあれば原始美術的な空間もあったり。計画と即興。聖と性愛。ガウディなどに感じる趣とは反対の位置でもあるような。
    どういう連想なのかパリス・テキサスのトラヴィスとサム・シェパードの顔が浮かんで消えない。

    • +6
  16. ガウディさんが転生してきたんじゃないですかね。

    • 評価
  17. どの程度もつかはわからないが、未来まで残る作品か
    一度は見てみたいものだ

    • +1
  18. 「恩讐の彼方に」を思い出した。
    今は土建会社がトンネル作るから、人力作業は芸術の方に向かうのかね。

    • +1
  19. なんだコレの洞窟レベルかと思った自分を恥じた

    • 評価
  20. 現代のカッパドキア。あそこも人工洞窟を使ったホテルがあるね

    • +2
  21. ニューメキシコというと、ジョージア・オキーフを思い出す。
    どちらも、世俗をはなれた聖なる自然の中に何かを見出したという感じがする。

    • 評価

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