おと
 軍事に役立つ様々な新技術を開発・研究をしていることで知られている米国防総省、国防高等研究計画庁「DARPA」は音波の振動により火を消火する新技術を開発した。

 飛行機のコックピット内や車両、船内など、密室空間での火災は兵士の命に危険を及ぼす。2008年5月、空母ジョージ・ワシントンの船上火災は12時間燃え続け7億ドルもの損害を出した。この船上火災を受け2008年、DARPAは、これまでの科学反応的消火方法からアプローチを変え、物理的に消火する「インスタント消火(IFS)プログラム」の開発に着手。音による消火方法を編み出したのだ。
ソース:I Call Sorcery: Extinguishing A Fire WITH SOUND | Geekologie
2012/07/12 To Extinguish a Hot Flame, DARPA Studied Cold Plasma
 物理学の観点から見ると、炎はプラズマである。DARPAは、火炎中でのプラズマと電磁波と音波の相互作用を理解し、それを定量化することにより火を鎮火させるという方法に至った。

DARPA Demos Acoustic Suppression of Flame
 映像では、炎を消す特定の周波数で音を発生させるために2つのスピーカーを使用してる。炎の両側にスピーカーを置き、そこから音波を発生させ、空気の運動速度を上げることで、炎の境界層燃焼を加速させた後、炎を広げることで、全体的な火炎温度を低下するというしくみ。

 IFSプログラムによって収集されたデータは、消火のみならず、燃焼の効率を高め一瞬にして炎上させるという、逆の課題にも適用することができる。DARPAは、今後この音波システムにより、火を自由自在に操り、燃焼効率を高めた小型エンジンの開発などに役立てるという。

DARPAは以前から、天候制御や地球工学的な研究を行っており、つい最近も稲妻を発生させるシステムを開発中であるというニュースはお伝えしたかと思うが、ついには「火」まで自由自在に操ることも、もはや不可能ではなくなっているということだね。いわゆる「神」の領域に突入ということか。

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コメント

1

1. 匿名処理班

  • 2012年07月21日 09:12
  • ID:dWDc7P0K0 #

>空気の運動速度を上げることで、炎の境界層燃焼を加速させた後、炎を広げることで、全体的な火炎温度を低下するというしくみ。
なるほど、わからん。

2

2. 匿名処理班

  • 2012年07月21日 09:24
  • ID:iU0GyE7l0 #

実用化に成功すればものすごく画期的な技術だとは思うが、火事の現場にどう適用させるかがまだ全然見えないね。恐らく初期消火用になるんだろうけれど、火の小さいうちにどれだけ素早くスピーカーを火元に持っていけるかが課題になりそう。
でも、火を消す技術はひとつでも多いに越したことはない。ひとまず期待。

3

3.

  • 2012年07月21日 09:34
  • ID:1i5QtEac0 #

魔法だな...

4

4. 匿名処理班

  • 2012年07月21日 09:52
  • ID:QZLC6R9A0 #

DARPA局長・・・

5

5. 匿名処理班

  • 2012年07月21日 09:57
  • ID:aXlBmdGa0 #

*1
この消化方法で何やってるかざっくり言うと、炎を「千切り」にして威力を弱めてるんだわ。
音ってのは、空気中を疎密波として移動する。
つまり、酸素や窒素のような空気中の分子の薄い所と濃い所を作りだす訳よ。
んで、炎ってのは、酸素分子と燃料の化学反応だから、空気の薄い所には炎は存在できない。
上の動画の音は大体100ヘルツ(一秒間に200回空気を振動させてる)から、大体1.5センチ間隔で、空気の薄い所と濃い所を作り出してる。すると炎はその1.5センチの中に閉じ込められて威力が弱まって消えてしまうという仕組み。
間違ってたらスマソ。

6

6. 匿名処理班

  • 2012年07月21日 10:51
  • ID:YrNzzThJ0 #

相変わらずレベルの高いコメが集まるサイトだ
しかもわかりやすい

7

7. 匿名処理班

  • 2012年07月21日 10:55
  • ID:wNvJi4.I0 #

燃焼効率を高めた小型エンジンの開発などには有効だが
炎との距離、スピーカ設置場所、角度、周波数計算etcが必要なので
実際の消化活動には使えないと思います。

8

8. 匿名処理班

  • 2012年07月21日 11:01
  • ID:c1uzZ1ag0 #

タイトル「火を消火する消火システム」ってくどいな。「火を消すシステム」でよくね?

9

9. 匿名処理班

  • 2012年07月21日 11:03
  • ID:OgXbsGBE0 #

何か彼等は人に使いそうな気が...
ひとまず中韓朝ヒトモドキでストレステストください♪

10

10. 匿名処理班

  • 2012年07月21日 11:06
  • ID:cyr71nas0 #

つまり逆もできるってことかい?!

11

11. ぐわんげ

  • 2012年07月21日 11:10
  • ID:SfN4lmY30 #

将来的に室内用の消化システムくらいにはなるだろうか?
スプリンクラーはビショビショになっちゃうしね…

12

12. 匿名処理班

  • 2012年07月21日 11:30
  • ID:52Hy.Igb0 #

セガールがダイナマイトでやってた。知ってた。

13

13. 匿名処理班

  • 2012年07月21日 12:24
  • ID:rRRD7XE90 #

5からメルカトル臭がする。

14

14. 匿名処理班

  • 2012年07月21日 12:31
  • ID:euekhE9G0 #

ダーパ局長 MGSで聞いたことあったけど実在してたのか

15

15. 通りすがり

  • 2012年07月21日 12:41
  • ID:b2lq.7th0 #

火事の時わーわー騒ぐのは無駄でなかった……
という理解で良いのだろうか?

16

16. 匿名処理班

  • 2012年07月21日 13:28
  • ID:pKBR9XOC0 #

※8
あくまで、「音で火を消す消火システム」だから、
重複を指摘したければ、「『"音"を用いた消火システム』にすべき」とか言うべき。

17

17. 匿名処理班

  • 2012年07月21日 13:43
  • ID:k0BL2MRH0 #

燃えてる人間に使っても大丈夫?

18

18. 名無し

  • 2012年07月21日 13:44
  • ID:wK3x4.Wh0 #

メタルギアに搭載してほしいな
だーぱって見るとしぎんとが頭を過るwww

19

19. 匿名処理班

  • 2012年07月21日 14:58
  • ID:ve0w8wW80 #

火を消火・・・頭痛が痛い的な・・・
これは人体に影響はないのかな?

20

20. 匿名処理班

  • 2012年07月21日 15:23
  • ID:jv2OH6k.0 #

ああ「すいませんつい!」の人か

21

21. 匿名処理班

  • 2012年07月21日 16:24
  • ID:dF4imlSc0 #

でも相手が引火性液体で、液体の温度が発火点を越えていたら、
スピーカーを消した途端にまた萌えだすのでは?
他の消火器と併用して使う前提なのかな
だとするとスピーカー自体が邪魔だよね

22

22. 匿名処理班

  • 2012年07月21日 16:38
  • ID:2a5sw3al0 #

逆もできるの?

23

23. 匿名処理班

  • 2012年07月21日 17:49
  • ID:iU0GyE7l0 #

>>21
オレもその辺が気になる。少なくとも、火炎が見えなくなっても火元の温度が十分下がるまでは、スピーカーを切れないだろう。熱が十分に逃げる場所ならいいが、密閉された部屋とかだとなかなか温度が下がらない可能性もある。
まぁ、閉所で空気を遮断できるなら不活性ガスとかの方がよっぽど速いだろうけど。

24

24. 匿名処理班

  • 2012年07月21日 19:26
  • ID:xPrFoCAA0 #

>>5
イメージ的にはアレか? 特定の周波数で振動する板の上で砂が縞模様をつくるアレ
みたいなイメージでいいのか?

25

25. 匿名処理班

  • 2012年07月21日 19:42
  • ID:3beucUa50 #

科学って思われる程には、簡単な事も解明してないしね〜
重力の発生だって解明されてないんだぜ?
やっぱり、この科学って分野は地球人としては幼稚なレベルなのかね

26

26. 匿名処理班

  • 2012年07月21日 21:53
  • ID:2Bw8NsxN0 #

サーマルカメラと指向性スピーカーの組み合わせで「炎の方に向けてスイッチ入れるだけ」の携帯消火器とかできそうだな。
電源とかスピーカーの出力の問題はあるだろうけど。

27

27.

  • 2012年07月21日 22:10
  • ID:lOdmfrYd0 #

※5
ソース見てもそんなこと書いてないぞ。
気化した燃料混合気がまさに火炎になっている境界面(ガスライターの炎の内側の三角錐型の青白い部分のイメージ)を、音波のエネルギーによって「厚みを薄く」するらしい。そうすると火が不安定になり消えやすくなる。
一方、燃料液体表面を音波でざわめかせてやると、燃料の気化が強制的に加速されて、炎が一気に大きくなる。と同時に炎全体の温度は一気に下がってしまう。だもんで次の瞬間に燃焼反応が続けられなくなって、鎮火する。
みたいなことが書いてあるが、正直よーわかりません、誰か火に強い人来てくれ。

28

28. 匿名処理班

  • 2012年07月21日 23:55
  • ID:Gj.sCPJe0 #

つマジシャンズ・レッド

29

29. 匿名処理班

  • 2012年07月22日 13:01
  • ID:4phzexeG0 #

千切りというより、引き伸ばして薄くするって感じだな

30

30. 匿名処理班

  • 2012年07月22日 14:13
  • ID:iQ2AF7XY0 #

※21
万能というわけではないだろうけど※2も言ってるように選択肢が多いに越したことはないよ
いざというときに消火器とこれと迷っちゃって、なんてことにならない限りはねw

31

31. 匿名処理班

  • 2012年10月08日 16:38
  • ID:h6VHq0XI0 #

で、フォックスダイはいつ効き出すんだ?

32

32. 匿名処理班

  • 2012年10月28日 22:01
  • ID:i651fxpi0 #

要するにアパッチの雄叫び的な原理って事だな

33

33. 匿名処理班

  • 2013年04月07日 23:55
  • ID:yABTmgv30 #

※5の見解なら定常波を作り出さにゃならんわけだがそうなると中高レベルの知識で音源2つで挟むかなるべく減衰のない壁に垂直に当てなきゃならないと思うんだけど実用化までまだ壁があるのかな
>映像では、炎を消す特定の周波数で音を発生させるために2つのスピーカーを使用してる。炎の両側にスピーカーを置き、そこから音波を発生させ、空気の運動速度を上げることで、炎の境界層燃焼を加速させた後、炎を広げることで、全体的な火炎温度を低下するというしくみ。
炎の境界層ってのが中学範囲のろうそくの図で言う外炎と空気の境界線あたりの話ならそこら辺の燃焼=(ろうそくでは)炭素と酸素の結合を加速し・・・ってことは酸素が普段より急激に減り炎の周りは酸素不足になり酸素があるところまで炎が膨らみ、熱=エネルギーの分布も広がる で、薄くなる、各点の温度としては下がる
ってのが記事から10分ぐらいで考えた考察。
プラズマについてはまだよく知らないのでパス。

34

34. 匿名処理班

  • 2013年04月20日 09:13
  • ID:DwH6Qq2K0 #

バサラのバルキリーみたいなの作って火災現場付近で ライブしてたら火が消えるって感じ?

35

35. 匿名処理班

  • 2013年08月30日 23:20
  • ID:snQHPr9U0 #

俺の歌を聴けぇぇぇ!!
プシュー

36

36. 匿名処理班

  • 2013年10月05日 19:30
  • ID:G74dkMIF0 #

冷房に応用しようぜ。空気分子の振動に対して逆相の振動をぶつけるんだよ。そうすれは空気の持つエネルギーが相殺され冷えるだろ。熱交換式でない新型の冷却装置の誕生だ。

37

37. 匿名処理班

  • 2015年09月23日 14:03
  • ID:ziCjJmSR0 #

音を聞く限り屁でも消えるのでは!?

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