メインコンテンツにスキップ

火星のテラフォーミング計画の足掛かりとなるか?火星と同じ環境下に置かれた南極の菌類が生き延びることが判明(国際宇宙ステーション)

記事の本文にスキップ

26件のコメントを見る

(著)

公開:

この画像を大きなサイズで見る
Advertisement

 南極の岩から採取した菌類を国際宇宙ステーションに送り、火星を模した条件下に18ヶ月保管したところ、その細胞の60%以上が無事生存していることが確認されたそうだ。

 これらの菌類は、人為的に惑星環境を変化させ、人類の住める星に改造する「テラフォーミング計画」の足掛かりとなるかもしれない。また、かつて火星に生命が存在したとすれば、それらが現在まで生き残っている可能性

が0ではないことにもつながる。

 南極東部のヴィクトリアランドにあるマクマードドライバレーは、地球上で最も火星に近い環境である。地上で最も乾燥した過酷な環境の1つであり、強風のために雪や氷でさえ吹き飛ばされてしまう。こうした過酷な気候条件であるにもかかわらず、いわゆる岩の亀裂で生きるクリプトエンドリシック(隠蔽岩内性)微生物や特定の地衣類は生存することができる。

 数年前、ヨーロッパの調査チームがマクマードドライバレーで、クリオミセス・アンタルクティクス(Cryomyces antarcticus)とクリオミセス・ミンテリ(Cryomyces minteri)という2種類の菌類を採取した。その目的は、国際宇宙ステーション(ISS)で火星と宇宙の環境に暴露させ、反応を観察することだ。

この画像を大きなサイズで見る
菌類と地衣類が収められたケース(左)と宇宙に送り出す前の調査チーム(右) Credit: S. Onofri et al

 このEXPOSE-Eと呼ばれる実験では、菌類は地上でケース内の区画(直径1.4cm)に入れられた後にスペースシャトル、アトランティスで国際宇宙ステーションまで運ばれ、コロンブスモジュールの外部の宇宙に直接設置される。

 さらに菌類の半数は火星を模した環境(二酸化炭素 95%、アルゴン 1.6%、酸素 0.15%、窒素 2.7%、水 370ppm、気圧 1,000Pa、フィルターによる紫外線の照射)に18ヶ月間暴露される。

 その結果、火星環境に暴露された菌類の細胞の60%が無傷で残り、細胞DNAの安定性も高いまま保たれていることが確認された。

この画像を大きなサイズで見る
菌類が群生した岩の断面(左)と電子顕微鏡で見た石英結晶内のクリオミセス Credit: S. Onofri et al

 科学誌『アストロバイオロジー』で発表された本研究は、宇宙での長期滞在中における岩内性生物の反応を調査するLIFE(Lichens and Fungi Experiment – 地衣類菌類実験の意)の一環としてなされたものだ。

 なお、LIFEでは高高度の山岳地帯で採取した2種の地衣類(チズゴケおよびザンソリア・エレガンス)についても同様の調査が行なわれている。これらはスペインのグレドス山脈とオーストリアのアルプス山脈から採取されたものだ。

この画像を大きなサイズで見る
via:sciencedailyphys・written hiroching

 ”火星に暴露された”2種の地衣類では、宇宙に暴露されたサンプルと比べて、代謝活動が倍あることが確認されてる。ザンソリア・エレガンスに関しては80%以上も活発になっていた。また宇宙に暴露された地衣類は、菌類と同じく、光合成活動が抑制されていた。しかし、宇宙に暴露された菌類の35%は細胞膜が破壊されず残っており、南極に存在する菌類の耐久性が示されることになった。

 こうした実験結果は、かつて火星に生命が存在したとすれば、それらが現在まで生き残っている可能性が皆無ではないことを教えてくれる。

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 26件

コメントを書く

  1. つまり地球の菌類を火星に放って100年経つと、人型に進化した菌類に人類は(以下略

    • 評価
  2. あまり話題にならないけどNASAは火星より近い金星に注目してると
    の話もあったりする。

    • +7
  3. 火星に水が有るなら、生物が居るのはほぼ確実だと思う。
    さっさと発見して発表して欲しい。

    • 評価
    1. ※4
      そうなのか
      距離は金星のが近いけど気温が500度ってのは無理ゲーに感じるんだけどな
      その点火星の-40度なら何とかなりそう

      • 評価
      1. ※22
        地球が50億年云々なら火星の方が寿命短いというか、太陽系内はどれも大して変わらないだろう。
        メリットで言えば地球での人口増加、領土問題、資源枯渇問題の解決だろうな。

        • 評価
    1. ※5
      それが覆るかもしれないんだな。
      「水(液体)があれば居る」というほど生命は単純ではないのかもしれない。
      まだ人類は生命の誕生を再現できていない以上、なんの証拠もない仮説なのだから。
      信じきってしまうのはよくない。

      • +1
  4. 人類は欲張りだから、仮に火星で菌類が見つかったとしても、それだけじゃ満足しないだろうね

    • -1
  5. 火星産納豆とか住めるようになったらできるのか
    でも火星産水虫や胃潰瘍だけは嫌だな

    • +1
  6. 生物が居ないことが確定してから入植しないと後々揉めそう

    • +2
  7. 生きてるだけじゃなくて増えてくれないとテラフォーミングにはならないような

    • +4
  8. テラフォーミングで地球菌で火星菌を殲滅しますwwwwwww
    んにゃ、テラフォーミングに行った宇宙飛行士を火星菌が殲滅すます、パンでミッツく~!!!
    地球生命、殲滅されますたwwwwwww

    • +1
  9. むしろ宇宙環境でも生きてるほうがヤバイ

    • -2
  10. 開発資金援助が多い国から順に入植地を分配するのかな。
    火星=USAかな?

    • 評価
  11. 火星のテラフォーミングってそれにかかる手間と時間とコストに見合う
    メリットがあるのだろうか?

    • +3
  12. >人口増加、領土問題、資源枯渇問題
    その辺の問題ならテラフォーミングまでして他所の星に行かずとも、他に何らかの解決方法が見出せそうな気もするけどね。

    • 評価
    1. ※21
      人類史学で言えば確実にある。
      地球は確実に50億年を経たずに人間が住めなくなる。
      テラフォーミング技術が確立すれば人類が生き伸びる可能性は高まる。
      ゼロがプラスになるだけメリットはある。

      • 評価
  13. 火星進出そのものは単なる試金石でしかないな、資源的な意味合いはありそうだけど
    遠くない将来人類は自分で自分を余裕で滅ぼせる力を持つだろうから
    その時までに生命の版図を広げておかないと、この地球でまとめて絶滅することになる

    • 評価
  14. この研究結果ってかなり
    危険な情報なんじゃないか?
    もし仮に未だに発見されて無いけど
    火星に生命体がいたら?
    それを地球にもってきたら?
    免疫の無い生物はどうなるのか?
    まじやばくね?

    • +3
  15. 火星でのそれは実験にすぎず、他の恒星系に移住するのが本当の目的では。
    先に「テラフォームパック」を打ち込む準備かな?

    • 評価
  16. こうやってNEXT人類のために環境を整えるんですね。
    人類の次はなんかな—多種混合生命体?

    • 評価
  17. 仮に火星へ地球の生物持ち込んで定着させるとして、その計画を実行するための是非はどこの国や組織や機関で話し合って合意形成するんだろう

    • +2
  18. 重力はどうにもならないんじゃないか?

    • 評価

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

知る

知るについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

植物・菌類・微生物

植物・菌類・微生物についての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。