オーストラリア、クイーンズランドの州都ブリスベーンの北に約200km進むと、世界最大の砂島であるフレーザー島が見えてくる。島の大きさは南北に約120km、幅は最大で約24km。島全域がグレート・サンディ指定国立公園となっている。
熱帯雨林やユーカリの森、マングローブの林のほか、この地域原産の植物であるバンクシアに囲まれた泥炭湿地、砂丘や沿岸植物を内包するこの島は、並外れた自然の美しさで人々を魅了する。
ここには遮るものが見当たらない美しい砂浜が、島全体を取り囲むようにして250km以上もつながっている。そこには、40km以上も続く個性的で豊かな色彩の砂崖も含まれている。
浜辺から内陸にかけては、世界でも滅多に見ることのできない、高く積もった砂丘の上にそびえ立ちながら生き残った降雨林の木々を眺めることができるという。この島にある砂丘湖の数は世界中に存在する砂丘湖の半数を占めており、壮大かつ多様な風景を生みだしている。またフレーザー島では、砂の島としては世界最大の不圧帯水層(地下水が飽和している地層のうち、浅いところにあるもの。)も見つかっている。
フレーザー島の砂は、海岸線に沿って北へ向かう強い海流に運ばれる堆積物が、火山性の岩盤の上に約75万年間も積もり続けたものだ。島を横断して広がるこれらの砂丘は、森や他の植物群を埋めながら移動している。その砂の年間の移動率は風の強さや砂中の水分、植物の群れといった要因によって左右される。この砂丘達の流れは風が吹かない場所に到達すると徐々に止まるようだ。
東側の海岸に最近できた砂丘には、イネ科の草や厳しい潮風の環境に適応した沿岸植物達が繁栄している。風から守られている島の中央部分の砂丘は安定しているので成長に必要な栄養分が豊富にある。そのため様々な植物群と熱帯雨林がみられるのだ。
他の砂丘とは違って植物が生い茂っているのは、その砂の内部に植物の栄養分になる菌類が自然発生するせいだ。フレーザー島には様々な鳥類や、爬虫類、そして両生類の他、小型の哺乳類も住み着いていて、時には海水で暮らすワニを見かける時もある。この島はグレート・サンディ国立公園内の"フレーザー沿岸域"の一部として保護されている。
この島では5,000年の間人々が暮らしている。1770年5月には海洋探検家のキャプテン・クックがここに上陸した。そして1802年にはクック同様に海を巡ったマシュー・フリンダーズがこの島の北限付近に上陸した。それ故、この砂島は"グレート・サンディ島"とよばれた時期もあった。
現在フレーザー島という名が知れ渡ったきっかけは、キャプテン・ジェームス・フレーザーの妻であるエリザ・フレーザーが乗船していたスターリング・キャッスル号が難破しこの島へ流れ着いたのが由来だとされている。
ヘリコプターから見下ろしたフレーザー島の映像
via:amusingplanet・原文翻訳:R
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コメント
1. 匿名処理班
フレーザー――!!!!!
2. 匿名処理班
一生に一度は行きたい
3. 匿名処理班
赤茶色い川が流れてるよ
4. 匿名処理班
ここには足を踏み入れてはいけないな
何かが崩れてしまう気がする
5. 匿名処理班
空想そのままな島だな
6. 匿名処理班
こういう砂だらけの島、
実際に住んだらいろいろ大変そうだけど、なんか憧れる。
7. 匿名処理班
アボリジニはホントオーストラリアの風景にマッチした民族なんだなあ
8. 匿名処理班
1枚目がおっきめのシロクマの前足に見えた私は、ロマンが足りない!
9. 匿名処理班
砂が小麦粉みたいだったよここ。
10. 匿名処理班
いあいあ、バハマのエリューセラ島のピンクサンドの方が断然きれい
ここは故ダイアナ妃も訪れた場所で
陽が傾きはじめるとビーチの色が変化する
まさしくピンク色、新婚旅行で行ってきた
11. 匿名処理班
豊富な海水に加えて、菌類を自然発生させれば砂漠の緑地化も可能ってこと?
12. 匿名処理班
海水と菌類があれば砂漠の緑地化も可能ってこと?
13. 匿名処理班
この島では5,000年の間人々が暮らしている。
↑500の間違いでは。
それと自然のある場所はやっぱそのままがいいよな。日本だと政府や県がすぐに道路を作って舗装する。しかもビジュアル無視で。