カリフォルニア州モンテレー湾で、深海を漂う巨大な姿がとらえられた。これは、「スティギオメデューサ(Stygiomedusa gigantea)」という地球最大の深海クラゲで、和名ではダイオウクラゲと言うそうだ。
傘の部分だけでも1メートル、口腕を合わせると全長10メートルもあったというそのクラゲは、水深975メートル付近を優雅に漂っている所を、モントレー湾水族館研究所(MBARI)の海洋生物学者が、遠隔操作の潜水艇により撮影した。
傘の下から長く滑らかな"口腕"が延びていて、深海の生物ならではのクリーチャー感を出している。これまで何千回も撮影にトライしているが、この謎めいた生物とはなかなか遭遇できず、やっと捕えた数少ないチャンスだったという。
An extraordinary deep-sea sighting: The giant phantom jelly
めったに遭遇できない地球最大の巨大クラゲ
初めて、スティギオ・メデューサ(Stygiomedusa gigantea)が捕えられたのは1899年のこと。新種のクラゲと判明するまでに60年の月日を要し、その後110年で目撃例が100回程度という、めったにお目にかかれないレア種である。地球最大のこのクラゲは、北極海以外の世界の深海で目撃されているが、そのチャンスは極めて少ない。それは、人間や遠隔操作で動かす潜水艇がとても到達できないような深みに生息しているからだ。
日よけ帽をかぶったような釣鐘型をした頭部の直径は、1メートル以上、傘から伸びるリボンのようなひらひらした口腕を合わせると10メートルにもなるという。
その長い口腕は、名前となったメデューサの髪のようだ。
モントレーベイ水族館研究所(MBARI)は、遠隔操作の潜水艇「ティブロン」でカリフォルニア州モントレー湾の海域を探索していたところ、水深975メートルでスティギオ・メデューサと遭遇。
MBARIはこの領域で1000回潜水を行ったにもかかわらず、スティギオ・メデューサに遭遇したのは9回だけだという。
以下の動画はMBARIが2015年に公開したものだ。
Ghostly critters from the deep sea: Stygiomedusa gigantea
謎に包まれた生態
スティギオ・メデューサについては観察例も少ないため、ほとんど知られていなかった。特徴としては他のクラゲが持つ触手が退化し、刺胞がないので毒で獲物を捕らえることができない。
その代わり、大きく発達したスカーフのようにたなびく長い口腕を使って獲物をおびきよせ包み込むようにして補食しているのではないかと研究者たちは考えている。
また、ほのかにオレンジ色に輝く頭部から周期的なパルスを出して、漆黒の深海を移動しているらしい。
以前の調査から、スティギオ・メデューサはアシロ目の深海魚、Thalassobathia pelagicaというアシロ目フサイタチウオ科の魚と共生関係にある事が示唆されていた。
Stygiomedusa gigantea and Thalassobathia pelagica
今回の調査でも、この深海魚がスティギオ・メデューサの傘の中にある口腕の間に出入りする様子が観察されたという。
深海の捕食者
クラゲは、深海でよく見られる生き物だ。圧縮可能なぶよぶよしたゼリー状の体は、とてつもない圧力にも耐えることができる。かつてクラゲは深海の生態系にとってそれほど重要ではないと考えられていたが、2017年の研究で、深海クラゲは、イカなどの頭足類や魚類、さらにはシロナガスクジラなどとエサを競合する、深海でもっとも重要な捕食者であることが明らかにされた。
References:Giant 'phantom jellyfish' that eats with mouth-arms spotted off California coast | Live Science / Scientists Catch a Mesmerizing Glimpse of a Super-Rare Giant Phantom Jelly / written by konohazuku / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
黒くてひらひらしていて優雅だな
2. 匿名処理班
ポケモンのプルリル
3. 匿名処理班
その後分裂し、頭部はブニョに、触手はノーバに進化していく
4. 匿名処理班
頭の発光具合がなかなか神秘的
これは古代の宇宙人の生体探査機がコントロールを離れて今も漂ってるに違いない‼️
5. 匿名処理班
このサイズなのに模様も構造も極めてシンプル
複雑な器官は必要ないってことなんだろうけど、それでこれほど大きくなるってことは天敵いないのかな?
だとしたら来世はスティギオメデューサになるのもいいな
光のない真っ暗闇でふよふよのんびり泳ぐ毎日・・・
6. 匿名処理班
ワイの玉袋もこんな感じや
7. 匿名処理班
綺麗だと思いたけど生理的に恐怖感が勝る
8. 匿名処理班
優雅な貴婦人って感じで美しいな
9. 匿名処理班
子供が「ぼくのかんがえたうみのおばけ」として画用紙に描いてそうなビジュアルですね
10. 匿名処理班
※5を読んで平和な気持ちになったあとの
※6での気持ちの落差が…
11. 匿名処理班
地球外生物感凄い
12. 匿名処理班
ゲーセンにあったオーシャンハンターのメデューサ(海月)を思い出す
13. 匿名処理班
円盤生物…
14. 匿名処理班
傘の部分が野原しんのすけの顔みたいな形だね
15. 匿名処理班
※6
ほな、息子スティックもふにゃふにゃしてまっか?w
16. 匿名処理班
エチゼンクラゲ
「数が少ないとありがたがるんやな」
17. 匿名処理班
MAC全滅させそう
18. 匿名処理班
こうして見ていると、明らかに水煙の擬態に思える
キノコ雲そのもの
そう考えると、この長いリボンの役割も納得できるよね
19. 匿名処理班
シルクの布切れみたいな口腕
このヒラヒラ、水から揚げたらどうなるんだろう
20. 匿名処理班
魔女みたいだ
21. 匿名処理班
少し気になる部分があったのでコメント失礼します。
『その長い口腕は、名前となったメデューサの髪のようだ』とありますが、クラゲのライフサイクルの中で、クラゲの形態であるもののことをメデューサと呼ぶので、メデューサと呼ばれるのはこの種に限ったことではないと思います。
22. 匿名処理班
円盤生物第3号アブソーバ!円盤生物第3号アブソーバじゃないか!!
23. 匿名処理班
エチゼンクラゲとどっちが大きいんだろう
24. 匿名処理班
刺胞が全く無いの?
「刺胞動物界の面汚しめ!」とか言われてないかい
あと 抱きしめると気持ちよさそうな気がする
25. 匿名処理班
※10
そして君のコメントで爆笑したよ
26. 匿名処理班
こんなに全身褐色で不透明っぽいクラゲがいるなんて知らなかった
光が届かない場所なら、透明や半透明である必要がないからかなぁ
27. 匿名処理班
ひっそりと深海に安住の地を得た、
太古に移住してきた地球外生命体の子孫と言われても
信じてしまいそう・・・・・・。
28. 匿名処理班
※27
サムネ見たとき
「めっちゃ火星人やん」と思ってしまった。
29. 匿名処理班
ハリー・ポッターのディメンター思い出した。
30. 匿名処理班
こんなゆっくりなのに、クジラやイカと競合するのが不思議。
31. 匿名処理班
オシャレなデザイン
32. 匿名処理班
※12 僕も同じ事、思いました。
オーシャンハンター、懐かしいですね♪♪
あの巨大クラゲの名前もメドゥーサでしたね。
33. 匿名処理班
エクスペクトパトローナム!!
34. 匿名処理班
動画を見ても、深海の真っ只中、大きさを比較できる他の要素が何も写ってないので、大きさがよくわからないな。15cmですよと言われても、5メートル ですよと言われても、そんなもんかな? と思えてしまう。
横にタバコの箱とかバナナとかおいてくれればいいのに。
35. 匿名処理班
>>16
まあまあ、食って旨いのはアンタだからw
36.
37. 匿名処理班
SFアニメ『シドニアの騎士』に出てくる「白羽衣つむぎ」の外見そのものでビックリ!
38. 匿名処理班
生物なのに布っぽさが物凄い
39. 匿名処理班
円盤生物ぢゃん
シルバーブルーメぢゃーん!!
40. 匿名処理班
造形がシンプルすぎてCG?と思ってしまった
丸いのの真ん中の赤い所は光ってるの?
それとも中身が透けて赤く見えてるの?
海の中にはまだ誰も見た事が無い生き物がいっぱいいるんだろうなぁ…
41. 匿名処理班
宇宙より身近なところにあるのに深海はまだまだ謎が多いねえ。
圧倒的な水圧と暗黒が阻んでるんだろうな。
42. 匿名処理班
シルバーブルーメw
同じこと思ってる人いたな
刺せないし動きが遅すぎて補食はできそうにない
プランクトンでも食べてるのか
体を巣にしてる魚の糞を食べてるんだろうか