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魚群リーチかな。5000万年前のすでに絶滅した魚の群れがそのまま化石の状態で発見される(米研究)

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Mizumoto et al./ Royal Society B
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 2016年、アメリカ・アリゾナ州立大学の生物学者、水元惟暁氏は福井県立恐竜博物館の所蔵品を調査しているときに不思議な化石に興味を惹かれた。

 それはもともとアメリカのコロラド州・ワイオミング州・ユタ州にまたがる石灰岩地帯「グリーン・リバー層」で発掘された、5000万年前の始新世のもの。

 縦38センチ、横56センチの化石には小さな小魚がわちゃわちゃとひしめいており、まるで魚が群れで川を泳いでいたら急に凍結して閉じ込められてしまったかのようだった。

 実際の魚が3次元空間で生活していたのに対して、化石は2次元でしかない。そのため、魚が本当に群れで泳いでいたのかどうか真相を明らかにするのは難しいと思われていたが、『Proceedings of the Royal Society B』に掲載された研究では、それを裏付ける確かな論証が行われている。

絶滅した魚の稚魚の群れ

 化石に残されている259匹の稚魚は、とうの昔に絶滅したサケスズキ目の淡水魚エリスマトプテラス・レバタス(Erismatopterus levatus)であるようだ。

 それぞれは2.5センチ未満で、どれも同い方向を向いている。まさに現代のメダカの学校さながらに、それぞれが適度な距離を取りつつ、群れを形成しているように見えるではないか。

 水元氏らは、稚魚それぞれの位置と向きを計測し、水流や空間分布を考慮しつつ1000回ものコンピューターシミュレーションでデータを解析。ここから次にいるだろう位置について予測してみた。

 その結果、まったく違う方向へ向かっているのは8匹のみで、稚魚の動きは現在の魚の群れと同じような動き――距離があれば近づき、近づき過ぎれば離れるというパターンによって、うねるような集団動態をしていることが判明した。

 つまりこの結果が正しければ、5000万年前から魚は群れで暮らしてたということになる。

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Mizumoto et al./ Royal Society B

稚魚はなぜ群れていたのか?

 仮に魚が本当に群れで泳いでいたのだとすれば、それは現在の魚が群れるのと同じ理由だろう。絵本のスイミーと同じ、大きな魚に食べられないようにするためだ。

 実際にシミュレーションの結果からも、お腹を空かせた捕食者の襲撃から一番安全な群れの中央ほど魚の数が多いことが明らかになっている。

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Mizumoto et al./ Royal Society B

稚魚たちが迎えた最後はミステリー

 ただし、今のところ解けない謎もある。それは魚の群れが一体どのような最後を迎えたのか? ということだ。

 たとえば砂丘が崩れて、魚の群れが一瞬で埋もれてしまったというのなら、化石はおそらく魚の直前の動きをそのまま現在まで伝えていることだろう。

 だが、埋もれるまでしばらく時間がかかったというのなら、そこに閉じ込められた時点で魚はすでに死んでおり、泳いでいなかったとも考えられる。むしろ、現在の配置になったのはその後の化石化のプロセスによる可能性が高くなるだろう。

 なお当時は気候が温暖だったために、川が急に凍りついて閉じ込められたという可能性は低いようだ。

 ということで、残念ながら化石が魚の群れが泳いでいたときの姿を写したものとは必ずしも断言できないのが現状だ。――でもやっぱりこれ、群れで泳いでいるよな、うん。

References:Did This Fossil Freeze a Swimming School of Fish in Time? | Smart News | Smithsonian/ written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 60件

コメントを書く

  1. ビキニきた女性と筋肉ムキムキ男子の化石も発見されたりしてね

    • -11
  2. 魚群リーチwwwどんなんやねんwww
    と思ってみたら魚群リーチやったわ…すげえなこれ、一体どんな状況やったんや…

    • +11
    1. >>2
      田んぼの水を抜きはじめると成長が終わってない子が深い所に密集してしまう

      そんな大型おたまじゃくし群と同じ動きをする謎の骨格群

      干ばつ状態からの生存を求めての行動なのか
      あるいは捕食者の集団による攻撃を受けているのかはっきりしませんね

      • +1
    1. >>3
      こちら、4800円になります。

      いや俺もえびせんの親類に見えたわ…うまそう。

      • +3
    2. ※3
      美味しそうな干物にしか見えなかったw

      • 評価
  3. 泥で埋もれる際に散り散りにならないことの方が不思議だ。

    • +15
  4. どうして化石になるプロセスで同じ向きになるのか そこんところもうちょい詳しく教えて~ん

    • +2
    1. ※7
      ねっ!ねっ♪
      スイミーみたいだねっ♪

      • +2
  5. 瞬間的に何かが起こらないと無理だろ、人間もこんな風に瞬間的に絶滅するんだろうな。惑星衝突とかね

    • +9
  6. >水元氏らは、稚魚それぞれの位置と向きを計測し、水流や空間分布を考慮しつつ1000回ものコンピューターシミュレーションでデータを解析。ここから次にいるだろう位置について予測してみた。

    どっち向いてるか見るだけでいいんじゃねーの?

    • -7
  7. 案外火山の噴火辺りが原因で化石化したりして
    ポンペイ遺跡もこれと似たような形で遺跡化したし

    • +2
  8. この稚魚の群れに限らず三葉虫の化石とか活動中そのまま石化したような化石って何が起きたのか気になるね

    • +18
  9. たしかに、こんな群れちょっとした衝撃でもびっくりして散り散りに散開しそうだし、徐々に閉じ込められたらそれこそ広範囲に散りそうなのに
    どんなシチュエーションで泳いでる途中そのままの群れが化石になったんだろう。

    隕石でも落ちて一瞬で小川が干上がったとか?でもそこまで激しい変化だと周りの地層にも跡が残りそうだし
    ミステリーだ

    • +16
  10. 不思議で夢がある化石だな~。
    とりあえず私の脳は駄菓子コーナーとかで売ってる大きいエビせんべいの味をほのかに再生し続けている。エビちゃうのに・・・。

    • +4
  11. バージェス頁岩だったか、あれは海底でがけ崩れが起きて閉じ込められたのもある。が、あの当時の生物はヨタヨタ動きだったから、比較的そのまま埋まった。

    一方、この時代の魚は現代と大して変わらない敏捷性が有ったと思われるのに、なんでまるごと化石になったのか。砂の塊がドカンと落ちてそのまま化石化したのかもしれない。

    • +5
  12. 地「かく変」動に巻き込まれたんだろうな。

    • 評価
  13. 確変大当たりか・・・!?
    地変(地殻変動)大当たりの可能性の方が確率が高そう。
    一瞬で埋まったのが一瞬で命を奪って化石になる。
    ぐらいの状況が一瞬で起きたのなら有り得そうな感じだけど、
    当時の魚がどのような状況で動いていて、どのように散会して、どのように集まっていた時に起きたのかも分からないと、全部の謎は解けないのか。
    化石って素敵。で、見つかった事にもスーパーラッキーってか。
    その話題から抜けたいのにちょっと無理。

    • 評価
  14. 遠目で見たらキモくないけどアップにしたらキモい

    • +1
  15. 火砕流とかだとこんなキレイな痕跡にはならないだろうし、面白いなぁ。
    何の前触れもなくいきなり真上から砂が一気に川を埋める勢いで一斉に被った…そうとしか思えないような。

    • +5
  16. 他の人も言ってるけど最古のスイミーかな?

    • 評価
  17. ある程度大きい成魚の群れなら、たまたま大量にいたのが土砂や水に流されて集まったこともあるだろうけど、
    こんだけ小さいのがこれだけ整然としてたら、
    生前そのままでなくとも群れであったのは間違いないんでないかな
    稚魚が群れるのは身を守るためだし、習性として早いうちに会得しててもおかしくない

    • +3
  18. 200匹、300匹くらいなんか通販で結構売ってるけど、方向がそろってるのが自説に都合良かったのかな?

    • -3
    1. >>27
      何かひねくれてんな~w
      群れているように見える化石なら仰るとおりごまんとあるんだけど、
      本当に群れてたのか流されてたまたま集まっただけなのか分からないもんばかりだったのよ
      それが今回は「これは群れだったと言ってもいいんじゃね?」という状態の化石が見つかっただけの話
      違ってた、あるいは捏造だと言われでもしない限り、素人は素直にスゲ~と思ってりゃいいのよ

      • +2
  19. グリーンリバーの化石は湾に近くの火山が噴火してできた層
    石灰岩地帯「グリーン・リバー層」って書いといて成り立ち不明かの文はおかしい
    火山灰が高速で流れ込んで息絶えたから群棲化石として残ってる
    今も展示してるか分からんが国立科学博物館にもGosiutichthysの大きなプレートがあった

    • +1
  20. 急速に干上がって水溜まりになったところで
    土砂で埋もれたのかもしれない

    • +1
  21. 小さな小川で水流が徐々に無くなって干上がったのでしょう。魚は流れの方向を向いて泳ぐから

    • +2
  22. よーし孵化したぞー!
    でも大変だ!水が少ないぞ!
    「みんなー!あっちに水たまりがあるぞ」
    よーし急げー!
    いそげー
    いそ・・・
    びち・・・びち

    • +3
  23. これまでのカラパイア化石記事最大のミステリー。。

    • +3
  24. クラゲや糞の化石もあるわけだし、化石化のプロセス自体を考え直した方がいいかもしれないね
    案外トンデモ理論が正鵠を射てる…かも?

    • 評価
  25. 化石と見せかけて、古代に来た未来人の立体写真かもしれない

    • 評価
  26. 干潮満潮の差で閉じ込められて二度と出られずそのまま生活してたとか

    • 評価
  27. 向きが揃ってるのは干上がる寸前の水溜まりに右側から左側に僅かに水が流れている状態だから魚は流れに向かっている。普通に泳いでいて凍ったとか土砂とかじゃ無くて干上がる寸前の水の流れが答え。

    • +3
  28. 近くの地層から同じ方向に逃げている化石が見つからないかなー

    • 評価
  29. この化石もそうだけど「どうしてこの状態で?」というのはあるなあ
    モンゴルで見つかった闘争化石も不思議

    • +3
  30. めーだーかーのがっこうはー
    いわのーなかー

    • +1
  31. こんな躍動感あふれる化石初めて見た

    • +3
  32. 水が干上がったとしても、最後は水のない状態でもがいて体の向きバラバラになるだろうに、なんで一方向をみんなで向いてるのかな
    一瞬で干上がるような何かが起こったのかな?
    パッと見は群れで泳いでて化石化したに違いないと思ったけど、考えると簡単にはそう言い切れない

    • +4
  33. 同じ向きの状態で動きが止まるなんて何だろうな
    一瞬のうちに有毒物質で絶命して砂にでも覆われたような偶然かな

    • +1
    1. ※53
      小魚を丸ごと、もしくわ魚の目食った事ないかな、硬いのが口に残る
      それが水晶体、人間目と違って魚の水晶体は球に近くて意外と大きい
      化石として残るに十分な硬さなので硬骨同様残る事がある

      ちなみに化石で綺麗に残ってるなーと思う物の中には
      着色や描いてる物もあります

      • +5
  34. 雨季や乾季の季節のある地域の川なら、今でも毎年こういう事が起きてるはず。
    化石化したのが珍しいだけでそ

    • 評価
  35. 泥が…群れのほうに流れて来ていて、群れは泥に向かっていた、とか?
    いや泥で化石になるのかすら知らないけど
    危険を感知する間がなく身動きがとれなくなったんだろうけど…
    まあ泥くらいじゃまだ動けるか

    • 評価
  36. 彼らは「よーし群れのまま化石になるぞー」と意思統一してたんだろう

    • 評価
  37. 魚ってのは4億年前にはすでに今とあまり変わらない姿形だったから、5000万年どころかそれより前から群れていたのでは?

    • 評価
  38. 自分も川や池が干上がってと思ったけど
    それだと平面なっていないとおかしいよね
    埋もれる過程で横向きになる可能性もあるから
    化石の奥行きを調べなくては解らんのだけれども
    上下逆様の個体の多さからもそのせんかねぇ

    • 評価

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