陸の孤島、土地開発に抵抗し１軒だけ取り残された中国のネイルハウス「「釘子戸」

　急速な都市化が進む中国では、土地開発に伴い住宅立ち退き問題がいたるところで勃発している。立ち退きを迫る役人と開発業者に抵抗し我が家を守ろうとした結果、どんどんまわりが開拓され、自分の家だけがポツンと取り残されてしまう。

　このような家は１本だけ刺さった釘のように見えることからネイルハウス（釘子戸）と呼ばれている。現在中国では悪質な立退き事件により住民の基本的人権が侵害されている一方で、住民側には司法救済の手段が欠落しているという社会現状がある。

■1.交差点に立つネイルハウス　2013年11月

　中国の南東部にある福建省平和県の、ある交差点に建っているネイルハウスを撮ったものである。行政はこの2階建てのアパートの大半を取り壊したが、1人の住人が立ち退きに反対した。現在、この部屋だけが残されている。

■2.まわりが宅地化されているなかで・・・　2013年7月

. 　江蘇省蘇州市にある、豪華な住宅の建設に反対している1件の家

■3.まわりが削られたマンション　2013年4月

　浙江省瑞安市にある、ネイルハウスを写したものである。写真に写っている女性はこの家の持ち主のジェン・メイジュである。彼女は、水道も電気も止められ、ぼろぼろになったこの家にもう1年も住んでいる。

■4.取り残された2世帯　2013年4月

　湖北省宜昌市のある建築現場に残された2世帯の家を写したものである。電気と水道は、夜になると断続的に通らなくなる。

■5.がれきの中で　2013年

　江蘇省常州市にあるネイルハウスとその持ち主である75歳のヤオ・ホウカさん

■6.高層ビルに囲まれて　2013年

　広州市楊箕の建築現場の数件のネイルハウスを写したものである。家の周りに溝が掘られているのは、家の人達に立ち退させようとするためである。

■7.最も有名なネイルハウス

　ネイルハウスでは最も有名な道路の真ん中にある家である。この家は浙江省温嶺市にある。この家の持ち主である老夫婦は道路建設の際立ち退きを拒否した。

■8.家を取り壊され地面で泣き叫ぶ女性

　広州市楊箕で、自分の家を守ろうとしている女性を写したものである。

■9.水道も電気もガスもない家　2010年

　雲南省昆明市にある、建築現場のネイルハウスを写したものである。この家の持ち主であるザオ・シンさんは家の周りに溝を掘り、水をためた。家には水も電気も通ってない。

■10.半壊状態の家　2010年

　安徽省合肥市の建築現場にある一部壊されたネイルハウス

■11.完全に更地となった土地の真ん中で　2007年

　深圳市の建築現場にある6階建てのアパートを写したものである。アパートのオーナーであるチョイチュー・チェンと妻であるチャン・リャンハオさんは開発者から出された補償金の受け取りを拒否した。

■12.堀の中の家　2007年

　中国の南西部に位置する重慶市の建築現場の丘の上に残された家。

動画：ついに取り壊されたネイルハウス theguardian・原文翻訳：Copris

　立ち退きに抵抗をを続ける少数の「釘子戸」はどうなるのか？天国と地獄の2つの結末があるという。天国の方は、最終的にはすんなりと立ち退いた人よりも多くの補償と配置費をもらえるというもの。地獄の方は、悪いイメージの典型的人物と見なされ政府に強制的に立退きをさせれ、地位も名誉もすべて失うというものだ。

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