
image credit:GoFundMe
臓器移植は、適合性が重要だ。腎臓移植の場合は、健康な生存者から片方の腎臓を譲り受ける移植手術が可能だが、その後1つの腎臓になるドナー(提供者)の中には、まれに後の健康に影響が出ることもあるため、提供にはそれなりの覚悟が必要となる。アメリカ・ミズーリ州の女性は、腎臓病を患っている父親のために、父に内緒で移植検査を進め、自分の腎臓を1つ提供した。
術後、娘が腎臓を提供してくれたことを知った父は、感激のあまり涙が止まらなかったという。
広告
Daughter Surprises Her Father With Kidney Donation
腎臓病を患う父のために娘が腎臓提供を決意
ミズーリ州に住むジョン・イヴァノスキーさんは、1年以上前から生命を脅かす腎臓病に苦しんでいた。娘のデレインさん(25歳)は、父親が免疫グロブリン A 欠乏症を患っていること、その過剰な免疫システムが原因で父親の腎臓機能が損傷を受けていることを医師から聞き、父親の腎臓提供者になることを思いついた。
父は、数日おきに透析をしなければなりません。1 年以上にわたって、1 日 3〜5 時間、透析の機械に接続されています。しかし、ジョンさんは反対した。自分のために、大切な娘に今後の健康に影響が出るかもしれないような大手術を受けさせたくなかったのだ。
そんな父の姿を見て、ずっと透析をしながら生きていくような生活を父にしてほしくないと思いました。
今すぐ、私の腎臓を父に移植することはできないのかなと思いました。(デレインさん)
父は私に、「お前はまだ若い。これからまだまだ先の人生があるが、私の時間は限られている。負担をかけさせたくない」と言いました。その後、デレインさんはジョンさんの臓器コーディネーターに連絡。父親のドナーになりたいことを伝え、いつから検査を始められるかと尋ねた。
でも、私はすでに決心していました。(デレインさん)

pixabay
内緒で腎臓提供をした娘に感涙
すべての計画は、ジョンさんの知らない間に順調に進んだ。ジョンさんが、移植手術に十分耐えられる容体だと判断されると、すぐに一連の検査が行われた。
適合検査では、デレインさんとジョンさんの腎臓の適合性は完璧だということがわかった。
デレインさんは移植手術が行われるまで、ジョンさんには黙っておくことにした。
父は、私がなにかを企んでいることに少し気付いていたようですが、まさか私が本当に父に腎臓を提供するとは思ってもいなかったようです。(デレインさん)

image credit: youtube
そして、8か月間秘密にしていた移植手術が2月16日に実施された。病院で目覚めたジョンさんは、娘がドナーだったことを知ると、驚きを抑えることができなかった。

image credit: youtube
手術の当日、しかも術後まで知りませんでした。ジョンさんは、驚きと感動で、涙を止めることができなかった。
医療用ガウンを着た娘がドアを開けて入ってきた時、思わず「なんてこった!冗談だろう!?」と驚きの言葉を口にしました。(ジョンさん)

image credit: youtube
SNSで支援を呼びかけ感動を呼ぶ
その様子がデレインさんによってTikTokでシェアされると、多くの注目を集めた。娘が腎臓を提供すると言った時には、断固として反対していたジョンさんだったが、娘が思い切ってドナーになってくれたことに、今は心から感謝している。

image credit: youtube
もう機械に縛られず、自分がしなければならないことややりたいことをできるようになります。大きな安堵です。一方、摘出手術から回復段階にあり、父とともに自宅で療養中のデレインさんは、このように語った。
この経験は、私にとっても忘れられないものになるでしょう。このニュースを知った人々からは、「このお父さん、世界で最高の娘を持ってるね」「感動した!」「地球上で一番愛されている父親だ」「私20年前に、腎臓を提供したけど今でも健康よ。娘さんもきっと大丈夫!」「決心した娘さんもとてもいい人だ」「娘さんはヒーローだ!」などといった声が寄せられている。
もし、みなさんが誰かに腎臓を提供することを考えているのなら、それはこれまでで最高の贈り物の1つになります。
ドナーになることは、文字通り、命を一部を共有することだからです。
References:‘I can’t stop crying’: 25-year-old daughter secretly becomes her father’s kidney donor/ written by Scarlet / edited by parumo
あわせて読みたい





コメント
1.
2. 匿名処理班
デレインさんは思いやりのあるやさしいいい子だしお父さんも娘思いで良い関係だなあ
末永く幸せに過ごして欲しい
3. 匿名処理班
お父さんにもらい泣きした。
娘が自分の命を削ってでも助けたいを思った背景には、きっと幼い頃からたくさんの愛情を注いでもらえて素晴らしい親子関係が築かれているはずだから。
その関係がとても眩しくて羨ましい…お二人の今後の健康をお祈りします。
4. 匿名処理班
涙が止まらん。
人工透析が安い国じゃないからこそ、この娘さんの行動は素晴らしいものだ。
何より適合してよかった(´;ω;`)
5. 匿名処理班
感謝もそうだろうし、俺のためにすまないっていう気持ちもあったんじゃないでしょうか
6. 匿名処理班
最高の親孝行であり親不孝でもあるな・・・
親としてはありがたい反面、娘に苦労を背負わせたくないって気持ちもありそう・・・
7.
8. 匿名処理班
勇敢なお嬢さんだ
きっと本当にいいお父さんだから
娘さんも命をかける決意を出来たのだろう
でも生きている時に内臓を提供するのは
極端に疲れ易くなったり
身体が弱くなったりして
提供後に大きな健康的リスクを伴うので
いい事だからって
みなさんは安易にドナーになってはいけないぞい
9. 匿名処理班
親としては複雑な気持ちだろうなぁ
10. 匿名処理班
俺が父親なら絶対反対してる
11. 匿名処理班
コレ、親子関係が良かったからだよね。
いいお父さんだったんだ、って思う。
娘さんもお父さんが大好きだったんだね。
12. 匿名処理班
よっぽど良い親子関係を築いてたんだな
13. 匿名処理班
>>6
わかります
私ならば子供をリスクに晒してまで長生きしたくないしこのお父さんもきっとそうだったんだろうな
14. 匿名処理班
せっかく娘からもらってもその腎臓も免疫機能の攻撃にさらされるのではないだろうか?
15. 匿名処理班
術後に事を知ったら娘に感謝を伝えるしか無いだろうけど、心の中は押し潰れそうになってると思う
。
ある程度年齢を重ねると自分の死についても考えてるし、最愛の子供の為なら全てを捧げられると常に考えているもの。
それなのに体を傷付け、リスクを抱えさせてしまうような状況に自分がさせてしまったなんてつらいよ。
16. 匿名処理班
今後娘は腎臓1つで透析するんやから痛む速度も早い
確実に寿命縮むから素直に感動できんわ
17.
18. 匿名処理班
>>10
娘さんも反対されると思ったから内緒にしていたんだろうね。
胸が痛くなる><
19. 匿名処理班
>>16
だからこそ心動かされるのでは
20. 匿名処理班
なんか切なくもなるぜ
ふたりともこの先ずっと健康であってほしい
21. 匿名処理班
日本では河野太郎さんの父、同じく政治家の河野洋平さんが
太郎さんの肝臓提供を受けて、九死に一生を得た。
(やっぱり「やる」「やらない」でケンカになったそうだ。)
切り取った肝臓はいずれ大きくなるけれど、
それまでに隣接する胃が開いた空間に入り込んでしまって
胃カメラで引っ張り出さないとならない後遺症があるそう。
1割ほどの確率だが、太郎さんもなったそうだ。
また多くはないが、ドナーが亡くなるケースもある。
22. 匿名処理班
子供だからできたってのもあるからなぁ
23. 匿名処理班
お父さんは娘に長生きして欲しいからどんなに辛くても我慢する予定だった
娘さんもお父さんに苦しんで欲しくなかったからどんなに反対されても手術を決心した
お互いがお互いを心から大切に思っているからこその行動ですね
どうか2人とも長生きしますように
24.
25.
26.
27. 匿名処理班
親心も子供心も分かるから泣けるわぁ…
28. 匿名処理班
親としては複雑だろうけど、こうなったらお父さん、頑張って元気になって長生きしないといけないね。
29. 匿名処理班
腎臓って一つで充分って言われてるけど
実は2つ必要らしいよ
30. 匿名処理班
お父さんはきっと複雑だっただろう、自分のために娘を危険に晒したくない
でも娘さんにとっては健康な父と過ごす長い時間はきっとそうではなかったときよりもずっと素晴らしいものになる
彼女はリスクよりも大きなものを得たと思う
31. 匿名処理班
お父さんは嬉しくも辛いだろうね…
でも「自分の命より娘の健康を大事にしてほしい」と言うくらい愛の深いお父さんだからこそ、娘さんも自分の健康を犠牲にしてでも助けたいと思えたのだろう
娘さんが満足しているのなら、決断を応援したいです
32. 匿名処理班
>>29
必要だから二つ付いてるわけで。
今は良くても中高年になれば、体が持たなくなるかもね。
33. 匿名処理班
>>6
うちの親も昔からずーっと子供から移植だけは絶対にダメ、いらないからねと言ってるなぁ
持病があるとかじゃないけどドナーカードとかど真ん中世代だからかもしれない
移植そのものも危険だし、もちろん臓器を失う影響もあるし難しいところだよねえ