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「光を物質に変える」理論上の可能性に挑む研究者たち(英研究)

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(著) (編集)

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 理論上は光を物質に変えられるはずだ。だがそれを実現するのは控えめに言っても「言うは易し、行うは難し」である。

 このことが理論化されて84年が経った今、一部の研究者はそれが可能かもしれないと考えた。そして、そのための実験がまさに始まろうとしている。

 これはブライト=ホイーラー過程(Breit-Wheeler process)と呼ばれており、まさにアインシュタインの特殊相対性理論から導かれた式「E=mc2」のことを言っている。

光から物質を生む。理論上は可能でも実現不可能?

 これが最初に記述されたのは1934年のこと、グレゴリー・ブライトとジョン・ホイーラーの論文においてだ。

 論文で両名は、2つの光子(光の粒子)を衝突させれば、陽電子と電子が生じると提唱した。すなわち光から物質が生まれるということだ。

 実行するのは容易いことではない。実際ブライトとホイーラーは不可能だとすら考えていた。

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光子エネルギーを物質に変える挑戦

 最近の科学者はもう少し楽観的だ。だが実験を行うには膨大なエネルギーの粒子が必要になるため、現時点では実験室で観測されたことはない。

 インペリアル・カレッジ・ロンドンの研究者が、高エネルギー粒子がなくてもできる実験装置を考案したのは2014年のことだ。そして、ついに間もなく実験が実際に行われようとしている。

 「これはアインシュタインの有名な公式E=mc2の純粋なデモンストレーションです」と物理学者スティーブ・ローズ教授は説明する。

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image credit:Imperial College London

 「公式は物質がエネルギーに変えられる時に生じるエネルギーの量を述べています。私たちの実験は同じことを逆向きにやります。光子エネルギーを物質に変えるのです。つまりm=E/c2です」

 この実験設備は光子光子衝突型加速器と呼ぶ。2つの超高出力レーザーを利用するもので、1つは可視光を作る光子のエネルギーの1000倍、もう1つは100万倍のエネルギーを持つ。

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image credit:Imperial College London

 レーザーは光子を作るために使用され、これらを互いに衝突させる。

 まずターゲットチャンバー内で電子が金板に放たれ、高エネルギーの光子ビームが作られる。次に、2つ目の高エネルギーレーザーが「ホーラム」という小さな金の筒に放たれ、熱放射場が作られる。

 ここに光子ビームを通過するように向けると、2つの発生源で生じた光子が衝突する。上手くいけば、この衝突で電荷を帯びた陽電子を検出できるはずだ。

 しかしデータの確認は、陽電子が別の背景プロセスで生じていないという確証を得るために、きわめて慎重に行わねばならない。そして成功すれば、ただ驚きなだけでなく、宇宙の理解も進めてくれることだろう。

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 「グレゴリー・ブライトとジョン・ホイーラーがこのメカニズムを1934年に提唱した時、彼らはそれを量子電磁力学という光と物質の相互作用の新理論として用いました」とスチュアート・マングルズ博士は話す。

 「量子電磁力学に関する他の基本的予言はすべて実験で実証されましたが、二光子ブライト=ホイーラー過程は一度も観測されていません。それを実証できれば、宇宙が始まって最初の100秒という重要な期間やガンマ線バーストのプロセスを再現することになります。それは宇宙でも最大の爆発であり、物理学上最大のミステリーの1つです」

 上手くいかない可能性もある。だがそれはそれで素晴らしい科学的成果だ。失敗したら、次にもっと上手くいくよう工夫できるからである。

References:imperial.ac / inhabitat/ phys / written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 66件

コメントを書く

    1. ※1
      ワクワクさん「今日は光から物質を作るよ」

      ゴロリ「」

      • +21
  1. こういった科学記事は読んでいてワクワクするが、反面、先進的すぎてこの研究が我々の暮らしにどう影響を及ぼすのか、ってところがイメージしにくいんだよなぁ
    光の物質化、なんて字面ではすごくロマンを感じるけど、実際に資材やらエネルギー源やらとして活用できるほどの成果に繋がるんだろうか?
    太陽光から建築資材とかをガンガン作れるようになれば、そりゃスゴイと思うけど、ただ砂粒みたいなものがちびちび作れたところでロマン以上の意味は無いよな

    • -20
    1. ※2
      たしかに受動的に生活に役立つことはあまり期待できない。
      しかしこうした理論や実験は、ハードSFの世界でしか注目を浴びなかった概念をミドルカルチャーに落とし込んでくれる
      漫画やゲーム、映画にそういった概念が普及し、ユーザを楽しませてくれるんだ
      例えば20年ほど昔は量子力学や並行世界なんて小説や化学雑誌が好きな人しか知らない概念だったがその後数年でシュタインズゲートや漫画でオタク達にも知られる事になり
      エンタメの景気に一役買った

      それでもロマンに過ぎないと言えばそれまでだけど・・・

      • +7
    2. ※2
      二世紀も三世紀も昔、ルビジウムやらコバルトやら、希少金属を分離した、と喜んでたのは科学者だけで、誰も使い道なんか分からなかったが、今はハイテクに欠かせないだろ?

      • +14
  2. 転送装置も可能な訳だが、「言うはやすし、西川きよし」

    • 評価
    1. ※3

      スタートレックのレプリケーターの第一歩かもしれない

      • 評価
  3. 光子力研究所で光子力まんじゅうが生産される日も近いな

    • +5
  4. なになに?
    パルスのファルシのルシがパージでコクーン?

    • +3
  5. 数式で表せるとそういう思考も出来るのか
    すっごいなぁ…

    • +6
    1. ※9
      数式があるからそういう思考が可能じゃなくて、そういう物理現象が可能だから数式になったというべきでは?
      それを実証するのがこの実験の意義なわけだが…

      • +6
    2. ※9 光合成と記事の実験は性質が全く違う物だよ。

      ※27を補足すると、光合成はある化学物質を別の化学物質に変える。
      反応前の材料は二酸化炭素(酸素・炭素から出来てる)、それと水(酸素・水素)。それが炭水化物(炭素・酸素・水素)と酸素に変わる。
      例えるとレゴブロックで作った飛行機を一旦バラして自動車に組み替える様なもので、
      光のエネルギーはバラすのと組み立てに使われる。ブロックである原子の種類と数は、反応の前後で変わらない。

      記事の実験はそれと全く別で、電子と陽電子という素粒子を無い所から作る…あるいは光を電子と陽電子に変換しようとしてる。レゴブロック自体を作る様な物かな。

      • +2
  6. 実はもう自然界で見られる現象なんじゃが?
    植物の光合成が正にそれ

    • -22
    1. ※11
      それは物質を作るためのエネルギーを光を変換しているだけで、光から物質が生まれているわけじゃないぞ
      製粉用の風車が風力を臼を回す力に変換しているようなものだ
      じゃあどういう事かといわれると説明できんが……

      • +6
  7. 光合成は化学変化の活性化エネルギーを
    光で賄ってるだけで光が物質になるわけではないと思うが

    • +23
  8. ふむ・・・なるほど・・・私の知能では理解できないことは理解できた

    • +4
  9. 確か日本でもしようとしてたはず
    楽しみなんだよね
    光から物質なんてほんとに魔法みたいじゃん

    • +2
  10. テッカマンブレードの装甲が実現出来るぞ。

    • +3
  11. いきなり応用になる技術は少ないでしょうに。
    基礎理論の確認です。

    光合成と混同しちゃう人はwikipediaでも読んできた方がいい。

    • +9
  12. いますぐ失敗せずに実用に足るものだけを研究せずに開発しなさい
    じゃ夢も希望もハッテンもないな

    • +9
  13. 光源はレーザーよりシンクロトロン放射光のほうが明るいと思うんだけど……

    • 評価
  14. 光が物質になってなにがE=MC2?
    と思ったが、あくまで光の運動エネルギーが質量に変換される、ということか。
    光には質量がないからこそ、この変換がうまくいったか判定できるわけね。

    • -1
  15. 電子と陽電子が反応してガンマ線が二個できる反応の逆ってことか
    結構簡単そうだけどな

    • 評価
  16. こういった技術が世の中に溢れるのは百年単位で先の事だけども、確実に数百年後に何かの役に立ってるんだよな

    • +5
  17. あぁ・・なんだ。
    光に質量を与える実験かと誤解したわ。

    • 評価
  18. 「こうしりょくビー-ーーーーム!!」
    って、マジンガーZかよ!

    • +3
  19. ええと、研究グループは、光がありえない密度でもみくちゃになっている状況を人工的に作り出そうとしていて。

    その結果次第では、宇宙の最初期、つまり現存する物質はいかに生み出されたか。あるいはブラックホールの表面で何が起こっているか、といったことを理解する手がかりになるかもしれない……?

    • 評価
  20. 成功したらすごいしなんか面白そうだけど
    混ざったミルクコーヒーをミルクとコーヒーに分けろと言われるような難題に思える

    • +2
  21. ガンマ線 → 電子陽電子の対生成
    普通の放射線実験や自然界で起きてることなんだけど
    そんなに特別な現象なんだろうか?

    • 評価
  22. キューティーハニーの空中元素固定装置を思い出した
    あれは光から物質を作り出している訳じゃないけどね
    『どんだけ空気の量が必要になるんだ?』と思ったよ

    • +1
  23. あれ?
    ガンマ線同士で対生成実験ってやってないの?って思ったら、
    今は陽子同士をぶつけてやってんだな。

    • 評価
  24. 神さま「 光子衝突開始! 」
       ((( ピカッ )))
    神さま「 成功した、、でもなんだかドンドン大きくなってゆくぞ。」
    神さま「 心配だな。ダークマターを注入しておこう、これでやがて消滅するはずだ、、」

    • +1
  25. ユーレイを物質化するみたいな話だな。
    光子って定義上質量ゼロらしいし…。

    • 評価
  26. ガンマ線からの電子・陽電子ペア生成からの三光子消滅は出来てなかったっけ?

    • 評価
  27. あれ、光子同士って、相互作用できたっけ?

    • +1
  28. 光と光をぶつけたら触れるものが出来ましたって事か?
    馬鹿だからわからん

    • 評価
    1. ※43
      ビームサーベルはエネルギーCAPによって縮退寸前の高エネルギー状態で保持されたミノフスキー粒子(一説にはメガ粒子)をIフィールドによって収束し、ビーム状の刀身を形成させるものだよ。
      光を物質化とはちと違う。

      • 評価
  29. SFとかで良くある、エネルギーを物質化して生成した剣とかが可能になるかも知れんのか。
    これは胸熱だな。

    • +2
  30. あまりに進んだ科学は魔法と区別がつかない

    という言葉を思い出した

    • +2
  31. 原材料:大豆(太陽光組み込みではない)

    • +1
  32. クッキークリッカーが現実になる日がくるのかな

    • 評価
  33. 物質を光(=エネルギー)に変えるのは、もう70年以上前に実用化されてるけど(そしてそれで日本は都市二つを焼き滅ぼされたけど)、
    光を物質に変えるのも、できるようになったんだなあ。
    “技術のための実験の技術”てのも進歩したもんだ。

    あと光合成と誤解してる奴は恥ずかしすぎるから、もういちど小学校からやり直して理系大学に入れ。

    • 評価
    1. ※52
      いや、流石に光合成と今回のトピの内容を混同している人は居ないと思うけど?混同しているんじゃなくて、光を利用して何か別の物を生み出す・・・という一番身近な例なので引き合いに出しているだけ・・・だと思うよ?

      それにしても、学問上だけでもこういう事が考えられる時代になったというのは、素粒子物理学が発展して来たから・・・というのは大きい気がする。(30年前に同じ事を発表したとしても、変人扱いされるだけだったろうなぁ?)

      • -1
  34. まあ、できる事にはできるのかも知れんが、それをやるには恒星を1個作り出すくらいのエネルギーが必要・・・とか言いそうな予感がする。現在存在している物質が形成された時には、どれだけ凄いエネルギー作用が働いたのか?と思うよ。(だけどそういう技術でも、数百年後、数千年後とかには開発されるのだろうか?個人的には神の領域に感じられるけどね)光から何か作るよりも、ヘリウムから物質を重合させて行って、最終的には重金属を作り出す技術の構築の方が先そうだけどね。(それが出来ないくらいなら光からなんて、まず無理だと思う)

    • 評価
  35. アインシュタインさんが言うには、「光速度が宇宙で一番速い速度であり、何者もこれを越えることはできない。」
    ほんまかいな?「観測の結果、この宇宙では、光だけが特別なのである!」てな訳で、計算上・・・E=mc2・・・
    物体は、光速になると、長さはゼロになり、時計は止まり、質量は無限大になり動かなくなる。すなわち「物体は事実上光速度になることはできない。」すると、「この世では光から物体は生まれない!」と言うことになりますな。
    つまり、宇宙の始まりは次元が無く、時間もなく、長さも距離も、質量も無かった、この世ぢゃありませんってことだ。それって何?この世はなんじゃらホイ?存在とは?と言う哲学的なことを考えさせてくれる実験?
    コラー!ライトサーベルはライトサーベルで受けられませんぞー!!
    フォースあるのみ!

    • -3
  36. アインシュタイン博士は光速を超えられないとは言っていない。
    光速度を超えるタキオン粒子は特殊相対性理論内で予言されている。

    問題はアインシュタイン博士すらも自らの相対性理論に対する解釈を誤っていたという点。
    タキオンというのは正しい解釈をすれば粒子の“状態”のことを指す。
    そしてこの実験はタキオン状態粒子の存在を証明する証明実験の一つ。

    ここで問題、未来から来た人間と過去の人間が接触するとどうなるでしょう?

    • 評価
    1. ※55
      タキオン粒子は逆に光速よりも遅くなれない。光速にスピードが落ちてきたら、重さが無限大になってしまう。

      広島に落ちた原爆は、質量が1gエネルギーになっただけなんだよな。逆に言えばあれだけのエネルギーがあっても、1gの物質しかできない。恐ろしい話だわ。

      • 評価
      1. ※59
        無限大である事象の地平線に接触すると時空に関わる関数が逆符号になるんだよ。
        時間関数が逆転した粒子が反物質(タキオン状態)。

        • 評価
        1. ※61
          タキオンと事象の地平は関係ないだろ。

          • 評価
          1. ※62
            タキオンの静止質量は虚数。
            質量を持つ運動体が光速度を超えると密度が無限大になり事象の地平線に落ちる。
            ∞=0だが厳密にはゼロは存在しないので実数と虚数が反転する。

            • 評価
  37. つまりエヴァンゲリオンの使徒を作れるのか

    • +1
  38. 上で日本でもしようと、とかって書いた者だが間違いだった
    前見た気がしたのけど、どうやら何かの間違いだったらしい
    すまぬ

    • 評価
  39. ハンバーガーの原材料が核燃料になったりするのか

    • 評価
  40. なんだっけ、物質は光速の2乗ぶんのエネルギーになるんだっけ
    じゃあ光速の2乗分のエネルギーかけないと物質にならなさそうだけど

    • 評価

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