caling
image credit:photo by youtube

 犬や猫は長い間人間と共に暮らしてきた。だから彼らは、「自分たちにはできないことでも人間ならできる」ということを知っており、困ったときには、助けを求めてやってくることがある(関連記事)。

 そして人間の側でずっと暮らしていたのは犬や猫だけじゃない。牛や馬だってそうだ。彼らも人間のことをよく知っている。

 それは長い年月をかけて遺伝子に組み込まれていて、人には2種類あって、動物にやさしい人もいればそうじゃない人もいるということを知っている。

 だから、ある牛は困難に陥った時に、近くにいた人間に助けを求めた。この人が良い人だったらきっと助けてくれるに違いない。

 その牛は我が子がフェンスの下にはさまってしまったことを視線や鳴き声で必死に訴えたのだ。その人間は良い人だった。牛が助けを求めていることを察知して子牛を救い出してくれたのである。
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Mother cow clearly asks man to rescue her newborn calf

牛が自分を呼んでいる?行ってみると…


 カナダのオンタリオ州に住むデイヴさんは、近隣の牧場に住む牛たちが好きで、その姿を撮影し続けている。

 1年近く前のこと、彼がいつものように牧場の脇に車を停車して、牛たちを撮影していたところ、その中に、何だか変わった動きをしている牛が一頭いることに気が付いた。

 フローという名のこのメス牛は、近くのフェンスとデイヴさんを交互に見ながら、何かを訴えかけるように鳴いていた。他の牛たちもフローに注目し、その訴えを理解していたようだ。

caling
image credit:photo by youtube

生まれたての子牛がフェンスに挟まっていた


 「もしかしたら自分を呼んでいるのかもしれない」そう思ったデイヴさんはフローに歩み寄ってみた。

 近くまで寄っていくとそこには...
 生まれたての子牛が、フェンスの下に嵌ってしまっているではないか。

calf
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 フローは、牧場主の予想より早く出産の時を迎えたのだが、出産そのものには問題はなかった。ただ、出産した場所が、池とフェンスの間だったのである。

 生まれた子牛は、運悪くフェンスの下に滑り込んでしまって、そこから動けなくなっていたのだ。そこから抜け出すための知恵も力も、当然ながら、まだ備わっていない。

 牧場の人は、その付近には見当たらなかった。

baby
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子牛と母牛の間を阻む電気柵


 フェンスは防犯の為電気が通っている。母牛が直接助けることはできない。これは自分が助けるしかない。

 そう理解したデイヴさんは、まず棒切れを拾ってきて、フェンスのワイヤーを押し上げた。そして、子牛の身体をフェンスの中に押し入れた。

pushin
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 デイヴさん途中で何度か電気ショックを受けてしまったものの、子牛を救い出すことに成功。無事に母親の元にたどり着けたのである。

 ようやく、フローは我が子の身体をきれいに舐め、乳を与えることができたのだった。

gathered
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子牛を無事救出、牧場主と一緒に牛たちの様子を見に


 タイミングよく…というべきなのか、そのすぐ後に牧場の人々が戻ってきた。

 デイヴさんはたった今起こったことを話した。そして、彼らが子牛を確認に行くのに、デイヴさんも同行することになったのである。

 フローも子牛も、デイヴさんをしっかり覚えていたようだ。

 ちなみに、この子牛には「スパーキー」(火花を散らす、快活な)という名が与えられたそうである。

after
image credit:photo by youtube

デイヴさんは牛にやさしい人だと知っていた?


 デイヴさんと牧場との親交はこの後も続いている。他の牛たちもデイヴさんに惹かれているようだ。

 人間には2つの種類がある。動物にやさしい人とそうでない人。牛はデイヴさんが牛にやさしい人だということを見抜いていたようだ。

 こちらの動画は、つい先日、牧場主が出かけなければならないので留守中の牛の世話を頼まれたときの様子である。フィオーナとフロッシーという牝牛が犬のように甘えている。


Cows compete for affection just like big puppy dogs

 デイヴさんは牛たちが見抜いた通り、大の動物好きである。そのためか、動物が好意的に近づいてくることがよくあるようだ。

 ただし、デイヴさん自身はこう言っている。「この牛の群れは世話が行き届いており、人間によく慣れています。ですから、牧草地に人間がいても異議を唱えないのですよ」

 とは言え、牛は社会性が高く情が深い動物だ。いつも牧場に来て撮影していることも知っていたし、この人なら助けてくれると感じたのかもしれない。

・牛は死の間際までおじいさんを愛し続けた。長年共に過ごし、深い絆を結んだ牛と飼い主の愛情物語(台湾) : カラパイア

References: The Western Journal / YouTube など / written by K.Y.K. / edited by parumo
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ここに来れば助けてくれると聞いて...傷ついたカラスが動物好きの家に現れ、5匹目の猫?になる。


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コメント

1

1. 匿名処理班

  • 2019年06月16日 11:40
  • ID:NcywDwg80 #

「モウ大好き(スリスリ」

2

2.

  • 2019年06月16日 11:43
  • ID:Zi1wVjnm0 #
3

3.

  • 2019年06月16日 11:49
  • ID:IUn42ipD0 #
4

4. 匿名処理班

  • 2019年06月16日 11:52
  • ID:x0ay7w.b0 #

以前、牛小屋にいた牛の顔を撫でようとしたら嫌がられて悲しかった
いっしょにいた母と叔母には嬉しそうに撫でられてたのに..
やっぱ牛肉が好きなのがバレてたのかな

5

5. 匿名処理班

  • 2019年06月16日 11:56
  • ID:TWKmut6b0 #

助けてる最中に電気柵に触れてしまったみたいだけど火傷とかしなかっただろうか...。デイヴさんも子牛も無事でよかったね。普段から目にしてたから前掻きが「何かが欲しい」動作だと気付いたのかな。
牧場の人がちゃっかりお手伝い要員(デイヴさん)確保してるオチが、牛も人も幸せで良きかな。

6

6.

  • 2019年06月16日 11:56
  • ID:umxU.zgc0 #
7

7. 匿名処理班

  • 2019年06月16日 12:00
  • ID:QGmy.wJX0 #

「そのすぐ後に牧場の人々が戻ってきた」のは
電気柵の電流に異常があった(「デイヴさん途中で何度か電気ショックを受けてしまった」)からでしょう。

8

8. 匿名処理班

  • 2019年06月16日 12:07
  • ID:J3W.WHl20 #

いいハンターってやつは動物に好かれちまうんだ

9

9. 匿名処理班

  • 2019年06月16日 12:11
  • ID:c57DERY.0 #

助けを求めてもらえなかったら
オマエダメ認定感があって勝手にダメージ受けそうだ…

10

10. 匿名処理班

  • 2019年06月16日 12:15
  • ID:1l55SUnz0 #

電気ショックを何度も受けて大丈夫って…
数年前、国内で死亡事故があったよね。

11

11.

  • 2019年06月16日 12:30
  • ID:PEGaBfWU0 #
12

12. 匿名処理班

  • 2019年06月16日 12:32
  • ID:ac1.stAw0 #

>ちなみに、この子牛には「スパーキー」(火花を散らす、快活な)という名が与えられたそうである。

海外の動物の逸話でよくあるこういうネーミングセンス好き

13

13. 匿名処理班

  • 2019年06月16日 12:44
  • ID:26oTLEMX0 #

「百姓貴族」で放牧中に出産して動けなくなった仲間の元に
他の牛が荒川先生を案内したっていうエピソードもあるし頭いいよね

14

14. 匿名処理班

  • 2019年06月16日 12:49
  • ID:E6KScIpP0 #

牛って人間の子供に対しても優しいよね
だからきっとこの人も子供の心を持ち続けてるんだよ

15

15. 匿名処理班

  • 2019年06月16日 12:52
  • ID:kdK2ol4x0 #

モーモーネットワークも存在するのか…

16

16. 匿名処理班

  • 2019年06月16日 13:05
  • ID:D.wUgjt50 #

スモーキーにならないでスパーキーで良かったな
ジャーキーってのもあるけど

17

17. 匿名処理班

  • 2019年06月16日 13:05
  • ID:HVYHiy5Q0 #

>>10
アレは違法な程に強力な電気を流してた上に
水に電気が漏れていて
水の中に入った人がね…

18

18. 匿名処理班

  • 2019年06月16日 13:20
  • ID:rfREmbSO0 #

>>10
それは電気の設定がおかしかっただけで、こういうのは「痛っ」で済む程度のが断続的に流れてるだけだから。人間がヤバい電流なら子牛なんか死んじゃうでしょ。

19

19. 匿名処理班

  • 2019年06月16日 13:20
  • ID:24T2Snw.0 #

>>10
あれは素人が自作した、安全基準を満たしてないものだから。

20

20. 匿名処理班

  • 2019年06月16日 13:25
  • ID:9UbEX14L0 #

※10
普通はちょっとビリっとくる程度なのよ。
本来こういう電気柵は家畜を守るために設置するんだから触っただけで死んじゃうようなものだったら無意味だし。
あの事件は自己流で異常な高電圧の柵を設置したことが原因の、ほぼ殺人と言ってもいいようなひどい事例なんよ。

21

21.

  • 2019年06月16日 13:40
  • ID:PUr1J44T0 #
22

22. 匿名処理班

  • 2019年06月16日 13:49
  • ID:vU0k6rAr0 #

イイハナシダナー

23

23.

  • 2019年06月16日 14:42
  • ID:DR6bu1xp0 #
24

24. 匿名処理班

  • 2019年06月16日 15:35
  • ID:Iej2mgqq0 #

>>16
そーゆうのはモウ結構です

25

25. 匿名処理班

  • 2019年06月16日 15:36
  • ID:OnOHSv8M0 #

電撃を食らっても助けるその心意気、敬意を払いたい

26

26. 匿名処理班

  • 2019年06月16日 16:16
  • ID:tnAjDXKC0 #

ピリッ!程度じゃなくて全身の筋肉が一瞬まともに動かないくらいのショックがあるんですよ。ドックン! あ… ヤバい… けっこう恐怖を感じるんだよ

27

27. 匿名処理班

  • 2019年06月16日 16:36
  • ID:DXzduwCd0 #

最後、子牛が挨拶に来た後、母親のフローがちょっと物言いたげな顔をして、パチッとまばたきしたのがとても印象的だった😊

28

28. 匿名処理班

  • 2019年06月16日 16:43
  • ID:T.otLHQZ0 #

動物に優しくありたいなぁ
自分のことでいっぱいいっぱいになると、自分が自然の中で生かされていることを忘れてしまいそうになる

29

29. 匿名処理班

  • 2019年06月16日 17:22
  • ID:..J3q43Y0 #

※28
大丈夫。
そういう風に思えるあなたはきっと優しい人。
周りの人はきっと気づいてますよ

30

30. 匿名処理班

  • 2019年06月16日 17:23
  • ID:Kv1.TX5R0 #

でも、この仔牛は後で美味しく食べられることになるのよね…。

31

31. 匿名処理班

  • 2019年06月16日 18:16
  • ID:KbP.qJte0 #

ウシを含め動物に警戒される人と警戒されない人はいると思う。
私も彼氏も自然の動物写真を撮るのが好きだが、彼氏は動物から取られる距離が私よりずっと短い。ネコもそう。私には「フン」と見向きもしないくせに、彼氏にはいくらでもモフらせる。動物が嫌いじゃないのに警戒される。私は菱沼だろうか。
悲しいけど、動物は自分たちにやさしい人をしっかりと見抜いている。

32

32. 匿名処理班

  • 2019年06月16日 18:38
  • ID:OIH7MMk80 #

牛に代わって私がお礼を申し上げます
「モーモーモー」

33

33.

  • 2019年06月16日 18:46
  • ID:JEJXbCqc0 #
34

34. 匿名処理班

  • 2019年06月16日 18:48
  • ID:eNfgHpTs0 #

乳牛なんじゃないか?

35

35. 匿名処理班

  • 2019年06月16日 18:49
  • ID:ml28GksF0 #

※30 まあね
でも人間が食べなかったとしても他の肉食獣に食われるか
微生物に食われて土に還るかのどちらかでしょう?
人間が食べることはそんなに違いがあることかしら

36

36. 匿名処理班

  • 2019年06月16日 20:24
  • ID:nioCY08Z0 #

こういう人は人にも優しいと思うぞ

37

37. 匿名処理班

  • 2019年06月16日 20:48
  • ID:0h40W9dq0 #

おいしそう!

38

38. 匿名処理班

  • 2019年06月16日 20:58
  • ID:P7kr.DNk0 #

百姓貴族読者がやはりいた

39

39. 匿名処理班

  • 2019年06月16日 20:58
  • ID:xMVewZF20 #

幼稚園の帰り道、酪農家の敷地で電気ショックやってた
バラ線触るとビリビリして楽しかったわw
たまーに足裏から釘を刺された様な衝撃もあったな

...薄くなったのはそのせいか気のせい(百パー遺伝)

40

40. 通りすがり

  • 2019年06月16日 21:05
  • ID:pdkuq3k90 #

>>30
美味しく食べられるように牧場主が責任を持って育ててくれるだろうから問題ではないよ

41

41. 匿名処理班

  • 2019年06月16日 21:12
  • ID:ag6IDIB.0 #

>>30
♪ドナドナド〜ナ〜ド〜ナ〜♪

42

42. 匿名処理班

  • 2019年06月16日 21:16
  • ID:ag6IDIB.0 #

産まれたての仔牛って眼の周りとお鼻がピンクなんだ。可愛ええ☆

43

43. 匿名処理班

  • 2019年06月16日 21:21
  • ID:IUn42ipD0 #

※35
肉食獣は生命維持に必要な量だけ食う

人間は違う

そんなこともわからないのか?

44

44. 匿名処理班

  • 2019年06月16日 21:49
  • ID:hz8XbeJ.0 #

>>43
腹がいっぱいでも遊びで殺して放っておいたりするよ
動物に夢見過ぎ

45

45. 匿名処理班

  • 2019年06月16日 22:11
  • ID:ZnsNI5Ci0 #

>>20
指が吹っ飛ぶくらいだからビリッじゃ済まなかったろうね

46

46. 匿名処理班

  • 2019年06月16日 22:50
  • ID:ft9oMdbZ0 #

デイブさん、素敵な人だなぁ!
あんなに好かれて羨ましい。

47

47. 匿名処理班

  • 2019年06月17日 00:13
  • ID:JeI0jD7U0 #

デイヴさんの家に翌日、恩返しに牛がやってきそう

48

48. 匿名処理班

  • 2019年06月17日 01:08
  • ID:Dsg.kfMS0 #

動物が人間に助けを求めにやって来る話は
偶に聞くけれど、牛もなのかい?
案外とノンビリしている様に見えて、牛って賢いのね

49

49.

  • 2019年06月17日 01:38
  • ID:IN190Ssk0 #
50

50. 匿名処理班

  • 2019年06月17日 03:22
  • ID:.VW2B9pY0 #

>>43
知能が高くて社会性のある動物は狩りを娯楽としても楽しむらしい
イジメをする動物も多いし
人間の残酷さだって根本的には動物と同じ

51

51. 匿名処理班

  • 2019年06月17日 10:23
  • ID:8GNCEfS40 #

生きるってことはそもそも残酷なことなのよ
何かの生命を殺めないと生きていけないいんだからね
人はそれを少しでも克服する役目があると思うんよ

52

52. 匿名処理班

  • 2019年06月17日 16:51
  • ID:1P9kuwNy0 #

牧場の留守番を任せられるってすげえな!

53

53. 匿名処理班

  • 2019年06月17日 19:19
  • ID:iGSc0u4u0 #

※32
ビリー・アイドルなら許す
坂上忍だったら容赦しない「モーモーモー」。

54

54. 匿名処理班

  • 2019年06月17日 19:55
  • ID:w6SFRQke0 #

※50
そもそも動物って「グルメ」だよね。
草食獣も肉食獣も。
美味しいとこだけ食い散らかしてあとは放置。
農家の人が手間ひまかけて育てた野菜や果物が一口だけかじられて散らばってるのを見ると心が痛むよ…。

55

55. 匿名処理班

  • 2019年06月19日 14:50
  • ID:UvrwK5kq0 #

イイハナシダナー。まあ時期が経てばその子牛も出荷されるんですけど。

56

56. 匿名処理班

  • 2019年06月23日 23:02
  • ID:g6lmGClE0 #

酷い苦痛を与えて食べてしまう、いったい何なんだこの世界は?

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