
image credit:Northshore Veterinary Hospital/Facebook
人間と同じく、猫界でも肥満は健康に良くないとされている。天命を全うさせてあげたいのであれば、標準体重を目指すようにと、獣医からうちのももも言われてしまったわけだが、猫の増えすぎた体重を戻すのは容易なことではない。だって自覚がないんだもの。アメリカのワシントン州にある動物病院に預けられた1匹の灰色猫は、安楽死させられる手前で獣医師にその命を救われ、減量のためのエクササイズ治療を施されることになった。
病院側は、ルームランナーで運動中の猫の姿をソーシャルメディアに公開したが、どうにもハードにエクササイズをしているようには見えず、やる気が感じられないどころか、「もうやめろ、ふざけんな人間」風に見えてしまう。
しかしこの光景がユーザーらの心をがっしり掴んだようだ。ネット上では、肥満猫に同情する声や励ましの声が多数挙がっている。
11kgの肥満猫、安楽死のために病院へ連れて来られる
ワシントン州ワットコム郡ベリンハムにあるノースショア動物病院(Northshore Veterinary Hospital)に、1匹の灰色猫が連れて来られた。11kgという肥満ゆえに、“シンダーブロック(軽量コンクリートブロック)”というニックネームが付けられた8歳になるシンディという猫は、健康問題と介護を抱えている飼い主がこれ以上面倒を見ることができないこと、安楽死のために病院へとやって来たのだった。
同病院メディカル・ディレクターのブリータ・キフニー獣医師は、次のように話している。
シンダーの飼い主は、自身が健康問題を抱えていて、更に認知症の父親の介護もあるということで、疲れ果てて、猫の世話ができなくなったということです。
シンダーは、飼い主の父親がエサを与え過ぎたために肥満になってしまったようです。
安楽死を希望されていたのですが、そうせずに私にシンダーを託してほしいと飼い主に尋ねたところ、飼い主も本当は猫を安楽死させたくはなかったようで、喜んで同意してくれました。
シンダー、エクササイズ療法にチャレンジ
病院では、まずはシンダーの肥満をなんとかして治さなければならないと、特別療法食とエクササイズ原料プログラムを実施することにした。早速、10月18日から物理的リハビリテーションのためのトレーニングを開始したシンダー。19日には、水中ルームランナーにチャレンジしており、その時のシンダーの様子を病院側がソーシャルメディアで公開すると、大きな反響を呼んだ。
水色のハーネスを体に装着されているシンダーは、ぬるま湯を張ったトレッドミルの隅っこにどかんと座っている。
しかし、やる気のなさが出ており、片足だけを動くルームランナーの上に乗っけている。
片足をわずかに動かしただけの格好でエクササイズ(?)しながら、「ニャ〜ニャ〜」と鳴き声をあげるシンダーは、たいして動いてもいないのに、まるでキツいエクササイズに早くも悲鳴を上げているかのようだ。
スタッフが「頑張ってるかい?」「いい子だね」とシンダーに声掛けをすると、早く止めろと言わんばかりに「ニャ〜」を連発するシンダー。
そのあまりにも怠惰な姿を捉えたキュートな動画は瞬く間に拡散し、カナダのマニトバ州の住むアーティストのアレックス・プラントさんは、自身のツイッターにシンダーのイラストを掲載し、「シンダー、応援しているよ」と励ましのツイートをした。
後にプラントさんはメディアの取材でこのように応えている。I’m rooting for you Cinderblock pic.twitter.com/NdEazwGHFr
— Alex Plante 🤓 (@alexplantewpg) October 25, 2019
どこか共感できて、とても親しみのある猫だから、話題になるのでしょう。キツいルームランナーのエクササイズで弱音を吐かない人はいませんよ。きっと、猫も同じでしょう。
それに、獣医師やスタッフらがシンダーの減量に取り組む姿勢も一生懸命で素晴らしいと思います。シンダーをケアしていることは明らかで、親切な思いやりが動画を見ている方にも伝わってくるので、心を温められるユーザーも多いのではないでしょうか。
ペットの肥満に対する注意喚起になると獣医師
キフニー医師は、公開した動画や写真が大きな反響を呼んだ後、次のように語った。人間でも、厳しいエクササイズはしたくないという人も多いでしょう。でもシンダーの頑張りを見て、インスパイアされる人もいるのでは?と思います。
それに、この動画はペットの肥満の注意喚起にもなります。およそ60%の飼い猫が、太り気味や肥満の傾向にあるのですが、ほとんどの飼い主は気付いていないという場合が少なくないのです。
安楽死を免れただけでも幸運だったといえるシンダーだが、肥満の状態ではせっかく助かった命も縮んでしまう。
とはいえ医師の指示を伴わない過酷なダイエットは危険であるのは猫も人間と一緒だ。じっくりと時間をかけながら徐々に体重を落としていくことが推奨されている。
猫だって軽くなった体で飛び回れたら楽しいだろう。がんばれ、シンダー!
病院側は、フェイスブックやインスタグラムでもシンダーの様子をシェアしている。
written by Scarlet / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
>私にシンダーを託してほしいと飼い主に尋ねたところ、飼い主も本当は猫を安楽死させたくはなかったようで、喜んで同意してくれました。
イキター
2. 匿名処理班
俺は猫とロボットは太目がすき。
3. 匿名処理班
リアルクロエだ
4. 匿名処理班
経緯を読むと笑えないな……と読み進めていたら片足ウォーキングで爆笑してしまった
ニャーて
5. 匿名処理班
動きたくないんだから、食べる方を減らすしかないな
6. 匿名処理班
餌をあげすぎてるのも虐待なんだけどな。
フォアグラのガチョウは虐待で
人間の勝手で太らせまくったネコは
マスコット的存在だから無罪って
人間は身勝手だな。やせたフォアグラを飼育しろ。
7. 匿名処理班
コロコロ可愛くてもデブ猫はやっぱ良くないよね
8. 匿名処理班
そうだよな、ネコは自分が太ってるという自覚は無いんだよな。
9. 匿名処理班
太って安楽死させられそうになった犬の記事もあったけど、あれもアメリカだったような。
太ってしまっている犬や猫をかわいいとは個人的に思えない。可哀想だ
10. 匿名処理班
一度体を動かす楽しみを覚えると勝手にやると思うけど
それまでは悲鳴がこだましそうです
11. 匿名処理班
>>6
なかなか猟奇的な光景だな……
12. 匿名処理班
獣医さんの管理のもと低カロリーフードでも少しずつ痩せると思うから体が軽くなってきたらきっと...と思いつつ、この怠惰な前足だけエクササイズが可愛くてしょうがない。
13. 匿名処理班
飼い主の怠慢だと最初はイラついてしまったけど、認知症だから「まだ猫に餌やってないな」って何回もあげちゃったのかな
介護するのも想像を絶する労力だろうし、なんか同情の余地はあるわ
とりあえず良い獣医さんで良かった
14. 匿名処理班
認知症の父親が何回も注意しても1日に何度も何度もエサ与えたんだろうなと思うと飼い主がノイローゼになるのもわかる
15. 匿名処理班
ねこ(あたいをこんなにしたのは、あんたたちでしょ。)
16. 匿名処理班
_,,..,,,,_
/ ,' 3 `ヽーっ
. l ⊃ ⌒_つ
`'ー---‐'''''"
17. 匿名処理班
※6
よく読めよ、認知症のじいさんがあげちゃったって書いてあるだろ。
そうやって自分勝手に決めつけて相手の立場を尊重しないのはよろしくないぞ
18. 匿名処理班
動きたくないでござる
19. 匿名処理班
犬飼ってる知り合いも親が認知症になってから犬と隔離せざるをえなくなったって言ってた
それまではほどほどにあげられてたのに、認知症のせいでおやつやご飯をあげたこと自体忘れるから結果犬がふくよかになってしまったと
この猫の元飼い主さんの苦労が目に浮かぶよ
20. 匿名処理班
※17
相手の立場なんて全く尊重しないサイコパスが増えてるからなあ
21. 匿名処理班
>>6
飼い主の父親(認知症)がドカドカあげちまったんだろ
うちの母親もボケて猫の餌やり何度もやるから、妹夫婦が猫引き取ったわ
でも猫と引き離したせいか母親のボケが一気に加速して、ついに寝た切りになっちまった
こういうことがあるから高齢者がペット飼うの不安なんだよな
22. 匿名処理班
父親が痴呆で餌与えすぎちゃったって、世話してた人は大変だったろうな
家族に一人でホイホイ食べ物あげる人がいると、気配っててもコントロールするの難しいんだよね…
まして猫以上に父親本人の介護もしないといけないわけだし
安楽死を全否定しようとは思わないけど、今回は完全に人間の都合に振り回されただけだから、シンディちゃんが救われてよかったー
ただ、それでなくともアメリカは「肥満」の感覚が違うね
ネコ歩きとか海外のネコ番組見てても、だいたい北米の猫って種類問わず他の地域より太いのが標準なんだよね
都会で室内飼いされてる子はそうでもないけど、結局人間と同じ基準なんだろうな
23. 匿名処理班
>>6
フォアグラを?
24. 匿名処理班
>>6
痩せた肝臓だけを飼育するのか…
25. 匿名処理班
うちのも8kg(オス・理想は6.5kgくらい)になってしまったので笑い事じゃ無い…。
きょうだい猫は5kg(メス・骨格が大きいので標準体型)なんだけど、膀胱炎発症してフードが療法食に変わってから一気に増えたんだよね。
この子の場合は認知症の飼い主のせいなんだろうけど、フードのカロリーってもっと低いのないんだろうか。量を食べる子向け、みたいなやつ。
26. 匿名処理班
元の飼い主さんは、認知症で、家族の介護問題も大変な事になってるのに、更に介護する側も病気抱えて、それだと、ペットにまで手が回らなくなるよね。
どれだけ可愛くても、父親が勝手に餌をあげてどんどん太らせてしまって、泣く泣く安楽死決断したけど、獣医師さんが思い止まらせる人で良かったね。
27. 匿名処理班
動く野生の歓びを思い出したら一気に戻る可能性もあるだろうし、元気になって欲しいね
まずはブートキャンプが過酷そうだけど
28. 匿名処理班
我が母も肥満なんだけど歩き方が似てる
間接痛いんじゃないだろうか
慣れてないのもあるんだろうけど、もっと水量を増やせたらいいね
29. 匿名処理班
うちの猫、普段はテレビや動画の猫の声に反応しないのに、この声だけは起きて探しに行ってた。うちのはオスだからかわいいメス猫の救助要請に聞こえたかな。実際には同じ色だけどお前の倍ほどの大きさなんだけどね…
30. 匿名処理班
殺される寸前だったとは思えないこのニャンコチャン
がんばって軽くして長生きしてね
31. 匿名処理班
シンダーブロック(軽量コンクリートブロック)に笑ってしまった
フォルムと色がたしかに
32. 匿名処理班
「ナァァオゥゥゥゥ」が「覚えておけよ貴様ら」にしか聞こえない件
33.
34. 匿名処理班
>>28
歩くのが嫌なんじゃなくて水を嫌がってるのでは…と思ったけど、関節への負担を減らすためなのか
35. 匿名処理班
この肥満体でいきなり全力だしたら心臓に負担かかるからね。
まずは左前足から徐々に鍛えていこうという作戦だね。
かなり有効なエクササイズだよ。
嘘だけど。
36. 匿名処理班
>>25
メタボ向けの療法食あるよ。
ヒルズとか。メタボリック+ユリナリーってやつ。