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画像で巡る、ガスマスクの歴史

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(著)

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 ガスマスクは、毒ガス・粉塵・有害物質などから体を守るために顔面に着用するマスクのこと。その起源は、古く、古代ギリシャにまでさかのぼる。その後、第一次世界大戦で化学兵器が大規模に使用されたことに対する防御手段として軍に採用されたことにより、大々的に普及することとなった。

 ここではイラストや画像などの資料を見ながら、ガスマスクの歴史をたどっていくことにしよう。

よくあるスポンジを使う 古代ギリシャ

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 古代ギリシャでは、ごく普通のスポンジがガスマスクに使われていた。湿布、避妊具、もちろん入浴にも使われた。

バーヌ・ムーサのガスマスク 紀元850年頃

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 このガスマスクは、汚染された井戸で働く人たちを守るために、イラクのバグダッドの数学・天文学者であるバーヌ・ムーサ兄弟によって作られた。彼らはほかにも100もの発明をしていて本にまとめている。

疫病対応の医者のマスク

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 鳥のくちばしのようなマスクには、ラベンダー、ミント、樟脳、乾燥ローズなどのハーブやスパイスの甘く強い香りがたきこめられていた。邪悪なにおいを消すことができると信じられていたためだ。

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アレキサンダー・フォン・フンボルトのマスク 1799年

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 炭鉱夫のために作られた初めての粉塵防護用マスク。フンボルトはプロイセンの鉱山管理の役人だった。

ジョン&チャールズ・ディーンによる消防士を煙から守るマスク 1823年

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 1820年代初頭、ジョン・ディーンは馬屋が炎に包まれているのを見て、古い騎士の甲冑を身につけ、消防隊の送水ポンプから引いたホースのついたヘルメットをかぶって、馬を助けに煙の中に入っていった。これがうまくいったため、1823年にジョンとチャールズ・ディーンは煙よけのヘルメットを開発した。これは長い革のホースが後ろについた銅でできたヘルメットで、五年後には、水中で使えるように改良された。

ルイス・ハスレットの吸入器、肺プロテクター 1847年(1849年特許取得)

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 一方向の弁がふたつついたノーズピースやマウスピースを通して呼吸ができる。フィルターはウールか多孔物質でできていて、水がダストを除去してくれる。

ジョン・ステンハウスの木炭エアフィルター 1854年(1860年と1867年に特許取得)

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 銅のフレームの間に粉末の木炭フィルターのついたマスク。この木炭フィルターは金網の小さな口から取り替えることができる。

ジョン・ティンダルのマスク  1871年

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 このアイルランドの物理学者は、ステンハウスのマスクに、木炭、石灰、グリセリンをしみこませた脱脂綿のフィルターをつけて新しいマスクを開発した。煙や有毒なガスを除去できる。

サミュエル・バートンのマスク 1874年

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 ゴムと金属のフェイスカバー、ガラスのアイピース、ゴムのフードという防毒マスク。金属のキャニスター(缶)がマスクの前面についていて、石灰とグリセリンをしみこませた脱脂綿と炭が入っている。

ジョージ・ネアリーの煙除去マスク 1877年と1879年

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 最初の型は胸にフィルターがついていたが、二年後には、直接顔の部分にフィルターがついた新しい型で特許を取った。

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ヘンリー・フレウスの装置 1878年

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 顔全体を覆うゴムのマスクで、背中に背負った空気袋とチューブでつながっている。

ヴァジェン・バーダー社の煙プロテクター

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 インディアナポリスの企業が1881年から煙プロテクターを生産。

ローブのマスク 1891年

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 ドイツのベルンハルト・ローブの防護マスクは、すっぽりかぶるヘルメットに直接、三つに仕切られた金属のキャニスターがついている。

ムンツのマスク 1902年

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 20世紀の始めの年に作られたアヒルのくちばしのようなマスクは、スポンジとカーボンフィルターのついたすっぽり被るタイプのもの。

ガレット・A・モーガンの安全フードと煙プロテクター 1912年(1914年特許取得)

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 床まで届く二本のチューブのついたコットンのフードがついていて、外から空気を取り入れることができる。1916年、エリー湖地下の水道設備の事故で、ガスと煙が充満したトンネルの中から人命救助に使われ、絶賛された。

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英陸軍のブラックベールマスク

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 915年4月22日、第一次大戦のベルギー、イーペルの激戦で、ドイツ軍の塩素ガス攻撃を受けて連合軍側にかなりの死者が出た。イギリスの対策は素早く、細長い布のついたコットンのマウスパッドで防護マスクを作った。

第二次世界大戦のドイツ兵の防護マスク

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ハイポヘルメット、イギリスの煙よけフード 1915年

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 毒ガス攻撃などの化学兵器が使われるようになってから、ドイツ軍が頭から袋を被っていたのを見て、ロイヤル・ニューファンドランド連隊のクリュニー・マクファーソン医師が開発した。ハイポヘルメットは、グリセリンとチオ硫酸ナトリウムを含み、塩素ガスを防ぐ。250万個も製造された。

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第一次大戦時のドイツのゴムマスクGM15

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3種のガスマスク 1925年

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 鉱山事故での救出で使う三種類のタイプのガスマスクを着用する労働者

馬跳びをするときでも  1934年

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 ポーツマスにある英国海軍の船員たちが、ガスマスクをつけて馬跳びをしている様子。マスクをつけていても激しい任務を果たせるようにするため。

粉塵マスク 1935年頃

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 さまざまな粉塵マスクをつけてみせる女性たち。大量の塵によって呼吸困難を引き起こす場所で使われる。

フィンランドの市民用ガスマスク 1939年

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1941年のガスマスク イギリス

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 高齢者や胸の苦しみをうったえる人用の新しいタイプのガスマスク。1941年4月に催涙ガスで市民が攻撃されたときのもの。

ミッキーマウスのガスマスク 1942年

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 アメリカが化学兵器の攻撃を受けたとき、子どもたちを守るためにディズニーとサン・ラバー・プロダクツ社が共同で開発した。

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戦闘に備えて防衛訓練を行う子供たち(ロシア)

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 レニングラード包囲戦が始まる4年前、1937年の写真だそうだ。ロシアのボーイスカウト的団体が、子供たちを集めて戦争に備えた防衛訓練を行っている時に撮影したものだという。

 ところがこの写真は海外掲示板に「三宅島でのガスマスク結婚式(Gas Mask Wedding on Miyakejima, Izu Islands, Japan)」として出回ってしまっため、広く誤解されてしまった。

 実際にはロシア、レニングラードで撮影されたものであり、三宅島は一切関係がない。

オニオンスライス用マスク

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米空軍化学生物兵器用防護マスク 1999年

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via:io9 原文翻訳:konohazuku

 化学生物兵器用防護マスクをつけたまま無線で話す、アメリカ空軍第51治安部隊の兵士

追記:(2019/01/21)記事を訂正して再送します。

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この記事へのコメント 32件

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  1. ペスト医師のガスマスク売ってる店あったら知りたいんだけど

    • 評価
  2. マスクって知ってるよ。被ると顔が黄緑色になってオレンジのスーツ着てポッケから機関銃とか出せるようになるやつでしょ。

    • -4
  3. この前の潜水服と若干似通ってるな

    • 評価
  4. イラストだとこういう顔の化け物に見える。
    写真でもこういう顔のUMAに見える。

    • 評価
  5. 疫病対応の医者のマスクはベルセルクでも出てたね

    • 評価
  6. 三ッキーのガスマスクさん
    「ハハッ!たいせつなこどもたちを守るためなら、思い切って著作権料3パーセント引きでボクを使ってもいいよ!」

    • +3
  7. 三宅島?2000年?結婚式?
    元記事を書いたのは名前からしてハンガリーの人みたいだけど、
    古色蒼然とした白黒写真、どう見ても戦前のトラックと自転車、
    古い制服の軍人と少年団、変だと気付かなかったんですかね?
    ハンガリーで現代日本はこういう国だと思われてるのかなあw
    軍人と共産党少年団の制服、眉間に突起の付いた
    ザリンスキー=クンマント式ガスマスクからして
    1935~1940年頃のソ連での写真だと思いますが。

    • +8
    1. 突っ込みどころが多すぎ、な三宅島の写真。
      だが、写真自体はカッコイイ。
      ※8 もっと詳しく分かりませんか。何かを狙って撮ったアートとかじゃなくて実際にあった出来事なのかな。右下の大砲かわいい。

      • 評価
  8. ベルセルクのような砂ぼうずのようなw
    日本の三宅島の写真って何かのマンガか映画のタイトルみたい

    • -1
  9. 三宅島の写真はこれであってるんですかな

    • +1
  10. これ、宇宙人に間違われた例もあるで。たぶん

    • 評価
  11. 日本の三宅島でのガスマスク結婚式って写真は違うだろw
    どう見ても日本人に見えないw
    確かこれ集団避難してるロシアかソ連の市民の写真だったとおもうが。

    • 評価
  12. 今は化学兵器は皮膚からも吸収される物もあるし、
    皮膚について酷い炎症を起こす物もあるから
    宇宙服みたいなのが最強!

    • +1
    1. ※19
      残念ながら写真の詳細までは解りません。当時の情勢から市民への毒ガス訓練は世界各国で行われており、子供がガスマスクを着けて授業を受けているような写真は沢山残されています。この写真もそうした訓練の一コマでしょう。

      • 評価
  13. ネット上でコピーを繰り返されて拡散する誤解の原点と思われるのがスウェーデンのグラインドコアバンドNasumのアルバムジャケットで、ガスマスクを着けた新郎新婦が化学防護服を着た兵士達の前に並んでいる写真です。こちらを三宅島だとしているサイトがいくつかあり、「結婚式」というキーワードにも符合します。

    • +2
  14. 多分三宅島の住民避難や防毒マスク携帯のニュースに衝撃を受けた外国の誰かが、そのイメージとしてこのアルバムのジャケットを載せ、いつの間にかそれがMiyakejimaの写真だと誤解され、ガスマスク画像を検索して出てきたソ連の写真と混同し…という事かと。ネットでデマが広まる典型的パターンですね。
    ところでアドレスも過激な言葉も使ってないのに、何でウェブアライアンスのシステムに投稿ブロックされるんでしょう?同じ内容を2回に分けて投稿すると通る様ですが。

    • +2
  15. 対化学兵器用ガスマスク、正確な突撃時間を計る為の腕時計等々・・・今じゃどうってことないけどどれも当時は正に技術先進国だけしか装備出来ない最先端だったんだな。今のハイテク兵器がどんなに凄くてもそれとは全く別種の感慨を覚える。

    • +5
    1. ※24
      4年もたってのレスだけど正確な訂正のために。
      記事に掲載されている写真、正確には「Nasum」ではなくて「The Left」のCDジャケットです。
      タイトルはまんま「GAS MASK」だそうで。

      • 評価
  16. ドイツのガスマスクの説明で明らかに時代が逆になってる。
    第一次大戦ではあまり普及しなかったために被害が大きくて(ヒトラー自身もマスタードガスで負傷)第二次ではヒトラーの命令でガスマスク標準装備にしたが逆にあまり使われなかった。
    訂正推奨

    • +4
  17. 銃を撃つために右頬にはカートリッジ付けないのか

    • 評価
  18. 三宅島の結婚式の写真については、これはロシアのViktor Bullaの「Pioneers in Defense Drill」という、1937年のレニングラードで撮影されたプロパガンダ写真で、やっぱり三宅島とは何の関係もありません。てゆーかこれはどこからどう見ても日本じゃねーだろ。

    • +2
  19. 玉ねぎ切ってるやつロシアのガスマスクを元にしてるけど、フィルターが元のよりゴツくて草
    玉ねぎは化学兵器並なのか…

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