多くの国において義務教育制度があり、学校では、微積分、文学、語学、化学などありとあらゆる教育が行われている。
でも、岩の下に隠れている妖精たちのことや、魔術、ちょっと変わった物理学などについて学びたいなら、従来の学校教育制度の外に目を向けるといいかもしれない。世界にはちょっとユニークで奇妙な学校が存在するのだ。
1. 妖精学校(アイスランド、レイキャビク)
1998年の世論調査で、アイスランドの人口の半数近くが妖精を信じていることがわかった。こうした妖精信仰はアイスランド文化に根差したもので、道路を敷設するときには、小さな人たちが住んでいる場所をちゃんと考慮にいれなくてはならないくらいだ。
しかも、この国には、隠れている小さな妖精たちのことを学ぶための学校がある。レイキャヴィクにあるこのエルフスクールには、5時間の短期集中コースがあって、妖精が住むと言われている場所を訪ねたり、妖精の扮装をしたり、野で出会えるかもしれない13種の妖精を紹介するセクションまである。授業の終わりにはコーヒーとパンケーキが出て、正式に妖精専門家として認定されたという署名入り修了証書が授与される。
2. 魔術研究センター(アメリカ、ニューヨーク)
魔術やこれに関連する技能を継承、理解していこうという学校がある。これには、心霊現象、催眠術、いかさまギャンブル、カードゲームの科学と歴史、人の心を操るメンタリズム、腹話術、ジャクリング、さまざまな手わざテクなども含まれる。
ニューヨーク州チェルシーにあるオフィスビルはこじんまりしていて目立たないが、立派な図書館を備えている。司書に調べものの予約を入れると、一回2時間まで、魔術に関するレアな蔵書をじっくり閲覧することができる。運が良ければ、魔術師によるイリュージョンの妙を目の当たりにすることができるかもしれない。
3. マグネットスフィア物理学校(カリフォルニア州フォートブラッグ)
元パイロットで、生涯を通じて無線ファンのラリー・スプリングは、"独自の常識的"な物理学の学校を始めた。その理論は、光は分子でも波動でもなく、マグネットスフィア(電子の動きを活発にする交互極性の純粋磁性球)であるというもの。
アマチュアの物理学者が長年にわたって独自に編み出したこの理論に基づいて物理学を教えたというわけだ。科学界の主流には受け入れられなかったが、今、ラリーの学校は彼の理論を展示した博物館になっている。
4. 死体農場(テネシー州ノックスヴィル・テネシー大学)
テネシー大学の死体農場は、死体を育てているわけではなく、死体の発展に努めている。ノックスヴィルにある同大法医人類学部のそれほど広くない土地で、人間の遺体を研究しているのだ。(関連記事)
これは説明の難しい研究分野で、科学のために検体された遺体を扱っている。遺体は自然の中、つまり土の中や、木や水中に放置され、どういう風に変化していくかをみる。人類学者は時間の経過とともに、遺体になにが起こるのかを研究することができるのだ。ここにあるすべてのものは死んでいるのに、ファームは成長しているのだ。
5. グラディエータースクール(イタリア、ローマ)
ローマにある由緒正しいグラディエータースクールでは、あらゆる年齢層の志望者にグラディエターになるための講義を行っている。生徒たちは正しい盾や剣の扱い方を学び、生死をかけた疑似戦闘に参加する。胸当てや革の腰巻が支給されるかどうかは不明である。
6. ツリー・クライミング・プラネット(オレゴン州オレゴンシティ)
トム・コバールは木登りが大好きだ。だから、木登りを人に教えて生計をたてている。木登りインストラクターの大家として、正しい結び目の作り方、安全なハンモックの吊るし方、慎重な木の枝の登り方などを自分の農地で教えている。
ピーターパン症候群の大人向け遊び場のように見えるかもしれないが、コバールのクラスは、パークレンジャーや自然研究家など、木登り技術を必要とするプロを対象にしている。もちろん、単に木のてっぺんに登りたい一般人向けのレッスンもある。
7. 幽体離脱を学ぶモンロー研究所(バージニア州フェルバー)
世界唯一の幽体離脱を体験させる学校。まじめな学校なのか、創始者のロバート・モンローの特許"ヘミシンク"という技術を売りつける手の込んだ策略なのか、議論になっている。幽体離脱をしたい人向けに、"航海への道"や"催眠術を使って前世をよみがえらせる"クラスを行うという。
あなたがモンローの超心理学を信じようが信じまいが、この研究所は、心理学者、カウンセラー、マッサージセラピストなどのために教育を続けている。
8. サンタクロース育成学校(ミシガン州ミッドランド)
季節限定の学校だが、誰でもこのサンタクロース養成学校に参加することができる。メーシーズ(アメリカのデパート)の元サンタによって1937年に設立された世界最古のサンタスクール。レベルも高く、サンタ学校のハーバードと言われている。
サンタの伝統、イメージ、歴史を守り、ふさわしい服装やメイク、ラジオやテレビ体験、リアルなトナカイの習性、サンタ語の手話などを学ぶ。学校はミシガン州ミッドランドの森の中にあり、アラスカのノースポールにあるサンタの家のようだ。10月も終わりごろになると、3日間強化コースのために、ジンジャーブレッドの外壁や、クリスマスの作業場のような内装がしつらえられて、クリスマスシーズンに間に合わせる。
9. テンペスト・フリーランニングアカデミー(カリフォルニア州ロサンゼルス)
自分の体だけで障害物コースを素早く移動するスポーツ、パルクールを教えるアカデミー。ここで養成されたプロのランナーたちは、アクション映画やテレビコマーシャルで活躍している。巨大なスペースに壁、スロープ、バーがはりめぐらされていて、ランナーたちは飛び下りたり、よじ登ったりして、縦横無尽に駆け巡る。向上心に燃えるフリーランナーやパルクールフリークたちのためのクラスがいろいろ用意されている。
via:9 Bizarre Schools That We Promise Actually Exist/ translated konohazuku / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
色物学校
2. 匿名処理班
ちょっと通ってみたい学校もいくつか…
これを日本人がやってると途端に胡散臭く感じるのは住み慣れた土地にファンタジーを感じにくいということか。
3. 匿名処理班
モンロー研のはそういうオカルト方面のじゃなかった気が
4. 匿名処理班
日本にある外国人向け忍術学校みたいなものだろうか
5. 匿名処理班
日本にも忍者学校なかったっけか
6. 匿名処理班
モンロー研究所は日本でも聞くね
明晰夢とか興味あるから入ってみたいなあ
7. 匿名処理班
海外でライトノベルが書かれたら、こういった学校が舞台になるのだろうか?
8. 匿名処理班
そういや昔、P・コーンウェルのミステリで「死体農場」ってのがあったなぁ
9. 匿名処理班
お金さえあれば通ってみたい。
10. 匿名処理班
木登り楽しそうだ
11. 匿名処理班
履歴書に書いちゃって大丈夫だろうか
12. 匿名処理班
周りから馬鹿にされても貶されても良いから、頑張って学んでもらいたいな。信じるのは自分だしな
13. 匿名処理班
これはきっと居るね妖精
14. 匿名処理班
どうしても公認サンタになりたい人は専門学校が必要かも デンマークで毎年夏に開催されるサンタクロースの世界会議で 公認サンタクロースの資格試験は結構厳しい プレゼントの袋を背負って数十m全力疾走してから 煙突に上って暖炉から家に中にはいり プレゼントをおいてジンジャークッキーを食べて暖炉から煙突を通って外へ出る という体力テスト とか 独特の笑い方テストとか サンタの意義についてのスピーチ(英語)とか大変らしい その前に既婚子供ありサンタの活動歴あり体重120キロ以上(衣装装備込)あり という書類審査がある 世界会議自体 自宅からサンタの衣装で行くことが義務付けられている 真夏の日本からサンタの衣装って
15. 匿名処理班
死体農場の説明がずいぶん曖昧だなぁ
「犯罪科学捜査に役立てるための研究」というはっきりした目的はちゃんと書いてほしかった
16. 匿名処理班
死体農場は犯罪捜査等の役に立つ真面目な研究だし、そこまでキワモノって感じではないと思うのだけど……。
17. 匿名処理班
3のラリー・スプリングさんが妖精みたいです。
18. 匿名処理班
妖精とかは「伝承研究」だろうし、遺体のは「死後どれ位経ってるか」の精度上がるよね。
馬鹿にされがちな分野からブレイクスルーが起こる可能性は常にある。
19. 匿名処理班
千葉に忍術学校あるけど、生徒はみんな外国人だらけ。
20. 匿名処理班
※8
の人もおっしゃってるけど、
4番は、パトリシア・コーンウェルの小説 検死官シリーズの「ザ・ファーム」で描かれていた施設か!
内容では、被害者の遺体についていた謎の痕跡を特定するためにファームで再現実験をするということをしていた。目的はオカルトじゃなく、すごくまっとうな目的のある施設だった。
21. 匿名処理班
※7
既に書かれたよ。ハリー・ポッターって名前の男の子が主人公のヤツ。国内のラノベのナントカ学校の大半のモデルにすらなってる。
22. 匿名処理班
最後のパルクール学校は普通に楽しそう。
23. 匿名処理班
グラディエータースクールとかかっこよすぎるw
24. 匿名処理班
2は魔術と言うより手品の学校では。
英語だと魔術も手品もmagicやconjureだけど。
25. 匿名処理班
フランスでは魔術を行うことや占いをすることが法律で禁止されてるから「教える」という名目で占いをするんだよね
26. 匿名処理班
ロバート・モンローの本は、日本でも3冊とも翻訳されているね。
『体外への旅』『魂の体外旅行』『究極の旅』
これらの本に書かれていることをどうとらえるかは、各人によると思う。
実体験と思うかどうかは置いておいて、書かれている内容は面白い。
27. 匿名処理班
死体農場だけガチ分野じゃないですかあ;;
28. 匿名処理班
木登り学校ってどこにニーズが?って思ったけどニーズありまくりか
29. 匿名処理班
セーラムの魔女大学が無いな…やり直し!