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なぜ?アメリカ各地の海岸で次々に打ち上げられる大量のコククジラの死骸。ミステリアスな死の原因は?

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(著) (編集)

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Christhilf/iStock
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 その体長は12~14メートル。かつては北半球全域に生息していたコククジラはかつて絶滅が危惧されたが、世界的な保護活動により個体数は回復を見せているという。

 ところがだ。アメリカ各地の海岸では、謎の死を遂げたコククジラが次々と打ち上げられているという。一体何が原因なのか?

アメリカの海岸で次々に発見されるクジラの死骸

 動物病理学者のキャシー・ブレク氏は、アラスカ州アンカレッジの浜辺に打ち上げられたコククジラの死骸を切り開きその標本を回収した。すると、2日後にまた別のクジラが上がった。

 コククジラの解体作業は困難が伴う。寒さに耐えるために蓄えられた15センチという分厚い脂肪を切るには鋭いナイフが必要だ。

 「時間が足りません。それがここの問題です」と脂肪を引っ張り出すのに苦闘しながらブレク氏は答えた。

Dead Gray Whale Washes Up on Shore in Alaska

 先週水曜日には3頭目がアラスカ州コディアック島に上がったと発表があった。

 だが、アメリカ海洋大気庁(アメリカ海洋大気庁)によれば、その3頭は今年に入って西海岸に打ち上げられた60頭のクジラの一部に過ぎない。

 しかもアラスカ以外では、カリフォルニア州で37頭、オレゴン州とワシントン州を合わせて61頭のクジラの死骸が発見されている。

 専門家はアラスカでのクジラの死骸はさらに増える見込みが高いと考えている。というのも、毎年春になると、コククジラはメキシコから北極の餌場まで8000キロを移動するからだ。

 「今後さらに多くのコククジラの死骸が上がる前触れでしょう」と生物学者のジョン・カランボキディス氏は話す。

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Holly Gallagher/iStock

クジラの死因は餓死か?環境収容力か?

 ブレク氏はNOAAの依頼で、アンカレッジ以外の場所でも死骸の標本を集めている。およそ2週間前は、ターナゲイン・アーム水路に浮かぶコククジラの死骸を調べた。

 彼女によれば、そのクジラは痩せた印象だったそうだ。

 専門家の目には、多くのコククジラは餓死したように見えるという。だが、その原因ははっきりしない。

 NOAAの推定では、北太平洋東部にはおよそ2万7000頭のコククジラがいるという。じつは1999~2000年にも似たような死亡数の急増が見られ、そこから今の個体数まで回復したのだ。

 そして、もしかしたらこの現象の原因は単純に「環境収容力」――つまりクジラの生息域が維持できる個体数の上限に達してしまったからではないかという意見もある。

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rainngirl/iStock

気候変動の影響も?

 だが近年における北極圏での温暖化と、それによる氷の融解がクジラの餌に影響を与えている可能性も疑われている。

 「温暖化との関係はあるのか? これがほかの種にも影響を及ぼすような別の要因と関係してはいないか? こうしたことを真剣に考えるべきです」とカランボキディス氏は言う。

 毎年春と秋になると、コククジラは餌を求めて哺乳類の回遊ルートとしては最長の距離を移動し、冬はメキシコ、夏は北極圏のチュクチ海やベーリング海で過ごす。

 餌となるのはアンフィポッドという小さなエビのような生物で、それらを海底から吸い上げては、クジラひげで泥や海水を濾しながら食べる。

 北極では、世界のほかの地域の2倍もの速さで温暖化が進んでいる。昨年夏のベーリング海は特に暑く、例年より9度気温が高かった。また前回の冬などは、氷の量が記録史上最低となった。

クジラの死因は今もなお謎のまま

 アメリカでは、もしクジラの死骸を発見したらすぐに通報するよう呼びかけられている。死骸が腐敗してしまう前に、きちんとしたデータを集めるためだ。時間が経過したクジラでは、内臓がほとんど液化してしまい、まともな検死ができなくなってしまう。

 標本の質にあまり楽観的ではなかったブレク氏だが、クジラの状態は当初予想されていたほど悪くはなかった。

 脂肪を切り取り、腹部へ切り進むと、体内に充満していたガスが放出され、悪臭が漂い始める。これに耐えながら慎重に内臓を切り取ると、思ったよりもきちんと形が保たれていたのだ。

 クジラのミステリアスな死の原因特定につながる手がかりを得るために、これらは後で分析されることになる。

 過去、コククジラは乱獲によって絶滅しかけたことがある。しかし絶滅危惧種保護法の対象となったおかげで、個体数は回復し、1994年に保護法の対象から除外された。

References:dailymail / ktoo/ written by Scarlet / edited by parumo

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この記事へのコメント 38件

コメントを書く

  1. クジラの頭数管理は自然を管理する事でもあるよね

    • +19
  2. どうせまた潜水艦とかのソナーで死んだんでしょ

    • +21
  3. これ前にアメリカの海軍の潜水艦のソナー が
    原因じゃないか?ってCSでやってたな

    • +20
  4. 戦争反対組はソナーだって言うし 
    プラスチック絶賛廃絶派はストローだって言うし
    ほのかな破滅願望の人たちは地震の前触れだって言うし
    頑張ってくれ ブレク氏!

    • +21
  5. 冷凍技術が急激に進んで、大陸中に海産物を輸送できるようになった中国が、クジラの餌を乱獲しまくったためにクジラが餓死したんだろうな。

    • +4
    1. >>6
      コククジラが食べてるのは主に小さい海底生物だから、乱獲された魚が減ってもすぐに餓死することはないんじゃないかな。
      魚の乱獲が原因だとしたら、生態系の他の生物にもかなりの影響が出てないとおかしい。

      • +2
    2. ※6 ※26 以下の説明文があり、米26さんの言う通り。
      >餌となるのはアンフィポッドという小さなエビのような生物で、
      それらを海底から吸い上げては、クジラひげで泥や海水を濾し
      ながら食べる。

      さすがに中国の人もこれは食べないだろう。
      オキアミなら日本人も食べるけど。

      • +2
  6. 欧米が調査捕鯨にも反対するのって、ソナーによるダメージを隠す(ひいては潜水艦の活動状況を秘匿する)ためなのではなかろうかと思ってしまった……
    陰謀論はイカンな。

    • +4
    1. ※7
      日本のが批判されていたのは主に南氷洋の調査捕鯨です
      これはアラスカの話
      それに調査捕鯨自体は批判されていません
      日本の調査捕鯨が実質商業捕鯨であるから批判されていました
      国際司法裁判所でも商業捕鯨だと判決が出た事もあります
      その後に枠を小さくして調査を進めましたがデータがあまりに不適当で批判されていました

      • -52
      1. >>21
        ・調査捕鯨自体は批判されていません
        →誤りです。反捕鯨国家および団体は調査捕鯨自体もやめるべきだと主張しています。

        ・日本の調査捕鯨が実質商業捕鯨である
        →誤りです。調査捕鯨に必要なデータを取るための頭数以上を捕獲することはありません。調査のため捕獲した鯨については、可能な限り有効利用し無駄に廃棄しないよう、国際条約で定められているため、調査後に鯨肉などを売却することをもって商業捕鯨であると批判するのは間違っています。

        ・その後に枠を小さくして調査を進めましたがデータがあまりに不適当で批判されていました
        →サンプル数を減らせばデータ不備が出るのは当然です。

        • +15
        1. ※28
          南氷洋における日本の調査捕鯨を批判してる国は多いですが
          調査捕鯨自体を批判してるのは一部の過激な動物保護団体だけですよ
          調査捕鯨どころか沿岸での商業捕鯨をしてる国ありますがIWCも認めていますし、国際的に大きく批判されてません
          日本の調査捕鯨はあまりに杜撰で資源管理に関する科学的貢献度が低く
          実質商業捕鯨だと国際司法裁判所に判断されています

          • -7
  7. 若し餓死だったとしても続報がニュースに成るか判らんよな
    食糧難による餓死なら増え過ぎてる可能性上がるし、そしたら捕鯨の必要性出て来るしねー

    • +14
  8. ソナー説は、ちょっとググれば戦争反対だからとか関係無しに大量に長年に渡る研究や裁判も出てくるな。
    異常死の死因の中でもそれが一番多そうだ。
    裁判の一つでは、公益性が優るとして海軍が勝ってたり大統領が強権発動したり。
    日本に多大な迷惑行為働いた某団体は何故か米海軍に特攻しないね。何故かなー

    • +22
  9. ソナーでしょ。
    今度こそ全米に改めてビッグニュースになるといい。

    • +3
  10. これについてはまだ原因がわからんけど、保護をして完全に捕ることをやめてしまうと今度は増えすぎたときどうしようもなくなるね。
    捕鯨船もゼロからだし捕鯨の技術を持った人間もゼロから育てないといけない。
    世論の理解を得るのも一筋縄ではいかないし肉の流通なんてまず無理。
    ただ殺して死体を処理するだけの作業に多大な税金を投入するしかない。

    • +20
    1. ※11
      捕鯨船はありますよ
      商業捕鯨モラトリアムに参加していない国もあるし
      IWCに参加せず捕鯨をしている国もある
      それと先住民生存捕鯨はIWCでも認めています

      • +5
      1. ※25
        いや…※11氏は今捕鯨船がないって言ってるわけじゃなくて、「仮に今捕鯨を全面的にやめたとしたら」その後それを復活させるのは大変という話をしてるんじゃないの

        • -12
  11. シャチじゃね?
    あいつらが追い回して打ち上げたとか逃げ惑って死んだとか

    • +15
  12.  気象兵器ハ~プが発動してる可能性も否めないワニね

    • -70
  13. 迷子になったんじゃないの?
    人間だってなるんだし

    • +10
  14. アメリカの事だから秘密裏に海で核実験でもしてんじゃないの?

    • +12
  15. ビニール袋とか食っちゃったとかかと思ったら謎なのね

    • +3
  16. 簡単なこと、数が増えすぎてエサが足りないんだよ。ある程度の数を獲って食べることでバランスが保たれていたものを保護の名のもと、ほとんど獲らなくなった結果だよ。反対にイワシやオキアミは減っているだろうよ。

    • +1
  17. 調査捕鯨を禁じているから健康体なクジラのサンプル自体が無いのでは

    • 評価
    1. ※23
      コククジラはそもそも調査捕鯨の対象じゃないでしょ

      • -2
      1. ※34
        禁じられてるから対象で無い
        対象だったら行われてるでしょ

        それぐらい判ろうね

        • -1
  18. 海水温の上昇と餌の現象も有るかもね、ミンクも爆発的に増えたしパイの奪い合いかも
    鯨の大量打ち上げって言ったらアメリカ原潜のソナーが過去にもあったよね、カラパイアでも記事になってたけど今回もその可能性あるよね

    • +3
  19. マスストランディングとかいうやつ
    じゃないのかな
    理由は不明だが、鯨は浅瀬に乗り上げて
    自力脱出出来なくなる行動を大勢で
    行う事があるらしい

    • 評価
  20. 軍用のキッツいソナー波でしょ
    漁には噛みついてくるくせにこれには徹底的にだんまりだから

    • +1
  21. 潜水艦のアクティブソナーが原因にきまってるやろ

    • 評価
  22. イエローストーンが噴火するんじゃね?

    • 評価
  23. 繁殖し過ぎて餌の取り合いになったから

    • 評価
  24. あと数百年かけて陸棲化するんだろう
    その前触れだね

    • 評価
  25. 神奈川県の沿岸でもよく打ち上げられてる

    • 評価

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