銀河

 2010年1月5日、第215回アメリカ天文学会の発表によると、最初期の銀河発見の記録がまた塗り替えられたそうなんだ。ハッブル宇宙望遠鏡の観測によるもので、淡い青色に輝く小さな銀河が深宇宙で複数発見された。およそ137億年前のビッグバンからわずか5億年後の銀河だという。つまり、銀河の形成開始時期が約 15億年さかのぼることになる。
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ハッブルがとらえた史上最古の銀河

 今回、宇宙の深奥に迫ったハッブルの観測機器は、2009年に導入された「広視野カメラ3」(Wide Field Camera 3:WFC3)だ。スピッツァー宇宙望遠鏡のデータと組み合わせて作成されたハッブルの画像には、小銀河の水素やヘリウムといった軽元素が青く輝いている様子が写し出されている。

(クリック拡大)
ぎんが


 星の内部で水素が融合し尽くすと、いずれ鉄やニッケルなどの重元素が生成される。大質量星が一生を終えて爆発すると重元素は宇宙全体に散らばっていく。年老いた銀河が多色に輝く理由は重元素が多く含まれているためだが、最初期の銀河の青い色が示すように、その形成時期は多数の大質量星が消滅する時期よりも前だった可能性が高い。

 ハッブル宇宙望遠鏡による調査チームのリーダーを務めるカリフォルニア大学サンタクルーズ校の天文学者ガース・イリングワース氏は、「ハッブルのデータから推測すると、130億年、つまり宇宙年齢の95パーセントまでさかのぼる貴重な銀河を発見できた」と話している。

回の発見は、宇宙の起源を探る壮大なパズルのほんの1ピースにすぎない。最も重要なのは、ビッグバンから4〜9億年後の「宇宙再イオン化」はどのようにして起きたのか、という問題だ。宇宙再イオン化とは、宇宙全体に広がっていた中性水素原子が、なんらかの理由で発生した熱波によって陽子と電子に分離(イオン化)した現象のことである。

 イオン化によって電荷を帯びたガスは不透明な状態を脱し、“透明”へと急速に変化した。これが「宇宙暗黒時代」の終焉となり、現在の銀河や恒星などの天体が誕生したのだ。

 イリングワース氏は、「宇宙の成り立ちを知るには、この熱波の発生原因を突き止める必要がある」と指摘する。第一候補は初期銀河から次々と放射される光だ。

 しかし宇宙における銀河の密度低下は、考えられているよりも以前に起こった可能性がある。今回の発見もそれを裏付けるものだ。未だ特定されていない原初の銀河がもし高密度だったなら、宇宙再イオン化を引き起こすに十分な質量を持っていたはずだという。

 2014年には、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の打ち上げが予定されている。原初銀河の発見により宇宙再イオン化の謎が解明される日も近いかもしれない。「その日が来るまでは、ハッブルを駆使して限界まで調査を進めるつもりだ」とイリングワード氏は話している。

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コメント

1

1. richman4600

  • 2011年09月27日 18:14
  • ID:DDczrVIT0 #

この銀河も1万光年ほどの大きさ?
5万光年の大きさの銀河の発見も報じられたばかり。

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