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メキシコの犯罪組織、ロス・セタスに関する10の不穏な事実

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(著) (編集)

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  ロス・セタスはメキシコの麻薬カルテルで、高度な犯罪の手口と暴力性で知られている。懸念されているのは、これまで犯した非道な行いだけでなく、将来的にその勢力を拡大すると予測されていることだ。

 以下で説明することは、この麻薬カルテルの速やかな打倒が望めないことを示す現実である。

10. 元軍人が結成

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 軍隊とは、外国の侵略から国土を防衛し、国民を守ることを使命とするものだ。ロス・セタスは国民を守るべき存在が悪に堕ちた集団である。

 結成したのはメキシコ人の元軍人で、メキシコの犯罪組織ガルフ・カルテルの傭兵部隊として特殊部隊の兵士を集めたことが起源だ。

 オシエル・カルデナス・ギリェンがガルフ・カルテルのリーダーとなったとき、カルテルは縄張り争いを繰り広げていた。身の危険を感じた彼は自身のボディガードとして退役したメキシコ兵30名を高給で雇い入れた。

 しかしこの部隊はやがて麻薬カルテルとして独立。それが現在ロス・セタスとして知られるグループである。

9. 結成者は米軍によって鍛えられた

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 ロス・セタスの初期メンバーのうち数名は、1990年代初頭にアメリカ陸軍第7特殊部隊グループの訓練を受けている。

 その内容は、地図の読み方、通信、基本的な特殊部隊の訓練のほか、軽・重火器や機関銃等の取扱いなどである。皮肉なことに、この訓練は内乱の鎮圧や対麻薬作戦を想定したものであった。しかし彼らはその想定された敵であるはずの麻薬カルテルを組織した。

8. メキシコ最大の麻薬カルテル

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 その活動範囲の大きさの点でロス・セタスはメキシコ最大の麻薬カルテルだ。現在同国32州のうち半分で活動しており、2011年末までに活動範囲の点でそれまでメキシコ最大だったシナロア・カルテルを上回った。

 これが意味することは、アメリカで蔓延する麻薬汚染についてロス・セタスが深く関与しており、米国民最大の頭痛の種であるということだ。

7. アメリカでメンバーを募集

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 ロス・セタスは、アメリカの刑務所に収監されている囚人や通りにたむろするギャングに麻薬の売人になるよう話を持ちかけている。またアメリカのギャング団との提携も進めている。こうしたやり方は従来の犯罪組織のやり方とは違うものだ。

 このやり方のために、米政府が国内でどのような麻薬密売ネットワークを断ち切る対策を取ったとしても、その効果は薄い。ロス・セタスに関与するアメリカ人が存在することが、同グループに対する勝利を極めて困難なものにしている。

6. 政治家を買収

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 犯罪組織に対抗すべき為政者がその言いなりになってしまえば、麻薬戦争に勝つことはできない。2011年以降、政治家と麻薬カルテルとのスキャンダルがいくつも暴露されてきた。こうした汚職事件はロス・セタスをはじめとする麻薬カルテルの政治に対する関心を窺わせる。

 しかも政治家の側までもが犯罪組織に関心を抱いている。元タマウリパス州知事のトマス・ジャリントンは麻薬取引ならびに資金洗浄に関与した容疑でいくつもの訴訟を抱えている。

 訴状によれば、ジャリントンはガルフやロス・セタスから賄賂を受け取り、見返りとしてタマウリパス州での犯罪行為を見逃していたという。また政治家のウンベルト・モレイラもフェリペ・カルデロン元大統領からロス・セタスを保護したと非難されている。

5. 海外で麻薬を栽培

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 ロス・セタスはコカイン、ヘロイン、メタンフェタミン、エクスタシー、大麻などの各種違法薬物を取り扱っている。

 従来彼らのような麻薬カルテルは役人を買収しやすかったり、犯罪への対応能力が低いメキシコ国内や他の後進国で麻薬を栽培するのが普通であった。

 しかし最近ではアメリカのような先進国での栽培も進められており、例えば2015年にはテキサス州で市場価格2億円ほどのロス・セタスが関与する大麻畑が発見された。

 またロス・セタスはアルゼンチンで物資を購入し、マレーシアをはじめとするアジア諸国で売り捌いていたりもする。

 彼らは現在コロンビアやグアテマラなど、世界47ヶ国で活動している。コロンビアやグアテマラはこれまでも麻薬問題で知られていたためそれほど意外性はないが、アメリカ国内に生産拠点があったことは驚きである。

4. 麻薬密売以外の犯罪行為

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 ロス・セタスは楽に儲かるならば何にでも手を出す。例えば身代金目的の誘拐だ。2017年8月、ロス・セタスはヌエボ・ラレドで17人を誘拐・監禁した。幸いにも彼らは匿名のタレコミのおかげでどうにか救出されている。

 またアメリカへの麻薬密売ルートは、移民の密入国を手引きするためにも利用されている。ここでは非道な暴力行為も行われており、しばしば密入国を希望する貧しい移民を誘拐しては、彼らの仕事を請け負わせたり、家族に身代金を請求したりする。その支払いを拒めば、殺されて死体置き場に捨てられる羽目になる。

3. 史上最も暴虐な麻薬カルテル

 麻薬カルテルにとって暴力と非人道性は当たり前のことだが、ロス・セタスのそれは群を抜いている。

 有名な事件として2010年8月の大量殺人事件がある。彼らは72人の移民を誘拐したが、身代金の支払いを拒んだ、あるいは鉄砲玉になることを拒んだとしてノースイースタンメキシコの牧場で人質を殺害した。

 その残虐性は、リーダーであるミゲル・トレビーニョ・モラレスの指示によるものだ。彼自身は自ら2,000人以上の人を殺害し、さらに数千人以上の殺人を命令したと言われている人物である。

 彼のお気に入りの殺し方は、オイルの樽に犠牲者を入れて火をつける方法だ。また誘拐した移民に決闘を強制することもある。ロス・セタスの新入りはナタやハンマーで殺人を犯すよう命令されることもあり、それを直接見届けることもあるという。

2. 警察の支援

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 彼らは警察ともつながりがある。2010年8月に起きた72名の誘拐殺人事件後に行われた捜査では、警察官の中に彼らの犯罪を手助けした者がいたことが明らかとなった。地元警察がバスに乗っていた移民を検挙して、ロス・セタスに引き渡したのである。

 また警察は監視役も引き受けたうえで、ロス・セタスの犯罪を見て見ぬ振りをしていた。この警察官たちは2011年サンフェルナンドで起きた193名の殺人事件や2012年ヌエボ・レオン州での49名の殺人事件にも関与しているとみられている。

1. 難攻不落の通信技術

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 メキシコ軍は何年もかけてロス・セタスの無線通信ネットワークを破壊しようとしているが、これまでのところ成果は上がっていない。

 軍の対策が功を奏さない理由は2つある。1つは、簡単に通信施設を置き換えることができること。2つ目は、ロス・セタスが無給の強制労働者を使役して、通信施設の建設管理を行なっていることである。その技術はメキシコ法執行機関のものを上回るほどである。

via:Top 10 Disturbing Facts About Los Zetas/ written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 58件

コメントを書く

  1. こういう犯罪組織から逃れる為に、メキシコからブラジルやアメリカへ10代の少年少女達が逃れていくんだよね。女の子は性産業の為に攫われて、しかもたびたび死体で発見されている。旅の途中のある男の子は家族から「このままでは銃で人を殺すか殺される側になる。でもここを出ればそういうことはない」と言われて家を出た。地域で暮らしているだけで、犯罪の片棒をいつの間にか担ぐ格好になってしまう。協力しないと家族を撃つ、と言われてそれが脅しではなかったりする。本当にどうにかしないと

    • +36
  2. 国内にもう一つ政府があるかのような状況だな

    • +12
  3. ゴルゴ13とシュワ(コマンドー仕様)、セガール
    後はミスリルやらマクロス艦1000基ほどあれば
    1時間もせずに終了するが非現実キャラ
    現実的には核の雨あられと悪の総統であるアメリカを
    つぶすしか無そうだがこれもあり得ん
    クスリなんて頼らない世界にして、こいつらの商売の元を
    絶ちきりしか方法はないだろうな

    • -27
    1. ※6
      北九州に行かないと言ってるのと同じ。
      メキシコは国境沿いが一番危ない。
      日本でも歌舞伎町は危ないでしょ?
      そこに近づかなければ数パーセントまで危険度を下げることができる。
      自分はメキシコに5年住んでいたが(カンクン)、日本よりは危ないが
      国境沿いやカルテルのいる地域に行かなければ大丈夫だった。
      もしカルテルの地域に知らずに入っても、普通にしていれば大丈夫。
      ニコニコしている人たちはカルテルの一員だが、麻薬関連の事を話さなければ大丈夫。
      メキシコは日本と違って広いんだよ。

      • -1
    1. ※10
      ここまでの組織が撃ち落とす準備をしてないとは思えないな…

      • +6
  4. 先進国で個人の武装が著しく制限されるのってこういうことなんだろうな
    組織化すれば必ず(違法の)ビジネスにも手を伸ばすし、育ってからでは周辺の被害を顧みずに武力衝突する以外に根絶する方法がなくなるのか

    • +16
  5. ゲームのゴ-ストリコンワイルドランズに出てくる麻薬組織が脚色が強めと思ってたら
    現実に近いのがあったんだな

    • +4
  6. いっそのこと、スイスみたいに無料で配る仕組みでも作り上げたら良いのに。
    (ヘロイン計画で調べると分かる。患者を立ち直させる仕組みとしても、
    一定の成果を上げている。)

    どうやっても撲滅できない「産業」なんだから、
    そもそも無効に金が行かないように、国ぐるみで兵糧攻めすべき。

    • +6
  7.  おそらく北朝鮮の組織力と同じで、高度なIT技術と情報化で強力な内部統制によるブラックボックス化を実現できているのだろう。それが組織壊滅を困難にしている。
     今後国力が衰退していく日本も違法薬物をはじめとした犯罪組織からの暴力の輸入が徐々に浸透していく危険性がある。グローバル化を指向するなら、犯罪や、それに対する危機管理もグローバル化していかないとね。

    • +9
    1. ※19
      自分達を縛る戒めのルールが一切無いですからね
      やりたい放題出来るから怖い
      けれどこうした戒めのルールは組織を維持する為に必要なものだから
      この組織もそのうち内部から崩壊するでしょうね

      • +2
  8. この手の組織のヤバさは「大義名分」がないことなだよね。
    日本のヤクザ(任侠道による互助組織)もイタリアのマフィア(抑圧されたコミュニティの生活共同体)も「大義名分」はある。
    細分化されたチャイニーズマフィア(民族の自立)もそう。
    もちろん、有名無実化された組織もあるけどね。

    ロス・セタスは、もう最初から犯罪組織。
    他にもヤバイ組織も多々あるけど、軍事訓練を受けて軍事組織として生まれた犯罪組織ってのが最悪。
    制圧された集落の人々は搾取する物でしかない。
    組織の手足となって殺す側になるか、殺される側になるか…

    異教徒の殲滅と文化の破壊が目的のIS(自称イスラム国)と変わらないよ。

    • +34
    1. ※21
      アレも共和国防衛隊(イラクの正規軍)の兵士が中心だし似たようなものだな

      • +2
  9. ジャック・バウアーが100人くらいいないと手がつけられない

    • 評価
  10. セタスは武装車両どころか武装ヘリや潜水艇まで持ってるから軍隊じゃなきゃ対処不可能という

    • +9
  11. liveleak観てみろ
    ブラジルとかメキシコとかのギャングの映像が山ほどあるから
    勉強になるぞ

    • -4
  12. 警察や役人の汚職が目立つが、単に行政が腐っているというだけではない。実際に賄賂を拒んだ警官や役人が家族ごと惨殺されたりしていて、拒絶できないという現実もある

    • +34
  13. 麻薬をやる人への偏見を強化するしかないよね。意識を変えていかないと。金にならなきゃやらなくなるんだし。麻薬が効かなくなる薬とかワクチンとか使用すればすぐ死んでしまうように遺伝子操作するとか。一番いいのは強烈な差別化だと思うよ

    • -14
  14. そういやコロンビアの麻薬カルテルは壊滅したな アメリカ軍もデルタまで動員するという徹底っぷりだったし

    • +5
  15. 世界で3番目にリッチで、すごく魅力的な市場であるはずの日本がまだ(少なくとも一般人の耳に入るレベルでは)被害にあわずに済んでるのって、やっぱり移民を制限してるからだよね

    国民の殆どが日本人だから目立つ外国人は違法薬物を捌きにくいし、海で隔てられてる上に監視が厳しいから人員の補充も物資の輸送も容易じゃない

    • +24
  16. こおゆうのを、知っていく度
    どうにかならないのかなとか、本当に悲し過ぎます

    • -2
    1. ※31
      だって内政干渉って言われたら嫌だし?
      せや、国境に壁作ったろ
      古代中国もやってるやでー

      ってトランプが言ってそう

      • +1
    1. ※32
      世界の警察みたいな顔をしてるけど裏で手を引いてるのはアメ・・・

      • 評価
  17. 割とガチでこういう組織と戦う事が出来るのはプーチンさんくらいしか思い浮かばない。
    いくら軍事力で最強の米軍と言っても、こういう状況を把握しながら動かないなら、ゴミだもん。

    • -6
    1. ※33
      なんで他国の軍隊が隣の国とは言え、犯罪組織と戦わなければいけないの?

      え?何? 米軍は君の頭のなかでは「どんな悪い奴らもやっつけてくれるスーパーマン」なの?

      • +2
  18. サラダボウルひっくり返しちゃったら悪者扱いされた
    &うー おなかが痛い

    • -7
  19. 武器で一掃できるような存在ではないでしょうこういう組織は

    • +4
  20. 核だの何だの武器でこういう組織を一掃するってことは、こういう組織が存在しうる地域全部(8によれば2011年時点でさえ全32州のうち半分)を、爆撃するなり何なりして、そこに住むこういう組織によって苦しめられている無垢な一般市民もろとも殲滅するってことだからな
    現代のまともな国にできる手法じゃない

    • +2
    1. ※41
      蚊帳の外だから好き放題非人道的な発言が言えるって承知の上で言う
      犠牲を最小限にする必要が有ると思うよ。

      • -1
  21. セタスだったかな?昔みたやつでチェーンソーで生きたまま首から切られてたな。

    • +1
  22. こいつらが取り扱ってる麻薬を消費してるのは主に米国人だからメキシコ政府にはどうにもできないよ

    • +5
  23. 10年くらい前の英国の戦略シンクタンクの予測で、グローバル化によって国民国家は等しく衰退し、超大企業と犯罪組織が金と暴力で人類を支配する中世に逆戻りと大胆なことを書いてたが、ISとかこいつら見てるとあながち外れでもなくなってきた

    • +5
  24. 麻薬の需要が問題だな。
    それだけ麻薬を欲しがる人がいる、という現実が。

    • +2
  25. アメリカが駆除するしか方法はない。

    メキシコ麻薬に流れてる金止められる。

    • +1
  26. どんなにやりたい放題でもメキシコは死刑廃止してるからね。

    • 評価
  27. こんなフィクションみたいな悪の組織が実在するなんてなぁ
    事実は小説より奇なり

    • 評価
  28. メキシコ軍を通じてアメリカ軍の軍事教育を受けて、退役後に麻薬組織に入るのがメキシコのエリート街道って聞いたな。
    そうじゃないと、どんなに努力しても貧困から絶対に抜け出せないらしい。
    学生時代に勉強だけやっとけばほぼ確実に貧困から抜け出せる日本では考えられない話だ。

    • +1
  29. 国をあげての犯罪組織だからなぁ、それこそ他国が戦争仕掛けて勝くらいじゃないと潰せない。
    でも半島もそうだが例え戦争仕掛けて勝ってもこんないい加減な民族統治したくないよなぁ

    • +1
  30. 何度もメキシコには行ってるんだが、普通に過ごすだけなら何も怖くない
    ギャング化は単なる貧困が原因で、それは他国と変わらない
    アメリカという巨大市場が目前にあることを除けばね

    • 評価
  31. 犬の力とその続編のカルテルおすすめ
    フィクションだけど実在するカルテルの成り立ちと変遷がベースだからすぐわかる
    これも元軍人のセータ隊のカルテル、圧倒的な金と暴力、麻薬依存に正義は無力ってこと
    もわかる
    麻薬をアメリカ人が買わなければここまで大きくなっていないからね

    • +3
  32. ワイルドランズのサンタブランカは潜水艦も保有してたけどロスセタスもできそうだな

    • +1
  33. メキシコの問題はメキシコだけの問題ではない
    メキシコってのは南米とアメリカを結ぶ中間地点として大きくなったところ

    • 評価

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