イーロン・マスク氏が手掛ける脳直結型装置、ニューラリンクなど、人間の脳とコンピューターの脳を直接つないでしまおうという試みは着々と進んでいる。
電脳化が当たり前になるであろう未来の世界では、思考だけでコンピューターを操作し、広大なネットの世界を自由に飛び回れることとなるだろう。
生憎、今のところ電脳化された脳は不自由な存在だ。配線によってコンピューターにつなぎ止められているからだ。
だが電脳はようやく移動の自由を手に入れることができたようだ。米ブラウン大学のグループが、世界で初めて脳とコンピューターを接続するデバイス「ブレイン・マシン・インタフェース(BCI)」のワイヤレス化に成功したからだ。
ワイヤレスで脳とコンピューターをつなぐ技術「ブレインゲート」
米ブラウン大学が開発したBCI「ブレインゲート」は、脳内に移植されてそのシグナルを検出する電極アレイと、シグナルを解読する「デコーダー」で構成されている。これまで電極アレイとデコーダーは配線で接続されていたが、ジョン・シメラル助教らは小型の送信機を導入して、両デバイスをワイヤレス接続することに成功した。
重さ40グラム程度の「ブラウン・ワイヤレス・デバイス(BWD)」の送信機は、頭頂部に置かれて電極アレイと接続。電極アレイが検出した毎秒48メガビットの神経シグナルを、デコーダーへとワイヤレス送信することができる。
credit:BrainGate/Brown University
有線と変わらぬ速度で思考操作が可能に
この研究には、脊椎の損傷が原因で体が麻痺している男性2名(35歳と63歳)が参加。彼らにBWDを装着して、思考だけで一般的なタブレットを操作してもらったところ、見事にポイント、クリック、タイピングといった操作を行えたとのこと。しかもその操作は有線接続と比べても遜色のないスピードと正確さだったという。
シメラル助教は、「ほとんど同じ忠実度でシグナルの記録・送信を行うことができます。つまり有線接続と同じ解読アルゴリズムを利用できるということです」と解説している。
Congrats to John Simeral et al. on their exciting new paper on home use of a wireless #iBCI #BrainGate device! @CarneyInstitute @brownengin @MGHNeurology @MGH_CNTR @VAResearch @stanford_ee
— BrainGate Team (@BrainGateTeam) April 2, 2021
ワイヤレスならの利点
もう1つのポイントは、この実験が被験者の自宅で行われたというところだ。これまでBCIの実験は研究室で行われてきた。しかし動きを制限する配線がなくなったことで、あえて場所を限定する必要がなくなった。
被験者両名は自分の家にいながら、最大24時間タイピングが可能で、しかも眠っているときも脳シグナルを確認することができたという。
移動の自由は、電脳を日常生活で利用するためには必要不可欠な要素だ。ワイヤレス化の成功によって、BCIの可能性は大きく開くことになるだろう。
この研究は、『IEEE Transactions on Biomedical Engineering』(3月31日付)に掲載された。
References:
・Researchers demonstrate first human use of high-bandwidth wireless brain-computer interface
・BrainGate: High-bandwidth wireless brain-computer interface for humans
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コメント
1. 匿名処理班
次は装着した状態の格好良さも考慮に入れて頂きたく。
2. 匿名処理班
現実世界でもワイヤレス接続で救世主の力を使えるようになったネオやんか
3. 匿名処理班
良い意味でも悪い意味でも革新的な技術
将来はきっと沢山の命を救ってくれると思う
4. 匿名処理班
善意の利用に留まらないのが目に見えてる。自制心と高潔な目的意識もインストールしてくれ
5. 匿名処理班
100年後、200年後の世界が見てみたいけど絶対不可能なのが悔しいな。どんなものがあるんやろな。
6. 匿名処理班
正直、恐怖しか感じないわ。俺だけ?
7. 匿名処理班
そのうち寝言まで勝手にタイピングされそうな予感。
8. 匿名処理班
万が一急病や事故で肉体が死んでも、あらかじめコンピュータに保管しといた脳データを取り出して…みたいなことができるようになる日も近いな。
9. 匿名処理班
植物や鉱物ともやり取りができそうだ
10. ナパチャット
ワイのイメージした美少女ちゃんがパソコンで表示される時代はまだか?
11. 匿名処理班
サイコミュかよ!
12. 匿名処理班
夜中にこっそり旦那とディスプレイを接続する事件続出
13. 匿名処理班
どんな操作感覚なんだ・・・
14. 匿名処理班
ついにここまで来たのか…
15. 匿名処理班
あれ?電脳化って情報に直接脳がアクセスできるんじゃ?
今のとこワイヤレスマウス操作…ライディーンかな?
はよ電脳空間内で美少女と…ああいえフルダイブVRPGとかできたらイイナー!
16. 匿名処理班
実用化する前に同時にセキュリティも底上げしてくれ
IT家電どころの怖さじゃない
17. 匿名処理班
※5
それな。人類がどこまで発達するのか見ていたい。
過去2万年の発達を見るより現在から前後それぞれ100年、合わせて200年の発達を見てるほうが断然面白いと思う。
18. 匿名処理班
乗っていなくとも、ロボットを自分の体のように動かす時代はすぐそこか。
19. 匿名処理班
※4
どこかの実験で脳のある部位を刺激すると
仕事でどんな苦痛な状態でもハッピーになるやつがあったな
これこそまさにそれなのでは
20. 匿名処理班
(ファミチキください)
21. 匿名処理班
アレーアンテナみたいなパット4枚の受信側がビルのてっぺんにあるケータイ基地局のアンテナみたいでゴツイすね。みたいていうかそういう物なんだろうけれど頭部にとりつける送信側よりこちらに未来感を感じてしまう。
ALSや怪我で入力手段を失った方向けの技術ですが非侵襲な方向の進化も期待したいです。
有線が無線になって入力確立のスピードに差が出るものなのかしら。アンテナ・無線技術方面の問題もあるのかな。
22. 匿名処理班
お前の脳、ノイズ多いなぁ
23. 匿名処理班
電脳コイルを思い出した。
24. 匿名処理班
スゲーな アニメみたいに電脳オンゲーやりたいわ
25. 匿名処理班
有線時以外では干渉できない位じゃないと不安以外ないな…
危険を除去出来なくて法規制の対象になりそう
そしてリスクと隣り合わせで遠隔可能な脳を積んだアウトローが現れると
26. 匿名処理班
※22
某少佐「生理なのよ」
27.
28. 匿名処理班
またもアウトプット
脳へインプット出来る装置が出来たら起こしてくれ
29. 匿名処理班
英語は変換がないからなあ
30. 匿名処理班
『四肢麻痺のある人は、埋め込まれた微小電極アレイによって記録された神経信号から意図した腕と手の動きをデコードする皮質内ブレインコンピューターインターフェイス(iBCI)を使用して、タブレットアプリの迅速な画面タイピングとポイントアンドクリック制御を実現しました。』
思考しただけでタイピングしたんとはちゃうみたいやね。
意識の中で指を動かしタイピングしてるようす。
心の中で言葉を話すとタイピングされる音声入力のようなものではないらしい。
31. 匿名処理班
絶対攻殻ネタあると思った
遠い将来あれが現実になるんだろうか
32. 匿名処理班
ついにアルミホイル防衛が有効になる時が来そうだ
33. 匿名処理班
進化したら甲殻○動隊そのものですね〜。
少佐レベルのウィザード級ハッカーが誕生しそう。
34. 匿名処理班
※28
インプットは脳波を流す事で実現してる
これが他人の脳でも伝わるから相手の感情や見ているものや動作まで伝達可能
ついでに人類の脳は大体一緒の構造ってことになる