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小競り合いはいたるところに。2つのビルの間で行われた「ポストイット戦争」(アメリカ)

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(著) (編集)

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 古今東西、争いは耐えることがない。人間は武力や経済力を行使して争うし、動物はエサや縄張りをめぐって争う。植物だって根を張り、枝を広げて陣取り合戦をする。

 張り合うことで種を保存する遺伝子が備わっているのだろう。特に人類は地球上では最上位に君臨する生き物だ。だもんだから、些細なことにも闘争心を燃やしてしまうようだ。

 これはニューヨークで行われた「ポストイット戦争」の記録である。

開戦のきっかけ

 アメリカ・ニューヨーク州マンハッタン。ヴァリック通り75番地のビルと、キャナル・ストリートを隔てて向かい合うハドソン通り200番地のビルの間では、「ポストイット戦争」が繰り広げられている。

 そのきっかけは、他の数多の戦争と同様、些細なものだったのだ。

 ヴァリック通り75番地のテナントに勤務する社員の1人が、窓にポストイットを貼ったのである。その内容は、”Hi” というだけの、他愛のない挨拶であった。

(6階の左から3つ目)

 ところが、このおちゃめないたずらが、2つのビルを巻き込んだ大戦争へと発展したのである。

過熱する人々

 程なくして、ハドソン通り200番地の窓に返事が現れた。”SUP?” (“What’s up?” = 「調子はどう?」の略)という、これまた簡単なものだった。

 ここで終わっていれば、「退屈な日常のちょっとしたスパイス」で済んでいただろう。

(上) どうよ? (このツケを)払えよ?

(下) この文を読んでいるなら手遅れだ

 しかし、そうは問屋が卸さなかった。

 2棟のビルの立地は、ファッションとアートの中心地、トライベッカのすぐ近くである。

 双方とも、テナントにはメディア・エージェンシーが多数入っていたのだ。

 こんな面白そうなことを彼らが見逃すはずがない。すぐさま、自主的に戦線に加わっていったのである。だもんだからビルの窓は絵文字が並ぶ異様な光景に。

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imege credit: craftBK
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imege credit: craftBK
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imege credit: Adweek

名だたる兵士たち

 ビルの内側から参加したのは、火付け役となった “Harrison and Star” のほか、”Horizon Media“、”Getty Images” といった有名どころを多く含むメディア会社だ。

 窓辺の戦闘員にはこんな顔ぶれがあった。

『ザ・シンプソンズ』のマージとマギー

スパイダーマンが隙をうかがっている

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imege credit: Mike Segar

“Angry Birds” がゲーム画面から飛び出してきた

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imege credit: Mike Segar

そのほかにもたくさんのキャラが参戦している

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imege credit: Mike Segar

大御所が参戦!

 そしてついには最終兵器、「ポスト・イットR」の製造元、「3M」までもが加わったのだ。この戦争が「付箋紙戦争」ではなく「ポストイット戦争」という名になった理由でもある。

 3M社は双方に大量の「弾薬」を無償で提供したのである。使い方の図解まで添えて。

戦争の終結と戦後処理

 終わりがないかに見えた戦争にピリオドを打ったのは、ハドソン通り200番地のテナント、”Havas Worldwide” による、このポストイット・アートだ。

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imege credit: FUNKYDISCO

 「マイクを落とす」という動作は「パフォーマンスが完璧である」ことを意味する。元々は音楽などの場面で「演奏が完璧であったので、演奏者がマイクを落としてステージから去る」という状況から来ている。

 SNSなどでの議論の場面では、「(一方的に)勝利宣言をする」という意味合いになる。

 ”Havas Worldwide” の社員は、ある晩ビールとピザを注文して遅くまでオフィスに残り、数人のデザイナーの指揮の下にこの絵を完成させてビデオに撮ったのだ。

 そしてついに、2週間ほど続いたポストイット戦争は終結を迎えた。といっても、ヴァリック通り75番地側が降伏したわけではなく、ビルのマネージャーから「停戦命令」が出されたためだ。その週の終わりを以って、戦争の痕跡は消し去られた。

 なぜ突然の停戦命令が発令されたかは定かではないが、オフィス内が薄暗かったのが気に入らなかったのかもしれない。

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imege credit: craftBK

 なお、この戦争で使われたポストイットはゴミにはならず、ニューヨーク退役軍人病院での募金キャンペーンで、(退役軍人への)「感謝を伝えるメモ」用紙として使われたとのことだ。

via: Twisted Sifter / Bored Panda / Adweek / Elephant Journal など / written by K.Y.K. / edited by parumo

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この記事へのコメント 32件

コメントを書く

  1. まさかこのマイクの画像が実は動画だったなんて
    こういう向上心を刺激する平和な戦争って良いよね

    • +51
  2. 些細な悪戯心から始まり、
    最後もクールに終結したんですね。
    紙も無駄にせず、ちゃんと再利用してるってのが良い。

    というか3M、よくこの「ポストイット合戦」に気付いたね(笑)

    • +31
  3. 両陣営を密かに支援・・・なんという紙の商人。

    • +95
  4. 映画が作れそう。主演はジム・キャリーで。

    • +16
  5. ホントもう何にでも本気出しちゃうところが好き
    日本ならHiに気づいても返事しないか、上が下らない事はやめろとか言いそうだし…

    • +24
  6. 3Mがまさに死の商人すぎる活躍だ……。

    • +57
  7. 使い終えた(退役した)ポストイットを、退役軍人病院で使うってとこもセンスいいね :)

    • +28
  8. 電通じゃこんな面白い事は思い浮かばないだろうなあ。

    • +46
  9. 数年前にUBIが向かいのビルとこんなことしてなかったっけ

    • +4
  10. 最初のHiに返事が来たところからクスっと笑える
    そして最後のマイクの動画にすごい、やるなぁ
    紹介の文章も面白かった、3Mの弾薬ってのがw

    • +15
  11. 伝令!3Mから兵糧が届きました!
    よし、ここから巻き返すぞ!皆の者かかれー!

    みたいな感じ?(某○国ゲーム風)

    • +7
  12. 制止がかからなかったら、どんな事態になっていたのだろう
    最後に残った窓に停戦協定を結ぶ文言が示されるのだろうか

    • +5
  13. 開くまではビル間の戦争って嫌がらせしあってるのかなって思ったけど
    なにこのほっこりする出来事はwww

    • +14
  14. どうせならテトリスやってしまいなさいな

    • +7
  15. 紙(し)の商人にワロタ
    こんな平和で面白い弾薬なら大歓迎w

    • +30
  16. 他愛もないことからはじまって次第にエスカレートして
    双方の陣営に物資を支援する団体が出てきて、って
    割と現実の戦争に近いのかも

    • +14
  17. なんかあれな、住宅街ぐるみでクリスマスのデコレーションしててやらない家はノリ悪いみたいな。

    • -1
  18. ポストイットの会社、良い宣伝になったじゃないか

    • +6
  19. 仕 事 し ろ

    いや、広告関係の会社だからむしろ良いPRになったのか?

    • +10
  20. オチまで含めてなんかアメリカらしい話だな

    • +5
  21. ミニキャップ発見ドット絵化かわゆい

    日本の百貨店も垂れ幕で会話してたのあったよね
    最近は企業の公式ツイッターがキャラ化してきて仲良しだったり
    会社といえど中にいるのは人間さんなのよねー

    • +8
  22. 幼稚園の壁画みたいだw

    というか案外よそのビルとか見てる人多いんだね
    ブラインドは閉めておいたほうがいいのかな

    • +1
  23. これだけ余裕持って仕事できる環境が羨ましいな

    • +7
  24. どんだけ暇なんだよ、、、。しかしこんなことしてても上から怒られない環境はうらやましいな。

    • +7
  25. こういうことに全力で本気出せるのが本当のユーモア。
    半端じゃダメなんだよね。
    3Mが支援に駆けつけるあたり、なかなかシャレが効いてる。
    とはいえ、資源と時間の膨大な無駄だわ。
    後付けでリカバリーしたにしても、そもそもが・・・だわな。
    いや、こういう悪ノリ大好きだけどね。

    • +9
  26. 電通もこの間までライトの明かりで文字書いてたよ
    祝オリンピック開催決定とか
    残業に煩くなってやめたが

    • +1

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