火葬に代わるエコな選択肢･･･アルカリ加水分解による液体火葬（水火葬）

この画像を大きなサイズで見る

　遺体の処理もエコロジーな時代が到来したみたいなんだ。リサイクルダンボール製のひつぎや、土壌に染み出す防腐剤を使用しないなど、環境に配慮した埋葬方法に注目が集まる中、米ペンシルべニア州の葬儀会社が、遺体をアルカリ加水分解するサービスの開始を計画しているという。

　この水ベースの遺体処理方法は、水火葬とかアクアメーション、リゾメーションなどと呼ばれる。

　現在では米国人の３分の１、カナダ人の半分以上が選択する火葬は、使われる天然ガスや電気の量が多く、二酸化炭素やダイオキシンを排出したり、遺体の歯に詰め物が使われている場合に水銀蒸気が発生する問題もある。

　米国大手の棺桶メーカーであるマシューズ・インターナショナルが2010年末までにフロリダ州の葬儀場で始めようと計画しているアルカリ加水分解の方法では、火葬に比べて天然ガスの使用量を10分の1に減らし、電気の使用量も3分の1に抑えることができるという。また、排出される二酸化炭素の量は90％削減でき、水銀蒸気が発生することはない。

　この方法は、実験動物の処理などに使われてきたが、導入コストがかさむことや、一部の地域では法改正も必要となることなどが、商業的利用の障害となってきた。また、米国の一部の地域では、カトリック教会が「人間の遺体を処理する方法としては、敬意に欠ける」として、反対を表明している。

　フロリダ州議会は、この水火葬が多くの州で普及していくと予想し、葬儀場がこの方法を一般向けに提供することを許可する法案を2009年に可決した。メイン州、メリーランド州、オレゴン州、ミネソタ州でもこの方法がすでに合法化されている。

編集長パルモのコメント

パルモ

遺体の処理も「焼く」から「溶かす」へと変貌するかもしれなさそうだね。日本は火葬が一般的だしね。でもなんか、死んでるから感覚ないんだろうけど、溶かされるとか変にむずむずしちゃいそうだよね。

References: Heraldtribune / Connectingdirectors / Durham.ac.uk / Scientificamerican