メインコンテンツにスキップ

死者との会話を実現するため。スウェーデンの葬儀屋が人工知能を搭載したボットプログラムを開発中

記事の本文にスキップ

39件のコメントを見る

(著) (編集)

公開:

この画像を大きなサイズで見る
Advertisement

 スウェーデンの葬儀屋が、亡くなった家族との会話を実現し、悲しみを癒すというプロジェクトのためにボランティアを募集している。

 彼らが作ろうとしているのは、亡くなった人間の意識を完全にコピーしたロボットの類ではない。「フェニックス(Fenix)」社が開発しようとしているのは、遺族の悲しみを癒す人工知能を搭載したボットプログラムである。

高性能AIプログラムがきっかけで死者との会話をチャットで実現

 スウェーデンの新聞の取材を受けたシャーロット・ルーニウス(Charlotte Runius)CEOは、プロジェクトの発端になったのは、同社への問い合わせをオンラインで回答する比較的シンプルなAIプログラムであると話している。

 それはボットであるが、それとチャットを交わした人がプログラムであるのか人間なのかすぐには判断できないほどの性能を誇っている。

 これにヒントを得て、同じ技術を用いれば、愛する人との別れで悲しむ家族に故人とチャットしてもらい、悲しみを癒すことができるのではないかと考えた。

この画像を大きなサイズで見る

すでに死者のチャットボットを開発したという前例も

 「SFのようにも聞こえますが、その技術はすでに存在します」とルーニウスCEOは話す。そして、それは本当のことだ。

 交通事故で亡くなった親友と会話するために、ロシアのプログラマー、ユーゲニア・クイダ(Eugenia Kuyda)さんがフェニックス社の構想に似たチャットボットを開発したという前例があるのである。

●急死してしまった親友をどうしても忘れることができない。そこでプログラマーは親友を人工知能ボットで蘇らせた(ロシア) : カラパイア

 クイダさんのように、フェニックス社の計画でも、故人の情報をデータベースにアップロードして、人工知能に本人のような振る舞いをさせるよう意図している。

 情報次第では、故人がまだ生きているかのように、天気や趣味といったさまざまな会話を交わすことができる。

この画像を大きなサイズで見る

故人に関する情報を保管するチャットボット

 しかしルーニウスCEOが指摘するように、チャットボットに意識はない。この点において、幾つものメディアが誤解させるような印象を与えた。

 ボットが新しいことを学習することはなく、すべて遺族から提供される情報に依存している。例えば、近日公開される映画について訊くことはできない。

 基本的にチャットボットは故人に関する情報を保管する新しい方法である。かつて、残された側は写真やビデオを見て個人を偲ぶしかなかった。だが今日なら、テクノロジーによってもっと進んだ思い出を残すことができる。

この画像を大きなサイズで見る

 チャットボットが人の感情にどのように作用するのか、今のところ不明だ。ルーニウスCEOはスウェーデンの教会とこの問題について話し合おうと考えているそうだ。

 人によっては、チャットボットによって慰められるどころか、一層寂しさを募らせる結果になる可能性だって考えられる。

ボイスモードを実現するためにボランティア募集中

 現時点で、フェリックス社のチャットボットは文字による会話しかできない。

 だが今ボランティアを募集しているのは、音声データのサンプルを集めて、ボイスモードを実現するためだ。また将来的には視覚面でも強化される。遺族たちの体験はどんどんとパワフルなものになるそうだ。

References:rt / odditycentral/ written by hiroching / edited by parumo

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 39件

コメントを書く

  1. コピーしても結局は代用品でしかない事を認識したら、ただ虚しいだけなのにつくづく人間は悲しい生き物なのかもしれないな。

    • +11
  2. ハイどーもー バーチャルイタコのアノヨコノヨです

    • +1
  3. 先日祖父が他界したからこそ思うがこんなのやっても余計虚しいだけだし決して報われるものではないぞ
    こんなのは所詮プログラムされたbotであって「本人」じゃないしな
    本人との会話は亡くなられる前、互いに悔いが残らないようにしっかりと済ませておくべき

    • +6
  4. 妙なBGMと共に「お気の毒ですが〇さんのAIは消えてしまいました」とか
    表示されたら、故人が亡くなった時より凶悪なショック受けるんじゃねコレ

    • +4
  5. 技術そのものは悪くないと思うけど、これを新たなAIとして
    生かすのはなんか人としてやっちゃいけない領域だと思う
    別人格で作るならまだいいのだけどね

    • +1
  6. 死者との会話などできない
    単にコンピュータとの会話に過ぎない

    • +8
  7. ゼンデギや順列都市を思い出す・・・。

    • 評価
  8. こういうの見る度思うが、本当に「悲しみを癒している」のかねぇ。
    俺にはただ心の傷口を生々しいまま化膿させているようにしか見えんのだが・・・。
    喪失は喪失として、いずれ乗り越えなければいけないものなのに、これじゃ足止め喰らわせるだけじゃないかな。
    もちろん一時的な深い絶望を和らげるくらいの効果はあるとは思うが・・・少なくとも俺は、そのために「二度目の絶望」を経験したくはないな。

    • +8
  9. そのうち、教会の牧師もAIになるんじゃないかと思った。

    • +2
  10. AIが扱うのが「再生」だけに制限されてるうちは、今も葬祭・メモリアル業で提供しているような “故人の写真や動画をいったんお預かりしてデジタルフォトフレームに集めてお入れいたしますよ” ってのとさして変わらないんだよね。必要な時期にはとても有用。

    記憶は自分に甘いからどんどん嘘をついていくしわざと間違えて作り変えてもいく。記憶の中の故人は自分に都合のよい別人になっていく。言っていないことが記憶になる。異物は自分の中に置いておけないからね。馴染みやすいように変えちゃう。修正する存在があるのはちょっといいかな。

    • +1
  11. デジタルゴーストって単語が思い浮かんだわ

    結局は死ぬまでの情報を蓄積させてるだけだし、それ以上は変化しようがないのよねこれ

    • 評価
  12. ネウロのハル教授が死者をAIで復元させようとしていた話と、映画の「アイ ロボット」に出てきたダイイング・メッセージの機械思い出した

    • -1
  13. 現実にやったら「第七女子会彷徨」の
    デジタル天国みたいなホンワカ優しい感じにはならないんだ。

    ボイスモードが完成する
    プロジェクションやホログラムで故人の姿を投影
    見かけ上生者と変わらないコミュニケーションを実現
    宗教・哲学・政治多方面で議論が起こる
    一部の国が故人AIに人権を認める
    激論ヒートアップ
    最終戦争勃発、人類滅亡。
    また心配事が増えてしまった…

    • 評価
  14. というかそもそも提供された情報幾ら元にしたってそんな設定されたbotで完全に本人の再現なんか不可能だぞ
    よく理解してるつもりで癖や口癖や毎日何してたこういう思考してたはずだとかから元にしても
    それは結局記憶を元に似せて作った理想の他人であって絶対に本人にはならんのだもの
    そんなのに縋って悲しみを慰めるなんてもう悲劇ですよそれ

    • +3
  15. 死後プログラム化していわゆる幽霊として普通に生活させるっていう漫画を読んだことあるけど
    このボットの場合は本人の意識とかそういうのとは別っぽくて不気味で怖いな

    • +2
  16. AI「あぁ、こっちはとてもいいところだよ、皆やさしい人たちばかりだから安心しておくれ。」

    • 評価
  17. Netflixで配信中のブラックミラーにこんな話あったな。

    • 評価
  18. AI化のために人格を予め最適化しておけば、遺族に違和感を与えずスムーズに移行できるのではないだろうか。

    • 評価
  19. ここで人工無能とか呼んだらインターネット老人扱いですかね?

    • 評価
  20. 大切な人の死は、残された人にとっては
    受け入れがたいもの。

    でも、その死っていう事実を
    必ずいつかは受け入れる時期が来て、
    その時に人って成長するんだと思ってる。
    どんな人でも。

    写真や動画や持ち物が残っていても
    故人が生きていた証っていう
    認識に変わっていく。

    これはそういう証になるのかな。
    いつまでも受け入れられない辛いキモチを
    長引かせるだけのものじゃないかな。

    って思います。

    • 評価
  21. これ大事な人の死を何時まで経っても受け入れられずに前向く事が出来なくなる最悪のサービスじゃないの?
    こう言う話聞くと適度な宗教観はあった方が平和だなと感じる
    死についてだけは特に

    • +1
  22. イタコのコメントもあったけど、坊さんとか神父とかもみんなそうだよね。 つーか、AI に取って替わられる職業がイタコというか諸国の口寄せとか降霊とか召喚師の人たちってこと?

    • 評価
  23. 柴田勝家の小説『ニルヤの島』にそんな技術が出てきたなぁ

    • +1
  24. 一時 故人となったアーチストとディエットするのが流行ったことがある ナタリーコールとナット・キング・コールとかね 
    その中でシャルル・アズナブールがエディット・ピアフのホログラムと 「Plus bleu que tes yeux 」をディエットしたものがある。何十年も前に亡くなった恋人と幽霊でいいからもう一度一緒に歌いたいという望みがテクノロジーでかなった感があってちょっとウルットとした。youtubeで観られるから検索すれば出てくる。

    • 評価
  25. これは逆に悲しみを長引かせるか、深めるかのどちらかになってしまうんじゃないだろうか

    • +1
  26. 「最後のお別れ」ができなかった人たちのためなら良い影響を与えるような気がする
    逆にこれがずるずると死を引きずる目的で使われるのは不味そう

    • 評価
  27. これ、死者ならまだ
    「そんなの私じゃない」と反論する本人はいないけど、
    失踪者→のちに帰還、だとどうなるか見モノだな。
    長年AIと喋り続けていると、本物のほうを
    「こんなの私の知ってる○○じゃない」と拒否しそう。
    戦死通知から復員した夫や息子って昔ちょくちょく居たけど。

    • +4
  28. ダンガンロンパのアニメでもAIの情報で死者がどんな風な気持ちで喋るか分析して、登場人物を立ち直らせたシーンが有ったな。

    • +1
  29. 人が人形を見出した過程と似てる気がする。

    • +4
  30. ド迷惑なモンスタージジババが、あの世からアレコレ全く役に立たん口出ししてくる確実なので要らん!

    • 評価
  31. じゃあ生前に記録映像を撮ろう
    AIによって問われるであろう質問を予め答えるという
    AIが担うのは送る側なんだよ

    • 評価

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

サイエンス&テクノロジー

サイエンス&テクノロジーについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

知る

知るについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。