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これまでで最も古い銀河を発見。新しい天体観測技法によって(米ハワイ・ジェミニ天文台)

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 「おまえが長く深淵を覗くならば、深淵もまた等しくおまえを見返すのだ」ドイツの哲学者、フリードリヒ・ニーチェのこの言葉がうっかり思い浮かんでしまったわけだが、全く関係ないかもしれない。

 宇宙望遠鏡の設置以来、専門家はこれまでになかったほど宇宙の深淵(深奥)を覗き込めるようになった。彼らが遠くを見つめるほどに、そこに映る景色は古い時代のものへと遡ることになる。数十億年前の宇宙の姿を目撃することもできるのだ。

 最近、ハワイのジェミニ天文台を使う国際的研究チームが、110億光年先にある渦巻銀河の発見に成功した。

新しい観測技法で発見された渦巻銀河「A1689B11」

 これは重力レンズと分光器を組み合わせた新しい観測技法の賜物である。その渦巻銀河「A1689B11」はビッグバンからわずか26億年後には存在しており、今日までに発見されたものとしては最古かつ最遠の渦巻銀河だ。

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渦巻銀河「A1689B11」image credit: James Josephides

 この銀河を発見したのは、オーストラリアのスウェイバーン工科大学、ASTRO 3D、フランスのリヨン大学、アメリカのプリンストン大学、イスラエルのヘブライ大学からの研究者が参加する国際的研究チームだ。

 天文学の切り札となった重力レンズを用いた観測法では、銀河団のような大きな天体を用いて、その後ろにある銀河の光を曲げたり、拡大したりする。この観測技法によって、これまでは不可能だった高解像度で太古の銀河を研究できるようになった。110億年前を覗き込み、銀河で最初に形成された原始的な渦巻きの腕を直接目撃できるのだ。

 チームは次いでジェミニ北望遠鏡の近赤外分光装置(Near-infrared Integral Field Spectrograph)で、その構造と性質を検証した。

 エドウィン・ハッブルが考案した分類法(ハッブル分類)によると、銀河は形状に応じて大きく楕円銀河、レンズ状銀河、渦巻銀河の3種と、それらに当てはまらない不規則銀河に分けることができる。

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image credit:NASA, ESA, L. Calcada

渦巻銀河の発見は、宇宙の歴史を知る手がかりに

 これに関して、件の渦巻銀河の発見は、それが楕円状から現在の形に変化し始めた時期とプロセスを知るには決定的なことだという。

 プリンストン大学のレンユエ・セン氏は、「A1689B11のような太古の渦巻銀河の研究は、ハッブル分類が出現した原因と時期を解き明かす鍵になります。渦巻銀河は初期の宇宙ではきわめて珍しく、今回の発見は、混沌とした荒々しい円盤状から天の川のような穏やかで薄い円盤へと銀河が遷移する仕組みを調査する扉を開くことでしょう」と語る。

 今回の研究では何よりもA1689B11が持つ驚くべき特徴が明らかになっている。それは宇宙の歴史におけるこの期間ついて私たちの理解を助け、場合によって覆す可能性があるものだ。

 銀河は今日存在する銀河の20倍という速さで恒星を作り出している。初期宇宙にあった同じくらいの質量の若い銀河と同じくらいの速さである。

 しかし同時期の他の銀河とは違い、A1689B11は非常に冷たい薄い円盤状で、ほとんど乱れることなく穏やかに回転している。こうした渦巻銀河がこの時代の宇宙で発見されたことはこれまでになかった。

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image credit:Gemini Observatory at sunset – Gemini Observatory – Wikipedia

 同研究チームは今後もその構造と性質を分析し、同時期の渦巻銀河と比較したいと考えている。特に彼らが関心を持つのは、渦巻銀河の腕が出現した時期だ。

 この腕は、太古の楕円銀河と現在の渦巻銀河・レンズ状銀河・不規則銀河とのある種の境界線のようなものである。

 2019年にはNASAがジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡を打ち上げ予定だ。今回の研究や今後発表が予定される研究は、宇宙に存在した最初期の銀河について重要な情報をもたらすと期待されている。

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image credit:James Webb Space Telescope Mirror37 – James Webb Space Telescope – Wikipedia

via:swinburne / universetoday / popularmechanicsなど/ written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 22件

コメントを書く

  1. この手の話で疑問になるのは
    ビックバン直後の宇宙を観測したら
    どうなるのか?と言う事
    やはり光で満ち溢れてるのか?
    どうなんだろ?
    110億光年先まで
    観測できたと言う事は
    あともう少しで
    135億光年先まで
    見れるだろう

    その時宇宙は
    どう見えるんだろ?
    専門家の人教えて

    • +7
    1. 不規則銀河って事は既に銀河核の衝突などを最低一度はした後の銀河と言うことだ。
      生まれて大衝突を経ていない銀河で不規則銀河という形態は先ず有り得ない。
      少なくとも更にそれより前には二つ以上の銀河が近い場所にそれぞれ存在していただろうね。

      ※1
      宇宙が生まれて4000万年だったかな? その間は光が直進できない雲の中みたいな、宇宙全体がそういう状態だったので光での観測可能限度は「宇宙が晴れ上がってから」と言うことになる。
      ビッグバン直後の現象を探る可能性としては「ニュートリノ」「重力波」などがあるね、ただしどちらもエネルギーが大変に弱い状態なので(宇宙が広がっているから)観測は可成り難しい。

      • +2
      1. ※4
        重力波は直接観測する術が未だ無く(2方向の距離の変化を計測して存在は証明出来た)、弱い力にしか反応しないニュートリノも捉えるのは難しい(カミオカンデでチェレンコフ放射を観測して存在は実証した)
        グラビトンやニュートリノを直接捉えるか、電磁波以外の観測方法が欲しい

        • 評価
        1. ※17
          ペンジアスとウィルソンがそうしたように、「ノイズ」と思われる物全てを個別に分析しリダクションすることで精度は高められる余地はあると思う。
          まだまだ現行の技術でも足掻く余地はあるように思うよ。

          • 評価
    2. ※1
      温度3Kの宇宙背景輻射っていうのが一応ビッグバン直後の宇宙を直接見てることになっている。当時放射された光がドップラー効果でマイクロウェーブ域まで波長が伸びて観測されて、その空間的なゆらぎ具合から当時の温度などの情報がわかっている。

      • +2
      1. ※16
        それは「宇宙の晴れ上がり直後」じゃないかな。
        電磁波で「瞬間」は捕らえられないはず。

        • 評価
        1. ※18
          「光」は電磁波の一種なんだけど・・・

          • +1
  2. 110億年後の今はどうなってンだろうね
    とっくの昔に消滅してたりして

    • +3
    1. ※3
      60億年後には海水が地面に吸い取られて、現在の地球環境は
      維持不可能となり気温上昇などあらゆる植物や生命は
      死に絶えてる
      そのころにはスペースコロニーなど宇宙圏外で暮らすのが
      当たり前になってるかもしれんし気にすることはない

      • 評価
  3. バンプオブチキン「1から作りなおしか…」

    • -1
  4. どっかの魔法使いのオリジナルセリフだと思ってた

    • 評価
  5. つまり、あれか?
    通常では真正面から見た姿の1枚の写真しか撮影できないが、
    重力レンズを利用することによって斜めからの写真を複数枚撮影することができて、より細かく観察できるってことか。

    • 評価
  6. 宇宙の話は意味がわからん!海から攻略していくべき

    • -1
  7. 古い銀河と聞いて、なぜかツギハギやアップリケで補修された図が浮かんだ

    • +1
  8. 宇宙が超スピードで拡大し続けたからこそ、こんな昔の光を未だに捉えることができるんだよね。

    • 評価
  9. こういう宇宙の話を聞いたり想像すると恐ろしくなってしまう反面いつか未来の人類がその銀河に行けたりするのかなって想像するとわくわくするね

    • +1
  10. 壮大過ぎて考えても意味がない
    明日の仕事の方が大事

    • 評価

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