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スイス・ヴォー州の小さな町ラ・サラにある聖アントニウス礼拝堂。ここにはなんと顔面や息子スティックをカエルにむしゃむしゃ食べられている異様な墓碑が祀られている。14世紀にカエルやヘビの餌食にされた亡骸のモニュメント。まるで死後さらしに合っているかのように、こんな姿で何百年も祀られている故人にはどんな事情があったのだろう?
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カエルたちと永眠する信心深い貴族の墓碑
この墓碑は、地元の貴族だったフランソワ1世(1363年死去)を祀るために作られたという。
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また墓碑を納めている聖アントニウス礼拝堂は、信心深いフランソワ1世自身が息子のエイモン3世に建てさせた寺院であり、1362年の完成から10年ほど利用されていたようだ。
てか礼拝堂に貢献したのにカエルの餌食ってどうよ?かっこいい彫像で祀られるならまだしも、これじゃあちょっとあんまりじゃね?Effigy of Francois I de la Sarra (died 1363), Chapel of Sainte-Antoine at La Sarraz, Vaud, Switzerland. Had to hop over the fence to get a better look at this famous, out-of-the-way thing while on my way to Fribourg... #toads, #snakes, and #worms devour … https://t.co/hsTsLNJtRc pic.twitter.com/jD6Rz00kWu
— Nick Herman (@herman_nick_) 2018年10月4日
しかもこの状態は顔面だけにとどまらず、あろうことか息子スティック界隈までもがカエルたちに食されていて、腕や脚にもヘビがぴっちり食いついている。

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一体なぜこんな姿に?その理由についてはいくつかの言い伝えがある。
非業の死で水死体?家臣のいやがらせ?
この墓碑に関する伝承の1つにフランソワ1世が非業の死を遂げたという説がある。馬に乗って狩りをしてた時に落馬し、湖に落ちたというのだ。彼が落ちたとされるヴォー州のジュー湖は深さ20mほどもあり、遺体はなかなか見つからなかった。だがのちに家族が発見して引き上げてみると、腐敗した遺体にカエルやヘビが大量に群がっていた、という。
また一方で暴君だったフランソワ1世を恨み、復讐を誓っていた彼の家臣たちがあえてこんな風に作らせたという、さらし目的説もある。
なお、彫刻を手がけたのは当時の騎士や僧侶ともいわれているが、それ以上の詳しい情報は残っていないようだ。
メメントモリで死後の経過をリアルに表現?
西洋の教会や聖堂の墓標の中には、故人が亡くなった時の状況や白骨化した姿を表す彫像(トランジ)などが存在する。コメント欄によると、中世後期のドイツ圏で流行ったトランジの様式も蛇とカエルは「罪と穢れ」の象徴とされており、この作品も災いの元とされる目と口と息子スティックを蛙に食われてるって意匠である可能性があるという。
ペストが流行した中世からルネサンス期のヨーロッパでは、貴族や聖人が浮世のはかなさ(メメント・モリ)やおごり高ぶる人心への戒めなどのために遺言を残し、あえて遺体の経過をリアルに示す像などがよく作られたそうだ。
死後、自身が提案した礼拝堂にこんな形で祀られたフランソワ1世。仮に本人の希望だったとしても、遺族はモヤモヤしなかったのかな?TFW you’re exhausted but vacation is only a few days away, so it’s all going to be OK. Here’s the extra creepy cadaver tomb of Francois de la Sarra (d.1363), showing his body nibbled by frogs, snakes, and worms 🐸 🐍 🐛 #MondayMotivaton #summerbodies #medievaltwitter pic.twitter.com/sGOoBz6QhD
— Dr Emily Guerry (@EmilyGuerry) 2019年6月17日
ちなみに現在の聖アントニウス礼拝堂は、歴史的な建築物の一つに分類されていて、訪問者もけっこういるようだ。興味がある人はぜひ行ってみてはいかがだろうか。
■追記(2020/07/17)2019年11月に掲載した記事を再送してお届けします
References: lunchlunchbreakfast / tumblr / wgaなど /written by D/ edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
カエルや蛇はまず飲み込めない死体を食べたりしないだろうから、写実描写ではなくて、たぶんなんかの意味なんだろうなぁ。
2.
3.
4. 匿名処理班
🐸🐸🐸
5. 匿名処理班
記事のタイトルがトリビアの泉のナレーションで再生された
6. 匿名処理班
新手の美容法だったり
7. 匿名処理班
ヒンヤリ気持ちよさそうに見えるが?w
8. 匿名処理班
>>5
それでは、実際にご覧下さい。
9. 匿名処理班
中世後期のドイツ圏で流行ったトランジの様式だって
蛇と蛙は罪と穢れの象徴だから災いの元の目と口とスティックを
蛙に食われてるって意匠
10. 匿名処理班
カエルも人も楽しそうだな
11. 匿名処理班
※1
死体を食べているのではなく
死体に湧いた何かを食べている説とかどうだろうw
12. 匿名処理班
カエルや蛇はスカベンジャーじゃないから……まぁデタラメというか「なんとなく気持ち悪いものを並べておけ」というエエカゲンな感じで作った怪談みたいなもんだな
13. 匿名処理班
大昔読んだホラー漫画唐突に思い出した…
日本の田舎が舞台で、人間の女性の乳を飲む「乳飲み蛙」というのを、舅か姑が乳の出が良くなると言って嫁に押し付けるんだけど、本当はそいつらは「血飲み蛙」だった…みたいな話
一時結構トラウマだった
知ってる人いない?
14. 匿名処理班
>>13
エコエコアザラクの古賀新一かな。読んだ記憶あるわ。
古賀新一はなんつーか、トラウマ側より奇妙な味側だったわ、わたしは。
15. 匿名処理班
こういうパターンか、もの凄く巨大なカエルに丸のみされてるのかと思ったw
16. 匿名処理班
決して故人にそういう『癖』があった訳ではなかったんですね…
…でもちょっと気持ち良さそう…。
17. 匿名処理班
神の御許にカエルのだ👼
18. 匿名処理班
カエルのデザインが結構かわいい
19. 匿名処理班
死についてかんガエル
20. 匿名処理班
※8
テッテレレー、テーレーレーレー♪
21. 匿名処理班
オスカー像
22. 匿名処理班
腐敗したらウジ虫などが湧いてくるからカエルは小さい虫を食べに来たんだろうね
そっちのほうが本来の目的だったと思う
23. 匿名処理班
カエルも蛇も死体なんか食わないが
24. 匿名処理班
どう理由をつけても、やっぱイヤガラセっぽいよね。
25. 匿名処理班
>>9
なんで記事本文にこのことについて書かれてないのかが不思議。わりと有名?な話なのに
26. 匿名処理班
カエルは粘膜に毒あるから顔に乗せるのは良くないよ
27. 匿名処理班
怖いよう
28. 匿名処理班
この世の何よりカエルが苦手の俺にとって
最悪の拷問
29. 匿名処理班
※13
強烈に覚えてる!トラウマ漫画!これのせいでカエルが大嫌いになった・・・
30. 匿名処理班
>>8
へえへえへえへえへえ(略)
31. 匿名処理班
顔と股間をカエルに食わせ構造上は嫌がらせしかないだろ
当時どれだけ嫌われてたのかがわかる。
32. 匿名処理班
蛇じゃなくてヤツメウナギじゃなかろうか
あいつら食らいついて肉の中に潜り込んでいくし
33. 匿名処理班
>>28
よぉハットリくん!
34. 匿名処理班
息子スティックからはオタマジャクシが出て来るので、
まぁカエルになって故郷に戻ろうとしてるという感じかと。
35.
36. 匿名処理班
フランソワなのかフランシスなのか。
37. 匿名処理班
カイル苦手だから鳥肌たつ
38.
39. 匿名処理班
※11
なるほど、それなら大いにあり得るね。
40. 匿名処理班
単に故人がカエル大好きだった、って解釈ではあかんのか?
だって、悲運の事故死とか恨みとかなら・・・
わざわざこんな立派な彫像作ってあげないでしょ?
41. 匿名処理班
無事帰るって意味か!(笑)
…ごめんって、怒るなよ…
42. 匿名処理班
※9
調べたら日本で言うところの九相図みたいな感じかなと思った
43. 匿名処理班
見ざる言わざる聞かざる的な?
44. 匿名処理班
※39
ねーよww
カエルも蛇も、その周囲にいたとしても、エサに集ったりしないわ。
45. 匿名処理班
どう考えても遺族と部下のいやがらせ
よほど嫌な奴だったんだろう
46. 匿名処理班
>>26
冷静な指摘でちょっとむせてしまったw
47. 匿名処理班
まぁ、当時の流行なら本人らはそれほど違和感もなかった可能性あるな
傍から見ててもタピオカ持った遺影とか・・・はやっぱねぇわ
48. 匿名処理班
吸血の群れ
49. 匿名処理班
死肉を食う種類のカエルがいるのかと思ったがそういう訳でもなさそうだなw
50. 匿名処理班
何かしらの風習だったら他にも似たようのがあるだろうから
普通に嫌がらせというか死者への冒涜とかそんな感じじゃないの?
51. 匿名処理班
生ける屍の死に似たようなの出てきたな
52. 匿名処理班
嫌がらせとか言うけど誰でも蛇やカエルを嫌うわけじゃない
現代にもたくさんいるけど、爬虫類愛好家だったのかもしんないじゃん。
カエルや蛇に囲まれて死にたいって遺言だったとか。
なんで罰みたいに捉えられるんだろうね
53. 匿名処理班
家臣が嫌がらせするには遺族も了承しないとこんな像は作れないと思うけれど・・・。
この時代に流行ったデザインだって話もあるし、カエルや蛇が好きだった可能性もあるよ。
54.